この記事の情報
前半は、2020年3月に都内で乗務していた筆者の記録です。後半の数字は、東京ハイヤー・タクシー協会の輸送実績、全国ハイヤー・タクシー連合会(全タク連)が公表している国土交通省調べの統計、厚生労働省の賃金構造基本統計調査と雇用調整助成金のページ、e-Govの労働基準法の条文です。いずれも2026年9月24日に確認しています。
「コロナのとき、タクシーの売上はどのくらい落ちたのか」「いまはもう戻ったのか」「運転手の給料はどうなったのか」。タクシーの仕事を考えている人からも、当時を知る人からも、よく出る疑問です。
この記事は、2020年3月に書いた筆者の乗務記録がもとになっています。そのころ筆者は都内でタクシーに乗務していて、1か月で売上が大きく落ちるのを記録していました。今回、その記録を「2020年3月の記録」としてそのまま残し、その後に何が起きたかを統計で並べ直しました。
先に結論を書くと、東京の1台1日あたりの売上は令和2年度に大きく落ち、令和4年度にはコロナ前の年度を上回りました。令和7年度は62,731円です。一方で、全国でタクシーに乗った人の数は、令和6年度でもコロナ前の82.9%にとどまっています。

結論。売上は戻り、乗る人の数はまだ戻っていない
細かい理由と出典は、このあとの章で書きます。
- 2020年3月の筆者の記録。1月15日〜2月15日の12回で763,300円だった売上が、2月15日〜3月15日の11回では442,350円。差は320,950円でした。
- 東京の1日1車の売上は、令和2年度に38,011円。令和元年度の51,284円の74.1%です。令和7年度は62,731円で、令和元年度の1.22倍になりました。
- 全国で乗った人の数は、令和2年度に令和元年度の58.2%。令和6年度も82.9%で、まだ戻っていません。営業収入は令和6年度に96.5%まで戻っています。
- 法人タクシーの運転者は、令和4年度の214,972人がいちばん少ない。令和6年度は224,428人で増えていますが、令和元年度の261,671人には届いていません。
- タクシー運転者の年収は、2021年に280.4万円。2019年の357.6万円の78.4%でした。2025年は450.8万円です。
- 雇用調整助成金のコロナ特例は、すでに終わった制度です。経過措置も令和5年3月31日で終了しました。
以前の版は2020年3月に書いたまま、「今は」と現在形で残っていました。いま読むと、いつの話か分からない状態でした。直した点は、記事の最後の「この記事で訂正したこと」にまとめています。
2020年3月、筆者が都内で乗務していたときの記録
ここからの記録と感想は、当時の筆者のものです。筆者は都内の法人タクシーで乗務していて、月に11〜13回乗っていました。タクシーを始めて2年ほどたったころです。
月の初めは、いつもどおりだった
日本で感染が広がりはじめたころ、仕事への影響はまだほとんどありませんでした。正直に言うと、筆者も甘く見ていました。その月の最初の3〜4回は、いつもと同じくらいの売上が出ていました。
流れが変わったのは、都内の個人タクシーの運転手が感染したというニュースが出たあたりです。そこから売上が落ちはじめました。何日かして、政府が外出の自粛を呼びかけ、会社員の働き方が在宅勤務やリモートワークに切り替わりました。これがいちばん大きく響き、都心から人がいなくなりました。
流しで、客が見つからなかった
街を走りながらお客さんを見つけて乗せることを「流し」と言います。いつもなら、銀座や丸の内を30分も流せば、まず間違いなくお客さんが見つかりました。このころは、1時間、2時間走っても乗せられませんでした。
ようやく手を挙げている人を見つけても、街は空車だらけです。ひとつ手前で、ほかのタクシーに先に拾われることがよくありました。
2020年3月12日の乗務では、中央通りを神田駅から銀座八丁目の交差点まで走り、1人も乗せられませんでした。いつもなら、中央通りのどこかで手が挙がる道でした。
昼なのに、乗り場に空車の列ができた
流しで乗せられないので、順番を待てば乗せられる駅のタクシー乗り場に、空車が集まりました。昼の東京駅八重洲口では、夜かと思うほどの列ができ、鍛冶橋の交差点を越えるところまで続いていました。回転の早い恵比寿駅でも、乗り場に入りきらない車が道路まであふれていました。
タクシーの仕事では、ゴールデンウィークは街から人が減るので暇な時期とされています。このときは、そのゴールデンウィークよりも厳しいと感じました。

