この記事の情報
運賃と料金の数字は、東京ハイヤー・タクシー協会が公表している運賃料金表と「東京のタクシー2026」(令和8年6月発行)、全国ハイヤー・タクシー連合会「TAXI TODAY in Japan 2026」の原文です。制度の根拠は道路運送法と計量法の条文で確かめました。いずれも2026年9月23日に確認しています。乗務の体験談は、筆者が都内で乗務していた2018年から2020年ごろの話で、いまの制度の説明とは分けて書いています。
タクシーに乗っていると、同じ道を同じところまで走ったのに、前回と金額が違うことがあります。止まっているだけなのにメーターが上がることもあります。なんとなく「距離で上がるもの」と思って乗っていると、降りるときの金額がいつも予想と少しずれます。
タクシーの料金は、感覚ではなく公示された運賃表のとおりに機械が計算しています。しかもその運賃表は国の認可を受けたもので、メーター自体も計量法で管理された計量器です。仕組みが分かると、金額のブレの理由も、どこで損をしているかも見当がつくようになります。
そして大事な前提が1つあります。東京の運賃は2026年4月20日に変わりました。いま検索して出てくる料金の解説には、改定前の数字のまま残っているものが少なくありません。まずそこから書きます。

2026年4月20日、東京のタクシー運賃が変わった
特別区と武三地区の改定内容
東京ハイヤー・タクシー協会が出している「東京のタクシー2026」に、改定の前後が並べて載っています。対象は東京都の特別区と三鷹市、武蔵野市(この運賃ブロックを特別区と武三地区と呼びます)。公示は令和8年3月19日、実施は令和8年4月20日の月曜日です。
| 項目 | 改定前(上限運賃) | 改定後(上限運賃) |
|---|---|---|
| 初乗り距離 | 1,096メートル | 1.0km(1,000メートル) |
| 初乗り運賃 | 500円 | 500円 |
| 加算距離 | 255メートル | 232メートル |
| 加算運賃 | 100円 | 100円 |
| 時間距離併用制運賃 | 時速10km以下で95秒ごとに100円 | 時速10km以下で85秒ごとに100円 |
初乗りの金額は500円のままで、変わったのは距離と秒数です。初乗りで走れる距離が1,096メートルから1,000メートルに縮み、その先の加算も255メートルごとから232メートルごとに短くなりました。つまり同じ区間を乗れば、前より早くメーターが上がります。協会の資料は改定の理由を「タクシー乗務員の確保と労働条件の改善、ならびに事業収支の改善を図るため」と書いています。

多摩地区はひと足早く2026年3月16日から
多摩地区(北多摩、南多摩、西多摩の3交通圏)は、特別区より1か月ほど早く改定されています。公示は令和8年2月13日、実施は令和8年3月16日の月曜日です。
| 項目 | 改定前(上限運賃) | 改定後(上限運賃) |
|---|---|---|
| 初乗り距離 | 1,091メートル | 1.0km(1,000メートル) |
| 初乗り運賃 | 500円 | 500円 |
| 加算距離 | 233メートル | 211メートル |
| 加算運賃 | 100円 | 100円 |
| 時間距離併用制運賃 | 時速10km以下で85秒ごとに100円 | 時速10km以下で80秒ごとに100円 |
多摩の加算距離は211メートルで、特別区の232メートルより短くなっています。同じ東京都内でも、乗る場所によって上がり方が違うということです。

古い料金表を見ていないか
東京の運賃は、この10年ほどで何度も動いています。消費税の転嫁があった2019年10月1日の時点では、特別区と武三地区の初乗りは1,052メートルまで420円、加算は233メートルごとに80円でした。その前はさらに別の額です。検索して出てくる解説記事には、この時期の数字がそのまま残っているものがあります。
見分け方は簡単で、初乗りの金額が500円でなく、加算の距離が232メートルでなければ、東京の現行運賃ではありません。金額を調べるときは日付の入った公示か、協会の運賃料金表で確かめるのが確実です。
いまの東京の運賃料金表
協会が公表しているタクシー運賃料金表から、普通車の内容をそのまま並べます。左が東京23区と武蔵野市、三鷹市、右が多摩地区です。
| 項目 | 東京23区・武蔵野市・三鷹市 | 多摩地区 |
|---|---|---|
| 初乗運賃 | 1.0kmまで 500円 | 1.0kmまで 500円 |
| 加算運賃 | 232m増すごとに 100円 | 211m増すごとに 100円 |
| 時間距離併用運賃 | 時速10km以下走行時間について1分25秒までごとに 100円 | 時速10km以下走行時間について1分20秒までごとに 100円 |
| 深夜早朝割増 | 22時から5時まで 2割増 | 22時から5時まで 2割増 |
| 迎車回送料金 | 1回につき定額料金を事業者ごとに設定 | 1回につき定額料金を事業者ごとに設定 |
| 障害者割引 | 1割引 | 1割引 |
| 遠距離割引 | 9,000円を超えた金額について1割引 | 9,000円を超えた金額について1割引 |
表に「上限運賃」と書かれているのは、これが会社ごとに選べる幅のいちばん高い側だからです。この理由はあとの章で説明します。
時間で貸し切る時間制運賃もあります。特別区と武三地区の普通車は、上限運賃で初乗り1時間5,900円、加算は30分ごとに2,700円。多摩地区は30分単位で、上限運賃の普通車が初乗り30分3,790円、加算30分3,790円です。

