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法令は e-Gov の現行版(道路交通法、道路交通法施行規則、道路運送車両法、道路運送車両法施行規則)で確認しました。警視庁の準中型免許の新設と限定解除審査の案内、警察庁のリーフレットと運転免許統計(令和7年版)とあわせて、2026年10月11日に確認した内容です。限定解除の手数料は東京都(警視庁)のものです。
「普通免許で2トントラックは運転できるのか」「会社の4トン車に乗っていいのか」。同じ普通免許でも、人によって答えが違うのがこの話のややこしいところです。2007年と2017年の2回の法改正で、新しく取る人の普通免許で運転できる車がそのたびに小さくなったためです。
この記事では、道路交通法と施行規則、改正法の附則、道路運送車両法、警視庁と警察庁の公式資料だけを使って、自分の普通免許で何トンまで運転できるかを確かめる方法を整理しました。
先に結論を書きます。普通免許で運転できる範囲は、免許を取った日で次の3つに分かれます。
| 普通免許を取った日 | 今の扱い | 車両総重量 | 最大積載量 | 乗車定員 |
|---|---|---|---|---|
| 2007年6月1日以前 | 中型(8t限定) | 8,000kg未満 | 5,000kg未満 | 10人以下 |
| 2007年6月2日〜2017年3月11日 | 準中型(5t限定) | 5,000kg未満 | 3,000kg未満 | 10人以下 |
| 2017年3月12日以降 | 普通 | 3,500kg未満 | 2,000kg未満 | 10人以下 |
「何トン」は車両総重量と最大積載量の両方で決まり、どちらか一方でも超えたら運転できません。車両総重量は車検証に書いてあります。「2トン車」という呼び方は最大積載量の目安なので、それだけでは判断できません。

取った日で範囲が変わる理由
普通免許で運転できる車が人によって違うのは、2回の法改正のたびに「それまでの普通免許」の扱いを決め直したからです。どちらの改正も、すでに免許を持っている人の運転できる範囲は変えずに、新しく取る人の普通免許だけを小さくしています。
2007年6月2日 中型免許ができた
1回目は平成16年の改正(平成16年法律第90号)で、2007年(平成19年)6月2日に施行されました。このとき中型免許が新しく作られ、附則6条2号で、それまでの普通免許(旧法普通免許)は次のように扱うと定められました(道路交通法 e-Govの附則)。
新法第九十一条の規定により、運転することができる新法第三条の中型自動車…が旧法第三条の普通自動車…に相当するものに限定されている中型免許
つまり、2007年6月1日以前に取った普通免許は「中型免許。ただし運転できるのは改正前の普通自動車に当たる車まで」という限定付きの中型免許になりました。これが「8t限定」と呼ばれるものです。
2017年3月12日 準中型免許ができた
2回目は平成27年の改正(平成27年法律第40号)で、施行期日は政令で「平成二十九年三月十二日」と定められました(警察庁 施行期日を定める政令)。このとき準中型免許が新しく作られ、附則2条2号で、それまでの普通免許は次のように扱うとされました。
新法第九十一条の規定により、運転することができる新法第三条の準中型自動車…が旧法第三条の普通自動車…に相当するものに限定されている準中型免許
2007年6月2日から2017年3月11日までに取った普通免許は、ここで「5t限定の準中型免許」になりました。2007年6月1日以前に取った人は、すでに8t限定の中型免許になっていたので、附則2条1号で中型免許のまま引き継がれています。
警視庁の資料も、この扱いを「改正前の普通免許又は中型免許を受けている方は、改正後も同じ範囲の自動車を運転することができます」と説明し、図の注で「平成19年6月2日以降 普通免許取得」は5トン限定準中型免許、「平成19年6月1日以前 普通免許取得」は8トン限定中型免許と整理しています(警視庁 準中型免許の新設(PDF))。