筆者の売上は、1か月で320,950円減った
当時の記録をそのまま載せます。売上は、1回の乗務で稼いだ運賃の合計(税抜き)です。筆者の会社では、1か月の売上を税抜きで合算し、60%前後の歩合率を掛けて給料を計算していました。
1月15日〜2月15日(コロナが話題にはなっていた月)
12回の乗務で合計763,300円。1回あたり63,608円です。5万円以上の回が12回中10回あり、いちばん低い回でも46,350円でした。

2月15日〜3月15日(影響が出はじめた月)
11回の乗務で合計442,350円。4回目は早退で5,990円でした。12回目は記録を書いた時点でまだ乗っていなかったので、11回までの合計です。
4万円未満の回が11回中5回あり、5万円以上は2回だけでした。最初の3回の平均は54,567円でしたが、5回目から11回目までの平均は38,951円です。月の初めはまだ動いていて、途中から落ちたという当時の感覚と、数字の並びは合っています。

| 1月15日〜2月15日 | 2月15日〜3月15日 | |
|---|---|---|
| 乗務の回数 | 12回 | 11回 |
| 合計 | 763,300円 | 442,350円 |
| 1回あたり平均 | 63,608円 | 40,214円(早退を除く10回は43,636円) |
| いちばん高い回 | 77,050円 | 70,050円 |
| いちばん低い回 | 46,350円 | 5,990円(早退) |
| 5万円以上の回 | 12回中10回 | 11回中2回 |
| 4万円未満の回 | 12回中0回 | 11回中5回 |
合計の差は320,950円で、次の月は前の月の58.0%でした。12回目を足しても、20万〜30万円は下がる計算でした。当時の筆者は「普段なら5万売り上げることは、そんなに難しくはないですが、コロナのこの時期だと4万5万作るのはロングを引けないと厳しいと思います。」「7万8万は固定客でもいない限りは難しい数字です。」と書いています。ロングは長い距離のお客さんのことです。

給料にするとどうなったか
売上の差は、そのまま給料の差になります。仮に売上に60%を掛けると、763,300円は457,980円、442,350円は265,410円で、差は192,570円です。これは控除の前の額で、手当や賞与は入っていません。実際の給料は、会社の賃金規程で変わります。
当時の筆者は「普段なら手取り30万以上は貰えています。」と書き、このときの給料は「おそらく手取り20万くらい」になると見込んでいました。歩合の仕事は、乗った分だけ給料が増える反面、外の原因で頑張っても稼げない時期があります。そのとき筆者は「大切なのは、タクシーの他にもキャッシュポイントを作っておくことですね。」と書いています。
筆者が同じ会社で乗った100回分の売上と乗務時間は、タクシー新人の1日の売上100回分の記録に載せています。コロナ前の平成30年度ごろの記録なので、この章の数字と並べて読むと、ふだんの月との違いが分かります。