ここから先は東京を例に説明します。運賃は地域ごとに違い、全国ハイヤー・タクシー連合会の「TAXI TODAY in Japan 2026」によれば、運賃ブロックは全国で69ブロックあります(令和6年12月24日公示)。東京以外の金額は、その地域のタクシー協会か、乗る会社が公表している料金表で確かめてください。

支払うお金は「運賃」と「料金」の2つに分かれている
レシートを見ると、メーターの金額のほかに何かが足されていることがあります。これは足し算の間違いではなく、運賃と料金という別ものが並んでいるからです。
都内の事業者が出している解説ページには「タクシーを利用した際に支払う金銭には『運賃』と『料金』の2種類があります」とあり、運賃は「旅客や貨物などの運送の対価として交通機関に支払う金銭」、料金は「運賃以外に支払う必要がある金銭のことを指します。予約や待機、迎車などのサービスを利用した場合にかかるお金です」と説明されています。
| 区分 | 中身 | 例 |
|---|---|---|
| 運賃 | 運んでもらうことへの対価。メーターが計算する本体部分 | 距離制運賃(時間距離併用)、時間制運賃、定額運賃、事前確定運賃 |
| 料金 | 運賃以外に発生するもの。サービスに対して付く | 迎車回送料金、待ち料金、時間指定配車料金、車両指定配車料金 |
| 割引 | 運賃から引かれるもの | 遠距離割引、障害者割引などの公共的割引、クーポンなどの営業的割引 |
| 割増 | 運賃に上乗せされるもの | 深夜早朝割増、冬期割増、寝台の割増など |
全国ハイヤー・タクシー連合会の資料も同じ分け方で、運賃を距離制、時間制、定額、事前確定、割引、割増に、料金を迎車回送料金、待ち料金、サービス指定予約料金に整理しています。メーターの数字イコール支払額ではないと覚えておくと、降りるときに慌てません。

距離でメーターが上がる仕組み
初乗り1.0kmと、その先の232メートル
東京23区の普通車なら、乗った瞬間にメーターは500円を表示します。ここから1,000メートルまでは、どれだけ走っても500円のままです。1,000メートルを1メートルでも超えると、そこから232メートルごとに100円ずつ上がります。
端数の扱いは切り上げです。協会が自分のサイトで使っている運賃計算ページのスクリプトを読むと、初乗り距離を超えた分を加算距離で割って小数点以下を切り上げ、それに加算運賃を掛ける計算になっています。つまり232メートルのうち1メートルでも入れば100円上がるということです。

何メートルで次の100円に上がるか
上の計算式で、東京23区の場合にメーターが変わる位置を並べるとこうなります。信号待ちなどで止まらなかった場合の値です。
| メーターの表示 | そこまでに走った距離 |
|---|---|
| 500円 | 1,000メートルまで |
| 600円 | 1,001メートルから1,232メートル |
| 700円 | 1,233メートルから1,464メートル |
| 800円 | 1,465メートルから1,696メートル |
| 900円 | 1,697メートルから1,928メートル |
| 1,000円 | 1,929メートルから2,160メートル |
| 1,100円 | 2,161メートルから2,392メートル |
| 1,200円 | 2,393メートルから2,624メートル |
目的地の少し手前でメーターが上がってしまった、という経験があると思います。232メートルは道の1ブロックから2ブロック分で、交差点1つ分の差で100円動きます。

止まっていてもメーターが上がる理由
時間距離併用制運賃
東京の運賃には、距離とは別にもう1本の物差しがあります。協会のQ&Aページの説明を引きます。
時間距離併用制運賃とは、乗車地点から降車地点までの走行距離に応じて計算される距離制運賃に、一定速度(時速10km)以下の走行速度になった場合の時間を距離に換算し併算する運賃制度です。例えば、タクシーに乗車中、信号待ちや渋滞などにより、走行速度が時速10km以下になった場合の時間も距離に換算して運賃に加えられます。
東京23区なら時速10km以下になっている時間が1分25秒たつごとに100円、多摩地区なら1分20秒ごとに100円。完全に停止していなくても、のろのろ進んでいれば同じように加算されます。「止まっているのにメーターが上がるのはおかしい」と感じる場面の正体がこれです。

何分止まるといくら増えるか
秒数から計算するとこうなります。信号待ちや渋滞で止まっていた時間の合計で考えてください。
| 止まっていた時間の合計 | 東京23区(85秒ごと100円) | 多摩地区(80秒ごと100円) |
|---|---|---|
| 5分 | 300円 | 300円 |
| 15分 | 1,000円 | 1,100円 |
| 1時間 | 4,200円 | 4,500円 |
1時間まるまる渋滞にはまると、1メートルも進んでいなくても4,200円動く計算です。急いでいないときに、渋滞する道をあえて選ばないほうがいい理由はここにあります。