境目の日に近い人は合格日を確かめる
警視庁の本文は「運転免許試験の合格日が、施行日前か施行日後かによって運転可能な自動車の範囲が変わります」と書いています(警視庁 準中型免許の新設)。2007年6月や2017年3月の前後に免許を取った人は、免許証の条件欄の表記(後で説明します)を見るか、住所地の運転免許センターで確かめるのが確実です。
また、警察庁の運転免許統計の注は、8t限定・5t限定の人について「返納し、普通免許を取得した者を除き」と書いています(警察庁 運転免許統計(令和7年版))。限定付きの免許を返して普通免許に切り替えた人は、取った日に関係なく今の普通免許の範囲になると読めます。この手続きの中身は、この記事では確かめていません。
限定の数字は、改正前の普通免許の範囲そのもの
8t限定・5t限定という数字は、どこかから新しく決めたものではありません。2007年6月1日までの普通免許で運転できた範囲が車両総重量8トン未満・最大積載量5トン未満、2017年3月11日までの普通免許の範囲が5トン未満・3トン未満で、その範囲をそのまま限定として残したものです。警視庁の本文も、例として「改正前の普通免許は、車両総重量5トン未満及び最大積載量3トン未満の限定が付された準中型免許とみなされます」と書いています(警視庁 準中型免許の新設)。
つまり、法改正で「免許が格上げされた」わけでも「範囲が削られた」わけでもありません。持っていた普通免許で運転できた車を、改正後の区分の名前に置き換えて表したのが限定付きの免許です。同じ「普通免許を取った」という人でも、取った時期によって運転できる車が違うのは、取った当時の普通免許の範囲がそのまま残っているからです。
車の区分は「重さ」と「人数」で決まる
施行規則2条の4つの区分
運転免許の区分に使う車の大きさは、道路交通法施行規則2条で決まっています(道路交通法施行規則 e-Gov)。準中型自動車の定義は次のとおりです。
車両総重量が三、五〇〇キログラム以上七、五〇〇キログラム未満のもの又は最大積載量が二、〇〇〇キログラム以上四、五〇〇キログラム未満のもの
| 区分 | 車両総重量 | 最大積載量 | 乗車定員 |
|---|---|---|---|
| 大型自動車 | 11,000kg以上 | 6,500kg以上 | 30人以上 |
| 中型自動車 | 7,500kg以上11,000kg未満 | 4,500kg以上6,500kg未満 | 11人以上29人以下 |
| 準中型自動車 | 3,500kg以上7,500kg未満 | 2,000kg以上4,500kg未満 | (定めなし) |
| 普通自動車 | 3,500kg未満 | 2,000kg未満 | 10人以下 |
普通自動車の定義は「大型自動車、中型自動車、準中型自動車…のいずれにも該当しない自動車」です。上の3つのどれにも当たらない車、つまり車両総重量3,500kg未満・最大積載量2,000kg未満・乗車定員10人以下のすべてを満たす車が普通自動車です。

「又は」なので、どちらか1つで上の区分になる
条文の「車両総重量が…又は最大積載量が…」の「又は」が大事なところです。車両総重量と最大積載量のどちらか1つでも準中型の範囲に入れば、その車は準中型自動車です。
たとえば最大積載量が2,000kg未満でも、車両総重量が3,500kg以上なら準中型自動車になり、2017年3月12日以降に取った普通免許では運転できません。反対に、車両総重量が3,500kg未満でも最大積載量が2,000kg以上なら、やはり準中型です。

免許で運転できる車(法85条)
道路交通法85条1項は、車の種類に応じた免許を受けなければならないと定め、2項で上の免許があれば下の車も運転できると決めています(道路交通法 e-Gov)。準中型免許なら「普通自動車、小型特殊自動車及び一般原動機付自転車」も、中型免許なら「準中型自動車、普通自動車、小型特殊自動車及び一般原動機付自転車」も運転できます。
なお、ここで言う運転はお客さんを乗せない運転(第一種免許)の話です。お客さんを乗せて運賃をとる運転には第二種免許が要ります(85条11項)。また、重い被牽引車を引くには牽引免許が別に必要です(85条3項)。牽引については牽引免許の取り方にまとめています。
取った日ごとに運転できる範囲
2017年3月12日以降に取った普通免許
今の普通免許です。運転できるのは車両総重量3,500kg未満・最大積載量2,000kg未満・乗車定員10人以下の普通自動車です。トンで言うと3.5トン未満・2トン未満になります。
警察庁のリーフレットも「普通免許で運転できる自動車は車両総重量3.5トン未満(最大積載量2トン未満)となります」と書いています(警察庁 リーフレット)。この範囲を超える車には準中型免許が必要です。準中型免許の取り方は準中型免許の取り方と費用にまとめています。

