この記事の情報
法令は e-Gov の現行版(道路交通法と道路交通法施行規則)で確認しました。警視庁の二種免許試験の案内、警察庁の受験資格の特例とAT限定の新設のページ、運転免許統計(令和7年版)とあわせて、2026年10月10日に確認した内容です。試験場の手数料は東京都(警視庁)のもの、教習所の料金は2校の公開料金です。
送迎のマイクロバスや、小さな観光バスの運転手の求人を見ると「中型二種免許」が条件になっていることがあります。普通二種や大型二種に比べると情報が少なく、何が運転できるのか、普通免許からどのくらいかかるのかが分かりにくい免許です。
この記事では、中型二種免許を定めている道路交通法と施行規則の条文、警視庁と警察庁の公式資料だけを使って、運転できる車、受験資格、教習の時限、費用、試験の中身、合格率までを整理しました。2007年から2017年までに普通二種を取った人が持っている「限定付きの中型二種」についても書いています。
先に結論を書きます。中型二種免許があれば、乗車定員11人以上29人以下のマイクロバスなどの中型自動車と、準中型自動車、普通自動車で、お客さんを乗せて運賃をとる運転ができます(道路交通法86条)。受験資格は21歳以上で普通免許などの経歴が通算3年以上(特例教習で19歳・1年)。教習は普通免許を持っている人なら技能27時限・学科17時限、普通二種を持っている人なら技能10時限です。令和7年の合格率は66.9%でした。

中型二種免許で運転できる車
中型自動車と準中型自動車の旅客運送(86条1項)
道路交通法86条1項は、お客さんを乗せて運ぶ目的で旅客自動車を運転するには、車の種類に応じた第二種免許が必要だと定めています(道路交通法 e-Gov)。
次の表の上欄に掲げる自動車で旅客自動車であるものを旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で運転しようとする者は、当該自動車の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる第二種免許を受けなければならない。
| 自動車の種類 | 必要な第二種免許 |
|---|---|
| 大型自動車 | 大型第二種免許 |
| 中型自動車及び準中型自動車 | 中型第二種免許 |
| 普通自動車 | 普通第二種免許 |
| 大型特殊自動車 | 大型特殊第二種免許 |
表のとおり、中型二種は中型自動車と準中型自動車の旅客運送のための免許です。準中型自動車で運賃をとってお客さんを運ぶ場合も、準中型の二種ではなく中型二種が必要になります。準中型の第二種免許という種類はありません。
普通自動車の旅客運送と運転代行もできる(86条2項・6項)
86条2項は、中型第二種免許を受けた人について「旅客自動車である普通自動車を当該目的で運転することを含む」と定めています。中型二種があれば、普通二種を別に取らなくても、タクシーやハイヤーのような普通自動車でお客さんを乗せる仕事ができます。
さらに86条6項は「大型第二種免許又は中型第二種免許を受けた者は、…代行運転普通自動車を運転することができる」と定めていて、運転代行でお客さんの車を運転することもできます。
中型自動車の範囲
中型自動車がどんな車かは、施行規則2条で決まっています(道路交通法施行規則 e-Gov)。
車両総重量が七、五〇〇キログラム以上一一、〇〇〇キログラム未満のもの、最大積載量が四、五〇〇キログラム以上六、五〇〇キログラム未満のもの又は乗車定員が一一人以上二九人以下のもの
旅客の仕事で大事なのは乗車定員です。乗車定員11人以上29人以下なら中型自動車、30人以上なら大型自動車で、大型二種が必要です。いわゆるマイクロバスは中型、観光バスや路線バスの大きな車は大型、ということになります。大型二種については大型二種免許の取り方と費用にまとめています。

受験資格
21歳以上・経歴3年以上、または他の二種
警視庁の二種免許試験の案内は、受験資格を次のように書いています(警視庁 二種免許試験(教習所卒業))。
大型、中型、準中型、普通、大型特殊免許のいずれかの運転免許を現に受けており、かつ、当該いずれかの運転免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して3年以上の方又は他の二種免許を取得している方。
年齢は21歳以上です。普通二種などほかの二種免許を持っている人は、経歴の年数に関係なく受けられます。
特例教習なら19歳・経歴1年から
2022年5月13日から、一定の教習(受験資格特例教習)を修了すれば、19歳以上・経歴1年以上で二種免許を受けられるようになりました(警察庁 第二種免許等の受験資格の見直し)。特例教習の時限は、年齢の特例が7時限以上、経歴の特例が29時限以上です。