東京のタクシーの売上は、その後どうなったか
東京ハイヤー・タクシー協会の「東京のタクシー2026」には、東京の特別区と武蔵野市・三鷹市(特別区・武三地区)のタクシーの輸送実績が年度ごとに載っています。そのうち、実際に走った車1台の1日あたりの運送収入(日車営収)を並べます。
| 年度 | 1日1車の運送収入 | 令和元年度との比 |
|---|---|---|
| 平成28 | 49,438円 | |
| 平成29 | 50,704円 | |
| 平成30 | 51,582円 | |
| 令和元 | 51,284円 | 基準 |
| 令和2 | 38,011円 | 74.1% |
| 令和3 | 42,516円 | 82.9% |
| 令和4 | 55,692円 | 1.09倍 |
| 令和5 | 61,686円 | |
| 令和6 | 61,754円 | |
| 令和7 | 62,731円 | 1.22倍 |
令和2年度(2020年4月〜2021年3月)は38,011円で、令和元年度より13,273円少なくなりました。令和3年度も42,516円と低いままでしたが、令和4年度に55,692円となり、コロナ前の年度を上回りました。令和7年度は62,731円で、令和元年度より11,447円多くなっています。令和7年度の月別でいちばん高かったのは、令和7年12月の67,652円です。
この数字を読むときの注意が3つあります。1つめに、日車営収は「車1台が1日にいくら売ったか」で、1人の運転者の1回の乗務の売上ではありません。2つめに、この表の運送収入は消費税込みで、前の章の筆者の記録は税抜きです。そのまま並べて比べることはできません。3つめに、この表は令和7年度までの数字です。東京では2026年4月20日に運賃が改定され、初乗りは1.0kmまで500円、その後は232mごとに100円になりましたが、改定の後の売上はこの表に入っていません。運賃のしくみはタクシーのメーターの仕組みに書いています。

動いた車と乗った人の数
同じ表には、在籍する車のうち実際に動いた車の割合(実働率)と、乗った人の数も載っています。令和2年度は実働率が60.8%で、令和元年度の74.3%から13.5ポイント下がりました。在籍していても動かない車が増えたことが、数字に出ています。
東京で乗った人の数は、令和元年度の約2億5,137万人から、令和2年度は約1億4,655万人(58.3%)に減りました。令和7年度は約2億913万人で、令和元年度の83.2%です。乗った回数で見ても、令和7年度は令和元年度の83.9%でした。
つまり、令和7年度の東京は、乗る人の数はコロナ前より少ないのに、1台1日の売上はコロナ前より多い状態です。協会の資料は、その理由を書いていません。この記事でも理由は言い切らないでおきます。

全国では、乗った人の数がまだ戻っていない
全タク連の「輸送人員及び営業収入の推移」(国土交通省調べ)で、全国のタクシーの数字を見ます。
| 年度 | 輸送人員 | 営業収入 |
|---|---|---|
| 令和元 | 1,267,682千人 | 1,495,094百万円 |
| 令和2 | 738,240千人 | 907,361百万円 |
| 令和3 | 802,750千人 | 985,487百万円 |
| 令和4 | 968,151千人 | 1,239,553百万円 |
| 令和5 | 993,875千人 | 1,387,778百万円 |
| 令和6 | 1,050,663千人 | 1,442,532百万円 |
令和2年度に全国でタクシーに乗った人は約7.4億人で、令和元年度の約12.7億人の58.2%でした。営業収入は約9,074億円で60.7%です。1年で約5,877億円の売上が減った計算になります。
その後、営業収入は令和4年度に82.9%、令和5年度に92.8%、令和6年度に96.5%まで戻りました。乗った人の数は令和6年度で約10.5億人、令和元年度の82.9%です。全国で見ても、東京と同じように、売上は戻りつつあるのに乗る人の数は戻りきっていません。

タクシーの需要がこの先どうなるかは、タクシー運転手の将来性で、ライドシェアや自動運転の制度とあわせて書いています。
運転者は令和4年度まで減りつづけた
全タク連の「運転者数の推移」(法人タクシーに限る、国土交通省調べ)では、令和元年度に261,671人いた運転者が、令和2年度は240,494人、令和3年度は221,849人と減り、令和4年度の214,972人がいちばん少ない年度になりました。令和元年度から46,699人、2割近く減っています。
その後は令和5年度に217,161人、令和6年度に224,428人と、2年で9,456人(4.4%)増えました。ただ、令和6年度も令和元年度より37,243人少なく、令和元年度の85.8%です。ちなみに、運転者がいちばん多かったのは平成16年度の381,943人です。