2007年6月2日〜2017年3月11日に取った普通免許(5t限定)
5t限定の準中型免許として扱われます。施行規則の別表第四 備考6は、この免許を次のように定義しています。
準中型車(5t)限定準中型免許とは、運転することができる準中型自動車を車両総重量5,000キログラム未満及び最大積載量3,000キログラム未満の準中型自動車に限る準中型免許をいう。
運転できるのは車両総重量5,000kg未満・最大積載量3,000kg未満の車で、乗車定員は10人以下です(警察庁の運転免許統計の注)。準中型免許の本来の範囲(7,500kg未満・4,500kg未満)の一部だけが運転できる形です。

2007年6月1日以前に取った普通免許(8t限定)
8t限定の中型免許として扱われます。別表第四 備考4は、運転できる中型自動車を「車両総重量8,000キログラム未満、最大積載量5,000キログラム未満及び乗車定員10人以下の中型自動車に限る」と定義しています。
つまり車両総重量8,000kg未満・最大積載量5,000kg未満・乗車定員10人以下まで運転できます。準中型自動車(7,500kg未満)はすべて範囲に入り、中型自動車の一部まで運転できます。乗車定員11人以上のマイクロバスは中型自動車ですが、8t限定では運転できません。中型免許の範囲や8t限定の扱いは中型免許の取り方と8トン限定の解除にまとめています。

並べて比べる
運転できる車両総重量の上限だけを並べると、普通3,500kg、5t限定5,000kg、準中型7,500kg、8t限定8,000kg、中型11,000kgの順になります。どれも「未満」なので、ちょうどその重さの車は運転できません。

別表第四の備考には、AT車に限る「AT準中型車(5t)限定準中型免許」「AT中型車(8t)限定中型免許」も定義されています。AT限定の普通免許を取った人は、免許証の条件欄で確かめてください。
第二種免許を持っている人
お客さんを乗せる普通二種免許を持っている人にも、同じような扱いがあります。警視庁は「平成19年6月1日以前に普通免許を受けた方、又は、平成29年3月11日以前に普通二種免許を受けた方は、限定付き中型免許又は限定付き中型二種免許とみなされる」と案内しています(警視庁 中型免許試験)。警察庁の運転免許統計にも、中型二種の8t限定・5t限定の欄があります。タクシーなどで普通二種を持っている人は、免許証の条件欄を一度確かめておくと安心です。
車両総重量の計算と車検証の見方
車両総重量=車両重量+最大積載量+55kg×乗車定員
車両総重量の意味は、道路運送車両法40条3号に書いてあります(道路運送車両法 e-Gov)。
車両総重量(車両重量、最大積載量及び五十五キログラムに乗車定員を乗じて得た重量の総和をいう。)
車両重量は「運行に必要な装備をした状態における自動車の重量」(同条5号)です。車そのものの重さに、積める荷物の上限と、乗車定員1人あたり55kgを足したもの、つまり荷物と人を最大まで載せたときの重さが車両総重量です。

計算してみる(仮の数字)
実在の車ではなく、仮の数字で計算してみます。
| 車両重量 | 最大積載量 | 55kg×定員 | 車両総重量 | 区分 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 例1 | 1,900kg | 1,000kg | 110kg(2人) | 3,010kg | 普通 |
| 例2 | 2,500kg | 2,000kg | 165kg(3人) | 4,665kg | 準中型 |
| 例3 | 3,000kg | 1,950kg | 165kg(3人) | 5,115kg | 準中型 |
例1は3,500kg未満・2,000kg未満なので普通自動車で、どの普通免許でも運転できます。

例2は最大積載量がちょうど2,000kgなので準中型自動車です。2017年3月12日以降の普通免許では運転できませんが、車両総重量5,000kg未満・最大積載量3,000kg未満なので5t限定なら運転できます。
例3は最大積載量が2,000kg未満ですが、車両総重量が3,500kg以上なので準中型自動車です。さらに車両総重量が5,000kgを超えているので、5t限定でも運転できません。8t限定(8,000kg未満・5,000kg未満)なら運転できます。積める重さが小さくても、車そのものが重いと上の区分になる、という例です。