視力と深視力
二種免許の適性試験では、視力が「両眼で0.8以上、かつ、一眼でそれぞれ0.5以上」、深視力が「三桿法の奥行知覚検査器により3回検査し、その平均誤差が2センチメートル以下」と決まっています(施行規則23条・警視庁)。深視力は免許を取るときだけでなく、更新のたびに測ります。
教習の時限は持っている免許で変わる
技能教習
指定自動車教習所での教習時間は、施行規則の別表第四で、いま持っている免許ごとに決まっています。1時限は50分で、表の時限数は最低限の数です(技能の習得状況に応じて延長されます)。MTの中型二種を取る場合の技能教習は次のとおりです。
| いま持っている免許 | 基本操作及び基本走行 | 応用走行 | 計 |
|---|---|---|---|
| 普通第二種免許 | 7 | 3 | 10 |
| AT普通第二種免許 | 7 | 7 | 14 |
| 大型免許・中型免許 | 8 | 9 | 17 |
| AT中型免許 | 8 | 13 | 21 |
| 中型(8t)限定中型免許 | 10 | 12 | 22 |
| 準中型免許 | 11 | 12 | 23 |
| 準中型(5t)限定準中型免許 | 12 | 15 | 27 |
| 普通免許 | 12 | 15 | 27 |
| AT普通免許 | 12 | 19 | 31 |
| 大型特殊免許・大型特殊第二種免許 | 19 | 29 | 48 |
AT中型二種を取る場合は、普通免許・AT普通免許・準中型5t限定から27時限、準中型から23時限、中型8t限定から22時限、大型・中型・AT中型から17時限、AT普通二種から10時限です。

学科教習
学科教習は、大型・中型・準中型・普通の免許を持っている人なら学科一6時限と学科二11時限の計17時限です。普通二種を持っている人は0時限で、二種の学科はすでに済んでいる扱いです。
普通免許を持っている人が中型二種を取る場合、技能27時限と学科17時限で計44時限、時間にすると最低でも36時間40分です。

費用
教習所の公開料金
教習所に通う場合の料金は教習所ごとに違います。令和8年10月1日の料金を公開している埼玉県の教習所と、2026年7月に料金を改訂した兵庫県の教習所の2校の公開料金(税込)は次のとおりでした。
| いま持っている免許 | 埼玉県の教習所(一括予約/段階予約) | 兵庫県の教習所(昼間部/終日部) |
|---|---|---|
| 普通免許(MT) | 473,550円/440,550円 | 400,770円/413,090円 |
| 準中型免許 | 442,750円/409,750円 | 355,450円/366,010円 |
| 中型免許 | 382,800円/349,800円 | 274,670円/282,590円(中型一種・大型一種) |
| 普通二種(AT) | 掲載なし | 205,520円/212,120円 |
どちらも規定の時限で卒業した場合の額で、教習の追加や検定の不合格のときは別に料金がかかります。2校の幅で見ると、普通免許からは400,770円から473,550円、中型免許からは274,670円から382,800円でした。埼玉県の教習所は「中型8t限定免許・中型8tAT限定免許所持の方は、中型二種教習を行うことができません。限定解除をしてからの教習となります」と書いていて、8トン限定の扱いは教習所によって違うことがあります。

試験場の手数料(東京)
教習所を卒業した人は、卒業証明書があれば1年間は技能試験が免除され、試験場では適性試験と学科試験を受けます。警視庁の手数料は「4,150円(受験料1,800円、免許証交付料2,350円)」です。
教習所に通わず試験場で直接受ける場合は「9,800円(受験料4,500円、試験車使用料2,950円、免許証交付料2,350円)」で、ほかに「取得時講習受講料(30,300円)」がかかります(警視庁 二種免許試験(直接受験))。一度で合格しても40,100円で、不合格になるとそのたびに受験料と試験車使用料がかかります。

東京で直接受ける場合の注意として、警視庁は「中型二種の技能試験は鮫洲運転免許試験場では受験できません。」と書いています。技能試験は予約制で、適性試験の当日には受けられません。
技能試験の中身
AT車で6つの項目
施行規則24条1項は、中型第二種免許の技能試験の項目を決めています。AT車を使う試験の項目は次の6つです。
一道路における走行(発進及び停止を含む。)二交差点の通行三横断歩道の通過四人の乗降のための停車及び発進五方向変換又は縦列駐車六鋭角コースの走行
「人の乗降のための停車及び発進」があるのが、お客さんを乗せる二種免許らしいところです。MT免許の場合は、クラッチやギアの操作に関わる項目を別に行います。