人が辞めた理由や、辞める人の割合はタクシー運転手の離職率でくわしく扱っています。
人手が足りない状態は続いている
厚生労働省のまとめによると、ハイヤー・タクシー運転者の有効求人倍率は、売上が落ちた令和2年度でも3.46倍でした。全職業平均は1.01倍です。令和5年度には3.96倍まで上がり、令和7年度は3.01倍で、全職業平均1.10倍の約2.7倍です。
運転者が増えた時期に倍率は下がっていますが、資料はその因果を書いていません。数字の上で言えるのは、令和2年度から令和7年度まで、タクシー運転者の倍率は全職業平均を大きく上回っていたということです。

タクシー運転者の年収は、2021年がいちばん低かった
厚生労働省の賃金構造基本統計調査から、タクシー運転者(男女計)の年収を計算して並べます。年収は「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額」で出しています。
| 調査年 | 年収(計算) |
|---|---|
| 2018年 | 346.5万円 |
| 2019年 | 357.6万円 |
| 2020年 | 299.6万円 |
| 2021年 | 280.4万円 |
| 2022年 | 361.3万円 |
| 2023年 | 419.0万円 |
| 2024年 | 414.9万円 |
| 2025年 | 450.8万円 |
2020年は299.6万円で2019年の83.8%、2021年は280.4万円で78.4%でした。2019年から2021年で約77.2万円下がったことになります。その後は2022年に361.3万円、2025年に450.8万円と上がり、2025年は2019年の1.26倍です。
注意点として、この調査は2020年に職種の分け方と表が変わっています。2019年までと2020年からの数字は、厳密にはつながっていません。流れをつかむための目安として見てください。
全タク連は令和7年の調査結果について、「令和4年以降の運賃の引上げやアプリ利用率の増加等を背景とした売上の増加に伴う賃金額の増加があったことが想定される。」と書いています。これは業界団体の見立てです。年齢別や都道府県別の年収はタクシー運転手の給料と年収にまとめています。

当時の支援策。雇用調整助成金の特例は終わっている
以前の版の最後に、筆者は「政府も何かしら対応するべきだ」と書いていました。以前の版を書いた2020年3月の時点では、まだ始まっていなかった制度があります。厚生労働省の雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)です。
厚生労働省のページは、この制度を次のように説明しています。「「新型コロナウイルス感染症の影響」 により、 「事業活動の縮小」 を余儀なくされた場合に、従業員の雇用維持を図るために、 「労使間の協定」 に基づき、「雇用調整(休業)」を実施する事業主に対して、休業手当などの一部を助成するものです。」
助成を受けるのは事業主で、運転者本人が申請するものではありません。期間は、緊急対応期間が令和2年4月1日から令和4年11月30日まで、経過措置の期間が令和4年12月1日から令和5年3月31日までです。厚生労働省は、コロナ特例の経過措置が令和5年3月31日をもって終了することを知らせるリーフレットを掲載しています。
つまり、コロナ特例はすでに終わった制度です。令和5年4月1日以降の休業については、厚生労働省は通常の雇用調整助成金のページを見るよう案内しています。通常の制度の今の条件は、この記事では確かめていません。