車検証に書いてある項目
車検証(自動車検査証)に何を書くかは、道路運送車両法施行規則35条の3で決まっています(道路運送車両法施行規則 e-Gov)。16号が「乗車定員又は最大積載量」、17号が「車両重量及び車両総重量」です。免許の範囲と比べるのに必要な3つの数字は、どれも車検証の記載事項に入っています。
| 車検証の記載事項 | 根拠 | 免許の範囲と比べる |
|---|---|---|
| 車両総重量 | 35条の3 17号 | 3,500kg・5,000kg・8,000kgの未満か |
| 最大積載量 | 35条の3 16号 | 2,000kg・3,000kg・5,000kgの未満か |
| 乗車定員 | 35条の3 16号 | 10人以下か |
車検証の券面のどこに印字されるかは、この記事では確かめていません。会社の車に乗る前は、車検証の該当の欄を管理者と一緒に確かめるのが確実です。

車検証の「普通」は免許の「普通」と別もの
車検証には「普通自動車、小型自動車、検査対象軽自動車又は大型特殊自動車の別」も書かれます(35条の3 5号)。ここで言う普通・小型は道路運送車両法の区分で、車両法3条により「自動車の大きさ及び構造並びに原動機の種類及び総排気量又は定格出力」を基準に決まります。たとえば四輪の小型自動車は、長さ4.70m以下・幅1.70m以下・高さ2.00m以下などの条件です(車両法施行規則 別表第一)。
一方、運転免許の区分は、道路交通法施行規則2条の車両総重量・最大積載量・乗車定員で決まります。物差しが違うので、車検証に「普通」とあっても、普通免許で運転できるとは限りません。必ず車両総重量と最大積載量の数字で判断してください。

「2トン車」「4トン車」という呼び方に注意
法令に「2トン車」の定義はない
トラックの世界では「2トン車」「4トン車」とよく言いますが、道路交通法や道路運送車両法に、この呼び方の定義はありません。おおむね最大積載量を目安にした呼び方で、車両総重量が2トンや4トンという意味ではありません。
準中型免許ができた背景について、警察庁の「貨物自動車に係る運転免許制度の在り方に関する有識者検討会」の設立趣旨書は次のように書いています(警察庁 設立趣旨書(PDF))。
集配等で利用頻度の高い物流の中心的な立場にある積載量2tの貨物自動車が、保冷設備等の架装により、車両総重量が5tを超えてしまうことが多くなっており
積める重さが2トンでも、冷蔵・冷凍の設備や荷台の装置を付けると車そのものが重くなり、車両総重量が5トンを超えることがある、ということです。こうした車は、5t限定の人でも運転できません。

業界団体の説明
全日本トラック協会が平成28年7月に作った「準中型免許Q&A」(国土交通省 中国運輸局のサイトに掲載)は、準中型の範囲(車両総重量3.5〜7.5t)を「いわゆる2トントラック」、中型(7.5〜11t)を「いわゆる4トントラック」、大型を「いわゆる10トントラック」と説明しています(準中型免許Q&A(PDF))。同じ資料は、最大積載量が2t未満でも車両総重量が3.5t以上なら準中型免許が必要だとも説明しています。法令ではなく業界団体の資料ですが、2017年3月12日以降に取った普通免許では、いわゆる2トントラックの多くが範囲の外になることが読み取れます。
「2トン車なら普通免許でOK」「4トン車は8t限定ならOK」といった言い方は、車によって当たったり外れたりします。運転する前に、その車の車検証で車両総重量・最大積載量・乗車定員の3つを確かめるのが確実です。