合格点は80%、試験車はバス型
合格の基準は施行規則24条10項2号で「中型第二種免許及び普通第二種免許に係る技能試験にあつては、AT自動車を使用して行う項目及びAT自動車以外の自動車を使用して行う項目のそれぞれについて八十パーセント以上」とされています。一種の中型免許や普通免許は70%なので、二種は基準が高くなっています。
AT車の試験に使う車は、同条11項で「乗車定員一一人以上二九人以下のバス型の中型自動車(AT自動車に限る。)で長さが六・五〇メートル以上、幅が二・〇〇メートル以上及び最遠軸距が三・八〇メートル以上のもの」と決まっています。走らせる距離はAT車で6,000メートル以上です(同条7項)。

学科試験の合格基準は90%以上です。
合格率と合格者の内訳
令和7年は66.9%
警察庁の運転免許統計によると、令和7年の中型二種の試験は受験者1,974人、合格者1,320人で、合格率は66.9%でした。令和6年は受験者2,267人、合格者1,304人で57.5%です(警察庁 運転免許統計 令和7年版)。受験者は延べ人数で、同じ人が何度受けてもそのたびに数えられます。

合格者の半分は失効後の再取得
同じ統計で合格者1,320人の内訳を見ると、指定自動車教習所の卒業者は572人でした。一方、免許が失効したあとに学科と技能を免除されて取り直した人(特定失効者)が、失効後6月以内で616人、6月をこえ3年以内で77人、計693人いました。合格者の52.5%は、新しく中型二種を取った人ではなく、更新を逃して取り直した人ということになります。
| 合格者の区分 | 人数 |
|---|---|
| 指定自動車教習所の卒業者 | 572 |
| 学科試験と技能試験を受けて合格 | 14 |
| 学科試験免除で技能試験を受けて合格 | 24 |
| 学科試験のみを受けて合格 | 1 |
| 特定失効者(失効後6月以内) | 616 |
| 特定失効者(失効後6月をこえ3年以内) | 77 |
| 特定取消処分者 | 16 |
| 合計 | 1,320 |
試験場で技能試験を受けて合格した人は14人と24人の計38人で、教習所を卒業して取る人が新規の取得の中心です。

8トン限定・5トン限定の中型二種
昔の普通二種は中型二種とみなされている
中型二種には、運転できる車が限られた「限定付き」のものがあります。警視庁は「平成29年3月11日以前に普通二種免許を受けた方は、限定付き中型二種免許とみなされる」と案内しています(警視庁 中型免許 試験場で直接受験)。運転免許統計の用語の注は、2007年6月2日から2017年3月11日までの普通第二種免許は「中型二種5t限定」とみなすとしています。それより前、2007年6月1日以前に取った普通二種が「8トン限定」の中型二種です。
| 種類 | 普通二種を取った時期 | 運転できる中型自動車 |
|---|---|---|
| 中型二種(8トン限定) | 2007年6月1日以前 | 車両総重量8,000kg未満、最大積載量5,000kg未満、乗車定員10人以下 |
| 中型二種(5トン限定) | 2007年6月2日〜2017年3月11日 | 車両総重量5t未満、最大積載量3t未満、乗車定員10人以下 |
| 中型二種(限定なし) | 中型二種の試験に合格など | 中型自動車(乗車定員11〜29人など) |
どちらの限定も乗車定員は10人以下までなので、限定付きの中型二種のままでは、乗車定員11人以上のマイクロバスでお客さんを運ぶことはできません。限定を外したいときは、中型二種を新しく受けるのではなく、限定解除審査を受けます。

中型二種の7割は8トン限定
運転免許統計では、令和7年末の中型二種の件数は664,156件でした。そのうち中型二種8トン限定は、中型8トン限定と両方を持つ456,565件と、中型二種8トン限定だけの21,646件で、あわせて478,211件、72.0%です。中型二種の件数は令和3年の844,567件から、4年で180,411件(21.4%)減っています。