バックでもメーターは上がる
同じQ&Aに、こういう項目があります。「バックで走行している場合は時速10km以下の走行となり、かかった時間が運賃として計算されます」。細い道に入って切り返したときなどは、距離ではなく時間で計算されているということです。
高速道路の上では距離だけで計算される
時間距離併用制には例外があります。協会のQ&Aには、東京23区と武蔵野市、三鷹市について「高速道路を走行している場合は、距離制運賃のみ適用されます」と明記されています。都内の事業者が公表している料金表にも、時間距離併用運賃の説明のあとに「(高速道路走行時には適用されません。)」という同じ注記があります。
つまり高速道路の上では、渋滞して速度が落ちていても時間による加算は付かず、走った距離だけでメーターが動きます。ただし高速道路の通行料は別に利用者が負担します。協会の運賃計算ページにも「検索結果の料金には、高速道路利用料は反映されません」と書かれています。

距離ごとの料金の目安
東京23区と多摩地区で、信号待ちがなく距離だけで走った場合の金額を並べます。改定前と比べられるように、前の運賃で計算した金額も載せました。9,000円を超えるものは遠距離割引を引いた後の額です。
| 走った距離 | 23区 いまの運賃 | 23区 改定前 | 差 | 多摩 いまの運賃 | 多摩 改定前 | 差 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1km | 500円 | 500円 | 0円 | 500円 | 500円 | 0円 |
| 1.5km | 800円 | 700円 | 100円 | 800円 | 700円 | 100円 |
| 2km | 1,000円 | 900円 | 100円 | 1,000円 | 900円 | 100円 |
| 3km | 1,400円 | 1,300円 | 100円 | 1,500円 | 1,400円 | 100円 |
| 4km | 1,800円 | 1,700円 | 100円 | 2,000円 | 1,800円 | 200円 |
| 5km | 2,300円 | 2,100円 | 200円 | 2,400円 | 2,200円 | 200円 |
| 7km | 3,100円 | 2,900円 | 200円 | 3,400円 | 3,100円 | 300円 |
| 10km | 4,400円 | 4,000円 | 400円 | 4,800円 | 4,400円 | 400円 |
| 15km | 6,600円 | 6,000円 | 600円 | 7,200円 | 6,500円 | 700円 |
| 20km | 8,700円 | 8,000円 | 700円 | 9,540円 | 8,700円 | 840円 |
| 30km | 12,600円 | 11,610円 | 990円 | 13,770円 | 12,600円 | 1,170円 |
短い距離ではほとんど変わりませんが、長く乗るほど差が開きます。10kmで400円、30kmでは約990円の違いです。加算距離が23メートル縮んだ影響が積み上がるからです。


多摩地区のほうが加算距離が短いぶん、同じ距離でも金額が上がりやすくなります。10kmで比べると23区の4,400円に対して多摩は4,800円です。

ここに書いたのは距離だけで走った場合の下限に近い値です。実際は信号待ちの加算が乗るので、これより高くなるのがふつうです。「同じ区間なのに毎回運賃が違う」という質問に対して、協会は「東京のタクシーは時間距離併用制運賃を適用しているためです」と答えています。
深夜早朝割増は22時から5時まで
東京は22時から翌5時まで、運賃が2割増になります。増えるのは運賃の部分で、初乗りも加算も同じ割合で上がります。
協会の運賃計算ページのスクリプトを見ると、深夜の計算は23区で初乗り600円、232メートルごとに120円、多摩で初乗り600円、211メートルごとに120円と設定されています。500円の2割増が600円、100円の2割増が120円ですから、表の説明どおりの数字です。
| 区分 | 昼間(5時から22時) | 深夜早朝(22時から5時) |
|---|---|---|
| 初乗り(23区・1.0kmまで) | 500円 | 600円 |
| 加算(23区・232メートルごと) | 100円 | 120円 |
| 初乗り(多摩・1.0kmまで) | 500円 | 600円 |
| 加算(多摩・211メートルごと) | 100円 | 120円 |

22時をまたぐとどうなるか
昼の運賃で走っていても、22時になった時点から先は割増の運賃で計算されます。距離ごとの金額は、23区の深夜だとこうなります。
| 走った距離 | 昼間 | 深夜早朝(2割増) |
|---|---|---|
| 1km | 500円 | 600円 |
| 2km | 1,000円 | 1,200円 |
| 5km | 2,300円 | 2,760円 |
| 10km | 4,400円 | 5,280円 |
| 15km | 6,600円 | 7,920円 |
| 20km | 8,700円 | 10,290円 |
20kmだと昼と深夜で1,590円の差になります。21時50分に乗るか22時10分に乗るかで金額が変わるので、長い距離を乗るなら22時の前に乗ってしまうほうが安く済みます。