迷いやすい場面ごとの考え方
ここまでのルールを、よく迷う場面に当てはめてみます。どの場面でも、判断の材料は免許証の取得日と条件欄、それに車検証の数字の3つです。
荷物を少なく積めば運転できるか
できません。車両総重量は、道路運送車両法40条3号のとおり「車両重量、最大積載量及び五十五キログラムに乗車定員を乗じて得た重量の総和」で、実際に積んでいる荷物の重さではなく、車検証の最大積載量を使って計算した数字です。施行規則2条の区分もこの車両総重量と最大積載量で決まるので、条文の作りから読むと、その日に積む荷物を軽くしても車の区分は変わりません。空荷で走るときも、車検証の数字が自分の免許の範囲の中にあるかで判断します。
冷凍・冷蔵の2トン車
警察庁の検討会の資料にあったとおり、保冷設備などを付けた積載量2トンの車は、車両総重量が5トンを超えることが多いとされています。5トンを超えていれば、2017年3月12日以降の普通免許はもちろん、5t限定の人も運転できません。8t限定の人なら、車両総重量8,000kg未満・最大積載量5,000kg未満の範囲で運転できます。同じ「2トン車」でも、平ボディの車と保冷車では判断が変わることがある、と覚えておくと安心です。
人を乗せるワゴンやマイクロバス
乗車定員は10人以下が普通自動車の条件で、11人以上29人以下は中型自動車です(施行規則2条)。5t限定・8t限定のどちらも乗車定員は10人以下に限られているので、限定付きの免許では、定員11人以上のマイクロバスなどは運転できません。重さが軽くても、定員だけで上の区分になることがあります。乗る前に車検証の乗車定員の数字を見てください。
借りたトラックや引っ越しのトラック
自分の車でなくても、判断の方法は同じです。運転する前に、その車の車検証で車両総重量・最大積載量・乗車定員を確かめます。貸す側が「普通免許でOK」と書いていても、それが2017年3月12日以降に取った普通免許でも当てはまるのかは、車検証の数字で確かめるのが確実です。運転するのは自分なので、範囲の外の車を運転した責任も自分にかかります。
免許を取ったばかりの人
18歳で普通免許を取ったばかりの人が運転できるのは、今の普通免許の範囲(車両総重量3,500kg未満・最大積載量2,000kg未満・乗車定員10人以下)です。トラックの仕事を考えているなら、普通免許の代わりに準中型免許を取れば、18歳から車両総重量7,500kg未満・最大積載量4,500kg未満まで運転できます。

免許証の条件欄の読み方
5t限定は「準中型車(5t)に限る」
5t限定の人の免許証は、更新のときに表記が変わります。警視庁の資料は、例として次のように書いています(警視庁 準中型免許の新設(PDF))。
現在普通免許を保有している方が、改正後に運転免許の更新を行うと運転免許証には、準中型免許(準中型で運転できる準中型車は準中型車(5t)に限る。)と表記されることになります。
あわせて「現在運転免許を保有している方が、今回の改正に伴い運転免許証の取り換え、記載事項変更などの手続きを行う必要はありません」「必要な変更は、運転免許の更新時に行われます」とも書かれています。

略語の意味は施行規則の別表第二
免許証に書かれる略語の意味は、施行規則19条4項で「別表第二の上欄に掲げる略語は、それぞれ同表の下欄に掲げる意味を表す」と決められています。限定付きの免許に関わるのは、別表第二の次の行です。
| 免許証の略語 | 意味(別表第二) |
|---|---|
| 中型車(8t) | 中型自動車(車両総重量8,000kg未満、最大積載量5,000kg未満及び乗車定員10人以下のものに限る。) |
| 準中型車(5t) | 準中型自動車(車両総重量5,000kg未満及び最大積載量3,000kg未満のものに限る。) |
| 中型車 | 中型自動車 |
| 準中型車 | 準中型自動車 |
| 普通車 | 普通自動車 |
8t限定の人の免許証にも、この「中型車(8t)」という略語を使った条件が書かれます。ただし、8t限定の条件欄の全文の書き方を示した公的な資料は取得できなかったため、この記事では文言の例は書いていません。手元の免許証の条件欄に「中型車(8t)」や「準中型車(5t)」の文字があるかを見てください。

統計で見る限定付き免許
8t限定は5,721.7万件、5t限定は1,090.1万件
警察庁の運転免許統計(令和7年版)によると、令和7年末の時点で、第一種の8t限定の中型免許だけを持つ人の件数は57,216,668件、5t限定の準中型免許だけを持つ人は10,900,679件でした(警察庁 運転免許統計(令和7年版))。準中型免許を持つ11,675,872人のうち、93.4%が5t限定のみです。
8t限定のみの件数は平成29年の66,071,026件から令和7年の57,216,668件へ、8,854,358件減っています。5t限定のみは平成29年の11,653,213件から令和7年の10,900,679件です。