限定解除審査の料金を公開している教習所の例では、中型二種8トン限定の限定解除は技能5時限で187,000円(AT限定付きは9時限で217,800円)でした。8トン限定の範囲や限定解除の進め方は、一種の中型免許の取り方と8トン限定の解除もあわせて読んでください。
2026年4月からAT中型二種
警察庁は、AT限定の中型二種免許を2026年4月1日から導入しました(警察庁 AT大型免許等の導入)。あわせて、技能試験と教習は原則AT車で行い、MT免許のクラッチ・ギア操作の項目だけをMTの普通車で行う形に変わっています。施行規則24条4項は、AT中型第二種免許を「運転することができる中型自動車、準中型自動車及び普通自動車をAT機構がとられておりクラッチの操作装置を有しない…ものに限る中型第二種免許」と定義しています。
AT中型二種で運転できるのはAT車だけです。働きたい会社の車がAT車かMT車かを確かめてから、どちらを取るか選ぶと安心です。

中型二種が生きる仕事
中型二種でできる仕事を条文の範囲で並べると、次のようになります。
- マイクロバスの送迎・貸切 → 乗車定員11〜29人の車でお客さんを運ぶ
- 小型の路線バス → 車の大きさが中型の範囲なら
- タクシー・ハイヤー → 普通自動車の旅客運送もできる(86条2項)
- 運転代行 → お客さんの車を運転できる(86条6項)
送迎の仕事は送迎ドライバーの仕事と必要な免許、観光バスは観光バス運転手の仕事、路線バスの運転手になる手順はバス運転手になるには、ハイヤーはハイヤー運転手の仕事にまとめています。中型二種の仕事に限った賃金の公的な統計は見つからなかったので、この記事では年収は書いていません。


普通二種・大型二種とどう選ぶか
二種免許の3つを、運転できる旅客自動車の範囲で比べると次のとおりです。
| 免許 | お客さんを乗せて運転できる車 |
|---|---|
| 普通二種 | 普通自動車(タクシー・ハイヤーなど) |
| 中型二種 | 中型自動車・準中型自動車・普通自動車 |
| 大型二種 | 大型自動車・中型自動車・準中型自動車・普通自動車 |
大型二種には中型二種の範囲がすべて含まれるので、将来大きなバスも運転したいなら大型二種、マイクロバスまでで足りるなら中型二種、という選び方になります。すでに中型二種を持っている人が大型二種を取る場合の技能教習は13時限です(別表第四)。タクシーから始めたい人は、二種免許の取り方で普通二種の取り方をまとめています。

よくある質問
Q. 中型二種でタクシーの仕事はできますか?
できます。道路交通法86条2項で、中型第二種免許を受けた人は旅客自動車である普通自動車をお客さんを乗せる目的で運転できるとされています。
Q. 普通免許だけで中型二種を取れますか?
取れます。21歳以上で普通免許などの経歴が通算3年以上(特例教習を修了すれば19歳以上・1年以上)あれば受験できます。教習所では技能27時限・学科17時限が最低の時限数です。
Q. 昔取った普通二種で、マイクロバスにお客さんを乗せられますか?
2017年3月11日以前に取った普通二種は、8トン限定か5トン限定の中型二種とみなされていますが、どちらも乗車定員10人以下に限られます。乗車定員11人以上のマイクロバスでお客さんを運ぶには、限定解除が必要です。
Q. 中型二種の試験は難しいですか?
令和7年の合格率は66.9%でした。ただし合格者の半分以上は失効後の再取得で、技能試験の合格基準は80%以上と一種の免許(70%)より高く設定されています。
Q. 準中型自動車でお客さんを運ぶのに必要な免許は?
中型二種です。86条1項の表で「中型自動車及び準中型自動車」は中型第二種免許とされています。
参考にした一次情報
いずれも2026年10月10日に確認しました。
- 道路交通法(e-Gov 法令検索)
- 道路交通法施行規則(e-Gov 法令検索)
- 警視庁「大型二種・中型二種・普通二種免許試験(指定教習所を卒業された方)」
- 警視庁「大型二種・中型二種・普通二種免許試験(直接試験場で受験される方)」
- 警視庁「中型免許試験(直接試験場で受験される方)」
- 警察庁「第二種免許等の受験資格の見直しについて」
- 警察庁「AT大型免許等の導入及びMT免許の技能試験等の方法の見直しについて」
- 警察庁「運転免許統計(令和7年版)」
教習の料金と受け付けの条件は教習所ごとに違います。受験の細かな手続きは住所地の運転免許試験場に、最後は直接確かめてから進めてください。