引かれるお金、割引の仕組み
遠距離割引は9,000円を超えた分の1割
メーターが9,000円を超えると、超えた分について1割が引かれます。協会の計算式では、9,000円を超えた額を100円単位で数えて、1単位につき10円を引く形になっています。
| メーターの表示額 | 引かれる額 | 支払う額 |
|---|---|---|
| 9,100円 | 10円 | 9,090円 |
| 10,000円 | 100円 | 9,900円 |
| 12,000円 | 300円 | 11,700円 |
| 15,000円 | 600円 | 14,400円 |
| 20,000円 | 1,100円 | 18,900円 |
引かれるのは9,000円を超えた部分だけで、全体の1割ではありません。20,000円のときに引かれるのは1,100円で、2,000円ではない、という読み方になります。

障害者割引とミライロID
障害者割引は乗車した区間の運賃が1割引です。協会の運賃料金表の注記には、割引の受け方がこう書かれています。
乗車前に「身体障害者手帳」、「療育手帳」、「精神障害者保健福祉手帳」または「障害者手帳アプリ【ミライロID】を乗務員へ提示され、写真により本人と確認された場合に乗車された区間の運賃料金を割引いたします。
紙の手帳だけでなく、スマートフォンの障害者手帳アプリでも受けられるという点が、古い解説記事には入っていないところです。ただし同じ注記に「精神障害者の方への割引につきましては、現在都内タクシー事業者の一部がサービスを導入していないため、ご利用の際には事前にタクシー事業者へお問い合わせされるか、ご乗車時にタクシー乗務員へおたずねください」ともあります。

割引には、ほかに営業的割引と呼ばれるクーポンや利用回数による割引もあります。ただし全国ハイヤー・タクシー連合会の資料には「相手によって運賃を値引きしたり受け取らない行為は禁止されています」とも書かれています。その場の交渉で安くしてもらうものではなく、あらかじめ公示された割引だけが使えるという考え方です。
迎車料金と予約料金は会社ごとに違う
協会の表に金額が書かれていない理由
協会の運賃料金表で、迎車回送料金の欄はこう書かれています。「1回につき定額料金を事業者ごとに設定」。つまり東京で共通の金額があるわけではなく、呼んだ会社によって違います。
都内の事業者の解説ページには、決め方の違いがこう書かれています。「金額はタクシー会社によって異なります。一律固定の金額を設定している場合は数百円程度。乗車地点までの距離で料金が決まるスリップ制を採用している場合は、乗車場所までの走行距離が初乗り距離から差し引かれます。会社によっては迎車料金が発生しない場合もあります」。
| 決め方 | 内容 |
|---|---|
| 一律固定 | 1回につき定額。数百円程度で設定されていることが多い |
| スリップ制 | 乗車場所までの走行距離が初乗り距離から差し引かれる。遠くから来るほど高くなる |
| 無料 | 迎車料金が発生しない会社もある |
実例として、都内のある大手事業者は自社の料金表で迎車回送料金を1台につき500円(電話でもアプリでも同じ)と公表しています。金額を知りたいときは、呼ぶ会社の料金ページを見るのが確実です。


予約料金は「高いほうだけ」
時間を指定して呼ぶと時間指定配車料金、ワゴン車など車種を指定すると車両指定配車料金が付きます。この2つはまとめてサービス指定予約料金と呼ばれ、1車両1回ごとの定額です。
大事なのは重ねたときの扱いで、全国ハイヤー・タクシー連合会の資料には「下記のいずれにも該当する場合は、いずれかのうち高額の料金のみ収受」とあります。日時と車種の両方を指定しても、両方の料金は取られません。高いほうだけです。
実例では、先ほどの事業者が時間指定予約料金を1台につき500円、車種指定予約料金を1台につき2,000円と公表しています。時間指定は迎車回送料金に上乗せされる形で、「時刻を指定してご依頼いただく場合は、迎車回送料金にプラスして、ご予約料金として1台につき500円加算させていただきます」と書かれています。

待ち料金と、待たせたときの扱い
全国ハイヤー・タクシー連合会の資料には、料金の1つとして待ち料金が挙げられていて、「お客様の都合によりタクシーを待機させた場合に適用」と定義されています。
実際の運用は会社ごとの公表内容で決まります。先ほどの事業者の料金ページには「無線配車の場合、タクシー到着時間(予約配車の場合は予約時間)になってもお見えにならない場合は、タクシー到着時間(予約配車の場合は予約時間)から5分までは無料でお待ちします。5分経過後はタクシーメーターを入れさせていただきます(時間距離併用運賃を適用します)」と書かれています。
キャンセルについても「ご注文をいただき配車が完了した時点で1つの運送契約が締結されており、お客様のご都合で、配車完了5分経過後にキャンセルされた場合、当社では、迎車料金を含むメーター表示額を申し受けいたします」とあります。呼んだあとに乗らなくなったときは、連絡が早いほど負担が小さくなります。
アプリで呼ぶと足されるもの
配車アプリを使うと、運賃と迎車料金のほかにアプリ側の費目が付くことがあります。先ほどの事業者の注記では、アプリからの注文でアプリ手配料が100円、アプリ注文時に車内決済を選ぶと取扱手数料がさらに100円発生すると書かれています。
どのアプリで呼ぶかによって内訳が変わるので、比較は配車アプリの記事にまとめています。