中型二種の8t限定を一緒に持つ人なども数えると、8t限定は合計57,694,879件、5t限定は合計11,065,631件です。8t限定のみの件数は、平成27年の68,239,940件から減り続けています。新しく8t限定になる人はもういないので、この数は今後も減っていくと考えられます。
第一種のいちばん上の免許の内訳
同じ統計で、第一種の大型・中型・準中型・普通の4つについて、いちばん上の免許ごとの人数を並べると次のとおりです(令和7年末)。
| いちばん上の免許 | 人数 | 4つの合計に占める割合 |
|---|---|---|
| 大型 | 3,931,437人 | 5.0% |
| 中型(8t限定を含む) | 54,608,367人 | 69.1% |
| 準中型(5t限定を含む) | 10,960,713人 | 13.9% |
| 普通 | 9,532,759人 | 12.1% |
4つの合計は79,033,276人で、そのうち約7割が中型の欄に入っています。今の普通免許の範囲(3.5トン未満)に収まる人は、この4つの中では12.1%です。同じ「普通免許を持っている」でも運転できる車が人によって違うことが、統計の分かれ方にも表れています。上の8t限定のみの件数とは表の数え方が違うので、数字はそろいません。
年代でいちばん上の免許が分かれる
同じ統計の年齢別の表は、2種類以上の免許を持つ人を「上位の運転免許」の欄に数えています。第一種の中型・準中型・普通の3つの合計に占める割合を年代ごとに計算すると、次のようになりました。中型には8t限定、準中型には5t限定の人も含まれます。
| 年代 | 中型 | 準中型 | 普通 |
|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 0.9% | 2.1% | 96.9% |
| 25〜29歳 | 2.2% | 33.6% | 64.2% |
| 30〜34歳 | 3.0% | 85.9% | 11.2% |
| 35〜39歳 | 40.4% | 54.4% | 5.2% |
| 40〜44歳 | 87.7% | 9.4% | 2.9% |
| 45〜49歳 | 94.1% | 4.2% | 1.7% |
20代前半はほとんどが今の普通免許、30代前半は準中型(多くは5t限定)、40代以上は中型(多くは8t限定)が中心です。ただし、免許を取った年齢は人によって違うので、年齢だけで自分の範囲は決まりません。判断は免許証の取得日と条件欄で行ってください。大型免許や第二種免許を持つ人は、この3つの欄には入っていません。

もっと大きな車に乗るには
5t限定を外す(準中型の限定解除)
5t限定の人は、限定解除審査に合格すると、限定のない準中型免許になり、車両総重量7,500kg未満・最大積載量4,500kg未満の車まで運転できるようになります。警察庁のリーフレットは「審査は、指定自動車教習所で最低4時限の教習等を受けた上での審査又は免許試験場での技能審査等のいずれかになります」と書いています(警察庁 リーフレット)。
東京都(警視庁)の場合、受けられるのは「18歳以上の方」で「限定された準中型免許を現に受けている方」です。教習所の審査に合格して試験場で手続きする場合の手数料は1,350円(警視庁 準中型免許限定解除審査(教習所))、試験場で直接審査を受ける場合は3,100円(受験料1,350円、試験車使用料1,750円)です(警視庁 準中型免許限定解除審査(試験場))。教習所に通う場合は、教習所の料金が別にかかります。

8t限定を外す(中型の限定解除)
8t限定の人が限定を外すと、限定のない中型免許になり、車両総重量11,000kg未満・最大積載量6,500kg未満の車まで運転できます。警視庁は「平成19年6月1日以前に普通免許を受けた方…は、限定付き中型免許…とみなされるため、中型免許を新規に受けるのではなく、限定解除審査を受けることとなります」と案内しています(警視庁 中型免許試験)。
東京都の場合、受けられるのは20歳以上で、普通免許などの経歴が通算2年以上の人です。教習所の審査に合格した人の手数料は1,350円(警視庁 中型8t限定解除(教習所))、試験場で直接審査を受ける場合は3,100円(受験料1,350円、試験車使用料1,750円)で、予約制です(警視庁 中型8t限定解除(試験場))。AT限定の条件だけを外す場合は、年齢と経歴の制約はありません。
8t限定を外すための教習の時限は、施行規則の別表第四に行がありません。必要な時限は教習所ごとに確かめてください。

限定を外すと更新の基準が上がる
警視庁の限定解除の案内には、どちらにも次の注意があります。
限定解除後の免許更新時における適性検査は、大型免許と同じ基準(視力0.8以上、深視力実施)となります。免許更新時に適性検査に合格しない場合、下位免許にあたる普通免許や原付免許となってしまう可能性があります
普通免許の視力の基準は両眼0.7以上・一眼0.3以上です(施行規則23条)。8t限定のままの人の更新時の適性検査は、普通免許の基準で行うとされています(施行規則の附則 平成18年内閣府令第4号 9項)。限定を外すと、深視力の検査も始まります。視力に不安がある人は、外す前に眼科などで確かめておくと安心です。