有給休暇の賃金は、売上ではなく賃金で決まる
以前の版には、ほかの運転手から聞いた話として、有給休暇の話を書いていました。「タクシー運転手の有給単価は過去の売り上げ(3ヶ月分)などを見て有給単価が決定します。」「運転手は有給単価が下がる前に有給を使ってこの時期を乗り越えようとします。」「タクシー会社によっては有給を使わせないようにしている会社があるということ。」というものです。筆者の会社は、有給を使って乗り越えようという会社でした。
このうち、有給の日の賃金の決め方は、労働基準法39条9項に書かれています。就業規則などで定めるところにより、次のどれかを払います。
- 平均賃金
- 所定労働時間働いた場合に支払われる通常の賃金
- 標準報酬月額の30分の1(労働者の過半数で組織する労働組合、または労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合)
平均賃金は12条で、「算定すべき事由の発生した日以前三箇月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額」と決まっています。基準になるのは売上ではなく、直前3か月に払われた賃金です。歩合給のように出来高で決まる賃金には最低保障があり、「賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の百分の六十」を下回ってはいけません。
平均賃金を選んでいる会社なら、売上が落ちた月の賃金が直前3か月に入ると、有給の日の額は下がります。以前の版にあった「有給単価が下がる前に有給を使って」という話が当てはまるのは、平均賃金で決めている会社の場合です。ただし、どの決め方を使うかは会社ごとに違います。自分の会社の有給の額は、就業規則で確かめてください。

有給を取る時季と、取ったあとの扱い
39条5項は、「使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。」と定めています。会社が別の時季に変えられるのは、「請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合」だけです。
136条は、有給休暇を取った労働者に「賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない。」と定めています。有給休暇は、6か月続けて働き全労働日の8割以上出勤すると10労働日与えられ(39条1項)、10日以上ある人については、年5日を会社が時季を決めて取らせることになっています(39条7項)。
以前の版の「有給を使わせないようにしている会社がある」という話は、筆者がほかの運転手から聞いた話で、会社の名前も事情も分かりません。この記事では、その会社が法律に反していたかどうかは判断しません。

会社の都合で休んだときの休業手当
コロナの時期には、会社が乗務を減らしたり、休ませたりすることもありました。労働基準法26条は、「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。」と定めています。会社の都合で休業した期間とその賃金は、平均賃金の計算からも外します(12条3項)。
ただし、コロナの時期の休業が「使用者の責に帰すべき事由」に当たるかどうかは、事情ごとに判断されます。この記事では一律には言い切りません。当時の雇用調整助成金の特例が助成したのは、事業主が払う休業手当などの一部でした。

この記事で訂正したこと
この記事は2020年3月に書いたものを、2026年9月24日に書き直しました。筆者の乗務記録と感想はそのまま残し、時点の分からない書き方と、根拠を示していなかった記述を直しました。
| 以前の版の記述 | いまの書き方 |
|---|---|
| 「それが今は1時間2時間街中を走ってもお客さんを乗せることができません」「今は行列が物凄いです」(現在形) | 2020年3月、筆者が都内で乗務していたときの記録として過去形で書いた |
| 有給単価は過去の売上(3か月分)などで決まる | 有給の日の賃金は就業規則などで3つの決め方のどれか。平均賃金なら直前3か月の賃金が基準で、歩合給には60%の最低保障(労働基準法39条9項・12条) |
| 有給を使わせない会社がある(伝聞) | 伝聞として残し、請求する時季に与える決まり(39条5項)と、取った人への不利益な取扱いをしない決まり(136条)を添えた |
| 政府も何かしら対応するべき | その後、雇用調整助成金の特例があった。経過措置も令和5年3月31日で終了した過去の制度 |
| 体力のない中小の会社は倒産もあり得る | 倒産の件数は一次資料を確かめられなかったので書かない。代わりに運転者数の推移を示した |
| 給料が激減(筆者1人の記録だけ) | 全国の年収の推移(2019年357.6万円、2021年280.4万円、2025年450.8万円)を並べた |