メーター以外の決め方もある
時間制運賃
時間で貸し切る決め方です。全国ハイヤー・タクシー連合会の資料は「事前特約による実拘束時間に応じた運賃」と定義しています。特別区と武三地区の普通車は上限運賃で初乗り1時間5,900円、加算30分ごとに2,700円。先ほどの事業者も同じ額を公表していて、3時間の貸切から利用できると書いています。

事前確定運賃
配車アプリで乗る場所と降りる場所を先に入れると、乗る前に金額が決まる仕組みです。資料の定義は「配車アプリ等で入力された乗降地点と降車地点との間の推計走行距離を基に距離制運賃に準じて算定し、乗車前に運賃額を確定する運賃」。
計算の方法も公表されています。協会の資料によれば、距離制運賃に時間係数を掛けて算定し、東京の場合の係数は1.21。初乗り500円なら500円に1.21を掛けて1円単位で四捨五入し、約610円になります。この610円を中心に、5割引の310円から5割増の910円まで、600円分の幅で動かせる設計です。
この幅の中で需要に応じて金額が動く運用もあり、資料には「利用時点の需要に応じて、各社の創意工夫により公定幅内でリアルタイムの運賃変動が可能」「※流し営業の利用不可」とあります。道で手を挙げて止めた場合には使えない仕組みということです。

定額運賃と相乗り
空港など決まった区間を定額で走る定額運賃もあります。資料は、施設やエリアに係る定額運賃、イベント定額運賃、観光ルート別運賃、定期券や回数券のような一括定額運賃を挙げています。空港の定額運賃は事前の予約が必要で、有料道路の料金は別に負担する形が一般的です。内容は定額運賃の記事にまとめています。
このほか、2020年11月には変動迎車料金(繁忙時と閑散時で迎車料金を変える仕組み)と一括定額運賃が、2021年11月にはオンデマンド相乗り通勤タクシーが始まっています。どれも従来の「流しで拾ってメーターで払う」形とは別の入り口です。
なぜ会社によって初乗りが違うのか
協会の運賃料金表に「上限運賃」と書かれていたのは、東京の運賃が幅で決まっているからです。この幅を公定幅運賃と呼びます。特別区と武三地区の普通車は、令和8年3月19日の公示でこうなっています。
| 区分 | 初乗り運賃(1.0km) | 加算運賃 | 時間距離併用制 | 時間制 初乗り1時間 | 時間制 加算30分 |
|---|---|---|---|---|---|
| A(上限運賃) | 500円 | 232メートル 100円 | 1分25秒 100円 | 5,900円 | 2,700円 |
| B運賃 | 490円 | 237メートル 100円 | 1分25秒 100円 | 5,780円 | 2,650円 |
| 下限運賃 | 480円 | 242メートル 100円 | 1分30秒 100円 | 5,660円 | 2,590円 |
同じ東京23区でも、会社によって初乗りが480円から500円の間で違うということです。多摩地区も同じように、A(上限)が500円で211メートルごと、B運賃が490円で215メートルごと、下限運賃が480円で220メートルごとと決まっています。
車のサイズでも変わります。特別区と武三地区の上限運賃では、大型車が初乗り530円、加算219メートルごとに100円、特定大型車が初乗り570円、加算203メートルごとに100円です。大きい車ほど初乗りが高く、加算の距離は短くなります。

さらに、初乗りの距離を短くした初乗り距離短縮運賃という区分もあります。特別区と武三地区の普通車なら、上限で768メートルまで400円、加算は232メートルごとに100円。下限では758メートルまで380円です。短い距離で乗る人に合わせた設定です。
運賃を決めているのは誰か
原則は国土交通大臣の認可
タクシーの運賃は会社が自由に決められません。道路運送法の第九条の三に、こう書かれています。
一般乗用旅客自動車運送事業を経営する者は、運賃等を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
認可の基準も同じ条文にあり、「能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えないものであること」「特定の旅客に対し不当な差別的取扱いをするものでないこと」「他の一般旅客自動車運送事業者との間に不当な競争を引き起こすこととなるおそれがないものであること」の3つが並んでいます。
申請のときに何を出すかも決まっていて、道路運送法施行規則の第十条の三は申請書に「原価計算書その他運賃等の額の算出の基礎を記載した書類」を添付すると定めています。いくらかかるかを計算して出し、審査を受けてから決まるというのが運賃の決まり方です。