今の普通免許から上の免許を取る
2017年3月12日以降に普通免許を取った人や、限定を外すよりさらに上の免許がほしい人は、上の免許を新しく取ります。教習所の技能教習の最低の時限は、施行規則の別表第四で次のように決まっています(MT、1時限50分)。
| 取る免許 | 今の免許 | 技能教習(基本+応用) |
|---|---|---|
| 準中型 | 普通 | 4+9=13時限 |
| 準中型 | AT普通 | 4+13=17時限 |
| 中型 | 準中型(5t限定) | 5+6=11時限 |
| 中型 | 普通 | 7+8=15時限 |
| 中型 | AT普通 | 7+12=19時限 |
| 大型 | 中型(8t限定) | 8+12=20時限 |
| 大型 | 準中型(5t限定) | 11+15=26時限 |
| 大型 | 普通 | 12+18=30時限 |
| 大型 | AT普通 | 16+18=34時限 |
時限は上達に応じて延長されます。5t限定の人は、限定を外す以外に、中型免許を11時限から取る道もあります。中型と大型の取り方は中型免許の取り方と大型免許の取り方にまとめています。

取れる年齢
道路交通法88条1項1号により、準中型免許と普通免許は18歳、中型免許は20歳、大型免許は21歳に満たない人には与えられません。準中型と普通は17歳6か月から受験できます(96条1項ただし書)。中型は普通免許などの経歴が通算2年以上、大型は通算3年以上も必要で、特例教習を修了すれば19歳以上・経歴1年以上で受けられます(警察庁 受験資格の特例)。
18歳で取れる免許のうち、いちばん大きなトラックまで運転できるのは準中型免許です。高校を出てすぐトラックの仕事をしたい人は、普通免許ではなく準中型免許を取る選択肢があります。

範囲の外の車を運転したら
道路交通法64条1項は無免許運転を禁止しています。2017年3月12日以降に取った普通免許で準中型自動車を運転するように、必要な免許を受けずに運転した場合は、117条の2の2で「三年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金」の対象です(道路交通法 e-Gov)。64条2項は、無免許運転をするおそれのある人に自動車を提供することも禁止しています。
5t限定・8t限定の範囲を超えた場合にどの違反として扱われるか、点数や反則金がどうなるかは、この記事では一次資料で確かめられていません。いずれにしても、限定の外の車は運転できない、という点は同じです。会社から車を渡されたときも、自分で車検証の数字を確かめてから運転してください。

自分が運転できるか確かめる手順
ここまでの内容を、実際に確かめる順番にまとめます。
1. 免許証で取った日と条件欄を見る
まず自分の免許証を手に取ります。普通免許を取った日が2007年6月1日以前か、2007年6月2日から2017年3月11日までか、2017年3月12日以降かで、範囲が3つに分かれます。改正のあとに更新を済ませていれば、条件欄に「準中型車(5t)」や「中型車(8t)」の略語が書かれているはずです。取った日の見方や条件欄の読み方に自信がないときは、住所地の運転免許センターで聞くのが確実です。
2. 自分の範囲を3つの数字にする
範囲が分かったら、車両総重量・最大積載量・乗車定員の3つの上限の数字に置き換えます。今の普通免許なら3,500kg未満・2,000kg未満・10人以下、5t限定なら5,000kg未満・3,000kg未満・10人以下、8t限定なら8,000kg未満・5,000kg未満・10人以下です。どれも「未満」なので、ちょうどその数字の車は範囲の外です。
3. 運転する車の車検証を見る
次に、運転する車の車検証で、車両総重量・最大積載量・乗車定員の3つを見ます。車検証の「普通」「小型」の欄や、「2トン車」という呼び方では判断しません。会社の車なら、車検証を管理している人に見せてもらいましょう。
4. 3つとも範囲の中なら運転できる
3つの数字がすべて自分の範囲の中なら運転できます。1つでも外なら、その車は運転できません。上の免許を取るか、限定を外す必要があります。
- 免許証で取った日と条件欄を見る → 「準中型車(5t)」「中型車(8t)」の文字があるか
- 自分の範囲を3つの数字にする → 車両総重量・最大積載量・乗車定員の上限
- 運転する車の車検証を見る → 車両総重量・最大積載量・乗車定員
- 3つとも範囲の中なら運転できる → 1つでも外なら上の免許か限定解除が必要
トラックの仕事では、どの車を運転するかで必要な免許が変わります。ルート配送の仕事の中身はルート配送の仕事、トラック運転手の給料はトラック運転手の給料にまとめています。求人を見るときは、使う車の車両総重量と最大積載量まで聞いておくと、入ってから困りません。