よくある質問
コロナのとき、タクシーの売上はどのくらい落ちましたか
東京の特別区・武三地区では、1日1車の運送収入が令和元年度の51,284円から令和2年度の38,011円に落ち、74.1%になりました。全国の営業収入は令和2年度に令和元年度の60.7%です。筆者の記録では、2020年2月15日〜3月15日の売上が前の月の58.0%でした。
タクシーの売上はコロナ前に戻りましたか
東京の1日1車の運送収入は令和4年度に55,692円となり、コロナ前の年度を上回りました。令和7年度は62,731円です。全国の営業収入は令和6年度に令和元年度の96.5%まで戻っています。一方で、全国で乗った人の数は令和6年度でも82.9%です。
タクシー運転手の給料はコロナでどうなりましたか
賃金構造基本統計調査から計算した年収は、2019年が357.6万円、2020年が299.6万円、2021年が280.4万円でした。その後は上がり、2025年は450.8万円です。2020年に調査の表の区分が変わっているので、2019年と2020年の比較は目安です。
タクシー運転手の数はコロナで減りましたか
法人タクシーの運転者は、令和元年度の261,671人から令和4年度の214,972人まで減りました。令和6年度は224,428人で、2年で9,456人増えましたが、令和元年度よりまだ少ない状態です。
雇用調整助成金のコロナ特例は今も使えますか
使えません。厚生労働省のページでは、緊急対応期間は令和2年4月1日から令和4年11月30日まで、経過措置は令和5年3月31日で終了しています。令和5年4月1日以降は通常の雇用調整助成金のページを見るよう案内されています。助成を受けるのは事業主で、運転者本人ではありません。
売上が落ちると、有給休暇の日の賃金も下がりますか
会社が平均賃金で払う決まりにしていれば、売上が落ちて賃金が下がった月が直前3か月に入ると、下がります。平均賃金は直前3か月の賃金の総額をその期間の総日数で割った額で、歩合給には労働した日数で割った額の60%という最低保障があります。通常の賃金や標準報酬月額の30分の1で払う会社もあるので、就業規則で確かめてください。
会社は有給休暇を取らせないことができますか
労働基準法39条5項で、会社は労働者が請求する時季に有給休暇を与えなければなりません。別の時季に変えられるのは、その時季に与えると事業の正常な運営を妨げる場合だけです。136条は、有給休暇を取った人に賃金の減額などの不利益な取扱いをしないよう定めています。
会社の都合で休まされたら、給料は出ますか
労働基準法26条で、使用者の責に帰すべき事由による休業なら、会社は平均賃金の60%以上の休業手当を払わなければなりません。どの休業がこれに当たるかは事情ごとに判断されるので、会社に確かめ、分からなければ労働基準監督署などに相談してください。
まとめ
2020年3月、筆者は都内で、1か月のうちに売上が大きく落ちるのを経験しました。その後の統計を並べると、タクシーの売上はコロナ前を上回るところまで戻り、乗る人の数はまだ戻りきっていないことが分かります。
- 筆者の記録では、2020年2月15日〜3月15日の売上は442,350円で、前の月の763,300円から320,950円減った
- 東京の1日1車の運送収入は、令和2年度に38,011円(令和元年度の74.1%)、令和7年度は62,731円(1.22倍)
- 全国で乗った人の数は、令和2年度に令和元年度の58.2%、令和6年度も82.9%
- 全国の営業収入は、令和6年度に令和元年度の96.5%まで戻った
- 法人タクシーの運転者は令和4年度の214,972人が最少で、令和6年度は224,428人
- タクシー運転者の年収は、2015年以降では2021年の280.4万円がいちばん低く、2025年は450.8万円
- 雇用調整助成金のコロナ特例は、経過措置も令和5年3月31日で終わった
- 有給休暇の日の賃金は売上ではなく賃金で決まり、決め方は就業規則しだい
当時の筆者が書いたとおり、歩合の仕事は外の原因で売上が大きく動きます。数字は、ここに書いた2026年9月24日の時点のものです。東京の輸送実績は東京ハイヤー・タクシー協会が、全国の統計は全タク連が毎年公表しています。