迎車料金は認可、予約料金は届出
料金のほうは扱いが分かれています。道路運送法は「旅客の利益に及ぼす影響が比較的小さいものとして国土交通省令で定める料金」を認可の対象から外していて、その中身を施行規則の第十条の四が「時間指定配車料金及び車両指定配車料金とする」と特定しています。この2つは届出で足ります。
裏を返せば迎車回送料金は認可が必要です。会社ごとに違っていても、それぞれが認可を受けた額だということになります。
東京は「公定幅運賃」で決まっている
東京のように幅で決まっている地域は、別の法律が働いています。特定地域及び準特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法の第十六条が、国土交通大臣が運賃の範囲を指定して公表すると定め、第十六条の三が「道路運送法第九条の三の規定は、第十六条第一項の運賃の範囲が適用された特定地域及び準特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業に係る旅客の運賃には、適用しない」としています。
この地域では、会社は指定された範囲の中で運賃を決めて事前に届け出る形になり(第十六条の四)、範囲から外れていれば変更を命じられます。東京の運賃表にA、B、下限が並んでいるのは、この仕組みがあるからです。
公示してからでないと実施できない
決まった運賃をいつから使えるかも決まっています。旅客自動車運送事業運輸規則の第四条は「運賃及び料金並びに運送約款を公示した後でなければ、これを実施してはならない」と定め、さらに事業用自動車に運賃と料金に関する事項を「公衆及び事業用自動車を利用する旅客に見やすいように表示」すること、時間制以外は車内に運賃と料金の額を表示することを求めています。
乗ったときに車内へ料金表が貼ってあるのは、サービスではなく規則で決まっているからです。金額に不安があるときは、まずそこを見てください。
領収証は求めれば出る
同じ規則の第十条2項は「運賃又は料金を収受した場合であつて旅客の求めがあつたときは、収受した運賃又は料金の額を記載した領収証を発行しなければならない」と定めています。黙っていても出してくれることが多いですが、制度としては求めれば必ず出るものです。
メーターそのものは計量法で管理されている
ここまでは運賃の決まり方でした。では、その運賃どおりに計算していることは誰が確かめているのか。答えは計量法です。
タクシーメーターは「特定計量器」
計量法施行令の第二条は、法律で特別に管理する計量器(特定計量器)を列挙しています。その一号がタクシーメーターです。政令の一番はじめに出てきます。
特定計量器には使用の制限がかかります。計量法の第十六条は、検定を受けて検定証印が付いているもの以外は、取引や証明の計量に使ってはならないし、そのために持っていてもいけないと定めています。有効期間が切れたものも同じ扱いです。

車に付けた状態でもう一度検査する
タクシーメーターには、もう1段階あります。計量法第十六条3項は、車両その他の機械器具に装置して使用される特定計量器について、機械器具に装置した状態での検査(装置検査)に合格して装置検査証印が付いていなければ使えないと定めています。そして施行令の第七条が、この車両等装置用計量器をタクシーメーターと特定しています。
メーター単体で正確でも、車に付けたときにタイヤの大きさや配線の状態で狂えば意味がありません。だから付けた状態で確かめるという検査が別にあります。申請先は、そのメーターの所在地を管轄する都道府県知事です(施行令第二十条)。
有効期間は1年
ここが、多くの解説で取り違えられているところです。タクシーメーターは計量法施行令の別表第三(検定証印の有効期間の表)に載っていません。つまり検定証印そのものに有効期間は設けられていない一方で、施行令の第二十一条が装置検査証印についてこう定めています。「法第七十五条第三項の政令で定める期間は、一年とする」。
1年ごとに受け直しているのは装置検査のほうです。合格すると装置検査済証が交付されます(特定計量器検定検査規則第七十二条2項)。
| 検査の種類 | 何を見るか | 証印と有効期間 |
|---|---|---|
| 検定 | メーターそのものの構造と器差 | 検定証印。タクシーメーターは有効期間の表に載っていない |
| 装置検査 | 車に取り付けた状態での精度 | 装置検査証印。有効期間は1年(計量法施行令第二十一条) |
| 使用中検査 | 使用しているメーターの性能と器差 | 装置検査済証の記載事項が車両とメーターについて正しいことを確認する |

証印の大きさと貼る場所まで決まっている
同じ規則の第二十八条は、装置検査証印を打ち込み印または押し込み印で付けること、大きさは高さ8ミリメートル、横幅6ミリメートルとすること、付ける部分は「タクシーメーター本体と車体との接合部にある電気的器差調整装置に封印をするための金属片その他の物体」とすることまで定めています。
有効期間の表示のしかたも決まっていて、裏面に年と月を数字で表し、有効期間は装置検査証印を付した月の翌月一日から起算するとされています。
技術の基準は日本産業規格
メーターの表記、性能、検定公差、構造検定の方法、器差検定の方法、装置検査の合格条件と方法、使用中の検査まで、特定計量器検定検査規則はすべて日本産業規格D5609(2019)によると定めています。細かい数値は規格本体にあり、この記事では扱いません。
運賃改定のときにメーターを触る「タリフ定数」
運賃が変わると、全国のメーターの設定を書き換える必要があります。その設定値をタリフ定数と呼びます。特定計量器検定検査規則の第七十九条は「タクシーメーターのタリフ定数の設定部の封印に使用する記号は、当該封印を行う届出製造事業者または届出修理事業者が、あらかじめ都道府県知事に届け出たものでなければならない」と定めています。
この封印は、計量法施行規則でも扱いが分かれています。封印を外さずにできる作業は「軽微な修理」、封印を外して運賃の設定値を書き込む作業は「簡易修理」として区別されています。運賃を書き換える作業は、誰でも勝手にできるものではないということです。
運賃改定の実施日に各社のメーターが一斉に切り替わるのは、この作業を期日に合わせて済ませているからです。メーターが「勝手に高くなる」ことはありません。