よくある質問
Q. 普通免許で2トントラックは運転できますか?
取った日と車によります。2017年3月12日以降に取った普通免許は最大積載量2,000kg未満・車両総重量3,500kg未満なので、最大積載量2トンの車は範囲の外です。5t限定・8t限定の人も、架装で車両総重量が限定を超える車は運転できません。車検証の数字で確かめてください。
Q. 4トントラックは運転できますか?
2017年3月12日以降の普通免許と5t限定では、いわゆる4トントラックの多くは範囲の外です。8t限定でも、車両総重量8,000kg未満・最大積載量5,000kg未満の車に限られます。車ごとに車検証で確かめてください。
Q. 自分が5t限定か8t限定か、どこで分かりますか?
免許証の条件欄を見ます。5t限定の人は更新後の免許証に「準中型免許(準中型で運転できる準中型車は準中型車(5t)に限る。)」と表記されます(警視庁)。8t限定の人は「中型車(8t)」という略語を使った条件が書かれます。分からなければ免許を取った日を確かめるか、運転免許センターで聞いてください。
Q. 改正のときに免許証を書き換える必要はありましたか?
ありません。警視庁は、改正に伴う免許証の取り換えや記載事項変更の手続きは不要で、必要な変更は更新時に行われると案内しています。
Q. 車検証に「普通」と書いてあれば普通免許で運転できますか?
そうとは限りません。車検証の普通・小型は道路運送車両法の区分で、大きさや排気量などで決まります。免許の区分は車両総重量・最大積載量・乗車定員で決まるので、その数字で判断します。
Q. 荷物を少なく積めば、範囲の外のトラックでも運転できますか?
条文から読むと、できません。車両総重量は車検証の最大積載量を使って計算した数字で、その日に積む荷物の重さではないためです。車検証の数字で判断してください。
Q. 8t限定ならマイクロバスも運転できますか?
乗車定員11人以上のマイクロバスは中型自動車ですが、8t限定は乗車定員10人以下に限られているので運転できません。
Q. 5t限定を外すにはいくらかかりますか?
東京都の場合、試験場の手数料は教習所の審査に合格した人が1,350円、試験場で直接受ける人が3,100円です。教習所に通う場合は、教習所の料金が別にかかります。
参考にした一次情報
いずれも2026年10月11日に確認しました。
- 道路交通法(e-Gov 法令検索)※平成16年法律第90号・平成27年法律第40号の附則を含む
- 道路交通法施行規則(e-Gov 法令検索)
- 道路運送車両法(e-Gov 法令検索)
- 道路運送車両法施行規則(e-Gov 法令検索)
- 警察庁「運転免許統計(令和7年版)」
- 警察庁「平成29年3月12日 改正道路交通法が施行されます」(リーフレット)
- 警察庁「道路交通法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」
- 警察庁「貨物自動車に係る運転免許制度の在り方に関する有識者検討会」設立趣旨書
- 警察庁「第二種免許等の受験資格の見直しについて」
- 警視庁「準中型免許の新設」
- 警視庁「準中型免許の新設」(PDF)
- 警視庁「準中型免許限定解除審査(指定教習所で技能審査に合格した方)」
- 警視庁「準中型免許限定解除審査(直接試験場で受験される方)」
- 警視庁「中型免許(8t限定)の限定解除(指定教習所で技能審査に合格した方)」
- 警視庁「中型免許(8t限定)の限定解除(直接試験場で受験される方)」
- 警視庁「中型免許試験(直接試験場で受験される方)」
- 全日本トラック協会「準中型免許Q&A」(国土交通省 中国運輸局のサイトに掲載)
限定解除の手数料は東京都の額です。手続きの細かな条件は住所地の運転免許センターに、教習の料金は教習所に、最後は直接確かめてから進めてください。