乗る前と降りるときに確かめられること
料金でもめないために、乗る人の側でできることを整理します。難しいことはなく、見る場所が決まっているだけです。
| 場面 | 確かめること | 根拠 |
|---|---|---|
| 乗る前 | 車内に貼ってある運賃料金の表示。初乗りが何キロで何円か | 運輸規則第四条3項・4項 |
| 呼ぶとき | 迎車回送料金がいくらか、時間指定の予約料金が付くか | 協会の運賃料金表(事業者ごとに設定) |
| 乗ってすぐ | メーターが初乗りの額を表示しているか | 協会の運賃料金表 |
| 22時の前後 | 割増の時間帯に入っているか | 深夜早朝割増 22時から5時まで2割増 |
| 高速に乗るとき | 通行料が別に必要なこと | 協会の運賃計算ページの注記 |
| 降りるとき | メーター表示額と、迎車料金など別立ての料金の内訳 | 全国ハイヤー・タクシー連合会の運賃と料金の区分 |
| 降りたあと | 領収証をもらう | 運輸規則第十条2項 |

金額が想定と違ったときは、その場で内訳を聞くのがいちばん早い解決です。運賃と料金は別立てなので、メーターの表示より請求が多いときは、迎車料金や予約料金が乗っているだけであることが多いです。
乗務していたころの話(2018年から2020年ごろ)
ここからは、筆者が都内で乗務していた2018年から2020年ごろの話です。当時の運賃は今とは違いますし、会社ごとの扱いも変わっている可能性があります。制度の説明ではなく、当時そうだった体験として読んでください。
乗せた瞬間に、だいたいの金額が分かる
行き先を聞いた瞬間に、おおよその金額が頭に浮かぶようになります。毎日同じ街を走っていると、区間と金額が結びついてくるからです。だから、お客さんに「だいたいいくらですか」と聞かれても、すぐ答えられました。
これは特別な能力ではなく、この記事に書いた仕組みを体で覚えているだけです。初乗りの距離と加算の距離が分かっていれば、地図の距離から逆算できます。

深夜割増に切り替わる瞬間、メーターが鳴った
22時になると、メーターが「ピー」とか「ピピピピ」と音を出して割増の表示に変わりました。車種やメーターによって音は違いますが、切り替わりが分かるようになっていました。
21時50分ごろに乗ってきたお客さんが、途中で音を聞いて「いま上がったの」と聞いてくることがよくありました。仕組みとしては、その瞬間から先の運賃が割増になるだけで、それまでの分がさかのぼって高くなるわけではありません。
高速に乗ったほうが安いことがあった
郊外へ向かうお客さんを乗せるとき、都心の下道をずっと走ると信号待ちの加算が積み上がります。高速に乗れば時間の加算が付かないので、通行料を払っても合計が安くなることがありました。東京駅から新宿へ行くときも、時間帯によっては高速のほうが安く着きました。
当時からこれは経験則ではなく、制度としてそうなっています。協会のQ&Aが「高速道路を走行している場合は、距離制運賃のみ適用されます」と書いているとおりです。急ぐかどうかだけでなく、金額の面でも高速を選ぶ理由があるということです。
迎車で15分待たされたとき
迎車で向かったのにお客さんが出てこないことがありました。当時いた会社では、しばらく待って出てこない場合はオペレーターに連絡し、予約配車に切り替えるかメーターを入れるかの指示をもらう運用でした。5分で切り替える会社もあると聞いていました。
いまは各社が扱いを公表していて、先ほど引いた事業者の料金ページには「到着時間から5分までは無料でお待ちします。5分経過後はタクシーメーターを入れさせていただきます」と書かれています。待たせた時間はメーターに乗るというのが基本です。
当時は、常習的に待たせるお客さんの情報が運転手の間で共有されて、無線の配車を誰も取らなくなることがありました。会社の制度ではなく、現場でそうなっていたという話です。
お金が足りないお客さんと交渉したこと
メーターが8,000円ほどになる区間で、大学生が現金を7,000円しか持っていなかったことがありました。当時は途中で降りてもらう判断もできましたが、結局7,500円まで走ったところで降りてもらい、差額の500円を自分で負担しました。
いま振り返ると、これは褒められた処理ではありません。全国ハイヤー・タクシー連合会の資料にも「相手によって運賃を値引きしたり受け取らない行為は禁止されています」と明記されています。運賃は公示されたとおりに収受するものです。乗る側としては、長い距離を乗る前に支払い方法を確かめておくのが正解だと思います。
障害者割引をめぐって
障害者割引を申し出たお客さんに対して、乗務員が嫌な顔をする場面を見たことがあります。会社によっては、割引分やカード決済の手数料が乗務員の負担になる仕組みだと聞いていました。ただ、これは当時そう聞いたという話で、いまの各社の扱いをこの記事で確かめたわけではありません。
制度としては、協会の運賃料金表に割引が明記されています。手帳かアプリを提示すれば受けられるもので、乗る側が遠慮する筋合いのものではありません。
運転手の側から見た売上と歩合の話は営収と歩合の記事に、1日の流れは1日の勤務の記事に、新人時代の記録は1年目の乗務記録にまとめています。収入そのものの統計は年収の記事、仕事の中身は仕事内容の記事です。
よくある質問
同じ区間なのに、乗るたびに金額が違うのはなぜですか
東京は時間距離併用制運賃を使っているからです。協会のQ&Aも「東京のタクシーは時間距離併用制運賃を適用しているためです」と答えています。走った距離が同じでも、信号待ちや渋滞で時速10km以下だった時間が違えば、加算される回数が変わります。
止まっているのにメーターが上がるのは正しいのですか
正しい動きです。時速10km以下で走っている時間は、東京23区なら1分25秒ごと、多摩地区なら1分20秒ごとに100円が加算されます。完全な停止でなくても、のろのろ進んでいれば同じです。
高速道路で渋滞したら、時間の分も取られますか
東京23区と武蔵野市、三鷹市については、協会のQ&Aに「高速道路を走行している場合は、距離制運賃のみ適用されます」とあります。時間による加算は付きません。ただし通行料は別に利用者の負担になります。
深夜料金は何時から何時までですか
東京は22時から翌5時までで、運賃が2割増です。23区の深夜は初乗りが600円、加算が232メートルごとに120円という計算になります。
迎車料金はいくらですか
協会の運賃料金表には「1回につき定額料金を事業者ごとに設定」とだけ書かれていて、共通の金額はありません。一律固定のところ、乗車場所までの距離で決まるスリップ制のところ、迎車料金が発生しないところがあります。呼ぶ会社の料金ページで確かめてください。
時間を指定して、さらに車種も指定したら両方の料金が付きますか
付きません。全国ハイヤー・タクシー連合会の資料に「いずれにも該当する場合は、いずれかのうち高額の料金のみ収受」とあります。高いほうだけです。
遠距離割引はいくらから効きますか
メーターが9,000円を超えると、超えた分の1割が引かれます。全体の1割ではありません。10,000円なら100円引きで9,900円です。
障害者割引はスマートフォンのアプリでも受けられますか
協会の運賃料金表の注記には、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳に加えて「障害者手帳アプリ【ミライロID】」の提示が挙げられています。ただし精神障害者への割引は、都内の一部事業者が未導入だとも書かれているので、乗る前に確認するのが確実です。
会社によって初乗りが違うのはなぜですか
東京は公定幅運賃という仕組みで、国が指定した範囲の中から各社が運賃を決めて届け出ているからです。特別区と武三地区の普通車なら、上限が500円、B運賃が490円、下限が480円で、加算の距離もそれぞれ違います。
メーターが壊れていたり、細工されていたりしないのですか
タクシーメーターは計量法の特定計量器で、検定に合格した証印がなければ使えません。さらに車に取り付けた状態での装置検査があり、その証印の有効期間は1年と政令で決まっています。運賃の設定値(タリフ定数)の部分は封印されていて、書き換えは届け出た事業者の作業として区別されています。
領収証はもらえますか
旅客自動車運送事業運輸規則の第十条2項で、旅客の求めがあったときは発行しなければならないと決まっています。
東京以外の運賃も同じですか
違います。運賃ブロックは全国で69あり、地域ごとに金額が決められています。この記事の数字は東京の特別区と武三地区、多摩地区のものです。ほかの地域は、その地域のタクシー協会か、乗る会社の公表している料金表で確かめてください。

まとめ
タクシーの料金は、感覚で決まっているものではありません。公示された運賃表のとおりに、計量法で管理されたメーターが計算しているだけです。分かりにくいのは、距離と時間という2本の物差しが同時に動いていることと、運賃と料金が別立てになっていることの2点だけで、そこを押さえれば読めるようになります。
- 東京の特別区と武三地区は2026年4月20日に運賃改定。多摩地区は2026年3月16日
- いまの23区は初乗り1.0kmまで500円、加算232メートルごとに100円。多摩は加算211メートルごと
- 時速10km以下の時間は、23区で1分25秒ごとに100円、多摩で1分20秒ごとに100円が加算される
- 高速道路の上では時間の加算が付かない。ただし通行料は別
- 22時から5時まで2割増。23区の深夜は初乗り600円、加算120円
- 9,000円を超えた分は1割引。障害者割引は手帳かアプリの提示で1割引
- 迎車料金は事業者ごと。予約料金は時間指定と車両指定のうち高いほうだけ
- 会社によって初乗りが違うのは公定幅運賃の仕組みがあるから
- メーターは計量法の特定計量器で、装置検査証印の有効期間は1年
金額を調べるときは、日付の入った公示か、乗る会社が公表している料金表を見てください。ここに書いた数字は2026年9月23日に確認したものです。




