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法律はe-Govの条文の原文、東京の道路交通の決まりは東京都例規集、試験・講習・登録・評価・表彰は東京タクシーセンターの公式ページと公表資料です。いずれも2026年9月24日に確認しています。筆者の経験は、筆者が都内で乗務していた2018年から2020年ごろのものです。
「タクシーの運転手は、どんな服装で働いているのだろう」「面接や講習にはスーツで行くべきか」「制服はもらえるのか、自分で買うのか」。タクシーの仕事を考えはじめると、仕事の中身と同じくらい、こうした服装の疑問が出てくると思います。
先に結論を書くと、法律が運転者の服装について決めていることは多くありません。運輸規則という国の省令に「運転操作に円滑を欠くおそれがある服装をしないこと」という1文があるだけで、制服の色や上着、ネクタイ、帽子を決めた条文は見当たりませんでした。制服やそのほかの身だしなみの決まりは、それぞれのタクシー会社が作っています。
この記事では、服装と身だしなみについて、法律で決まっていること、会社が決めること、場面ごと(面接、東京タクシーセンターの試験と講習、登録、乗務)の注意を分けて書きます。最後に、筆者が乗務していたころの服装も紹介します。

結論。服装の決まりは、法律より会社で決まる
要点を並べます。理由と出典は、このあとの章で書きます。
- 運転者の服装を名指しした条文は、運輸規則50条1項10号の「運転操作に円滑を欠くおそれがある服装をしないこと」の1つです。
- 東京で車を運転する人は、木製サンダルやげたなど、運転操作に支障を及ぼすおそれのある履物をはいてはいけません(東京都道路交通規則8条2号)。
- 乗務員の服務の規律は会社が定めます(運輸規則41条)。制服の有無や色、上着を着るかどうかが会社で違うのは、このためです。
- 東京では、登録タクシー運転者証を前面ガラスの内側に表示します。申請用写真は縦6cm×横4cm、無帽・正面・無背景です。
- 東京タクシーセンターの講習と研修は「ふさわしい、服装・身だしなみでの受講」を求めています。スーツなどの指定は書かれていません。
- 東京では、利用者モニターが「服装・身だしなみ」を含む5つの項目で乗務を見て、会社の評価に使っています。
- 制服の費用を働く人に負担させるなら、労働条件として示し、給料から差し引くには法令か書面の協定が要ります(労働基準法)。
旧版のこの記事には、すでに廃止された地理試験や、いまと違う写真の手続きを書いた部分がありました。直した点は、記事の最後の「この記事で訂正したこと」にまとめています。
法律が運転者の服装について決めていること
運転操作に円滑を欠くおそれがある服装をしない
バスやタクシーの会社と運転者が守る決まりは、旅客自動車運送事業運輸規則(以下、運輸規則)に書かれています。運転者が守る事項を並べた50条1項の10号が、次の1文です。
「運転操作に円滑を欠くおそれがある服装をしないこと。」
運輸規則の全文を「服装」で探すと、運転者の服装を名指ししているのは、この1か所だけでした。ほかに「服装」が出てくるのは、乗せる客の服装にふれた13条3号と、車掌などについての51条です。ハンドルやペダルの操作のじゃまになる服を着てはいけない、という決まりで、色や形を指定するものではありません。
タクシーの業務について定めたタクシー業務適正化特別措置法と同法の施行規則にも、制服の色、上着、ネクタイ、帽子、手袋を指定する条文は見当たりませんでした。国土交通省が運転者の指導について示した告示第1676号の指針も、全文を「服装」「身だしなみ」で探しましたが、該当する記述はありませんでした。
東京では、木製サンダルやげたで運転しない
履物については、東京都の道路交通の規則に定めがあります。東京都道路交通規則の8条2号は、次のとおりです。
「木製サンダル、げた等運転操作に支障を及ぼすおそれのあるはき物をはいて車両等(軽車両を除く。)を運転しないこと。」
これはタクシーに限らず、東京で車を運転する人すべての決まりです。条文が名前を挙げているのは「木製サンダル、げた等」で、それ以外の個別の履物が当たるかどうかは、条文からは判断できません。心配な履物は、勤める会社の決まりに従うのが確実です。
「不潔な服装」は客についての決まり
運輸規則13条3号には「泥酔した者又は不潔な服装をした者等であつて、他の旅客の迷惑となるおそれのある者」という言葉があります。これはタクシー会社が乗車を断れる客についての決まりで、運転者の服装の決まりではありません。
| 決まり | 中身 | だれの決まりか |
|---|---|---|
| 運輸規則50条1項10号 | 運転操作に円滑を欠くおそれがある服装をしない | 運転者 |
| 東京都道路交通規則8条2号 | 木製サンダル、げた等、運転操作に支障を及ぼすおそれのある履物で運転しない | 東京で車を運転する人 |
| 運輸規則13条3号 | 不潔な服装で他の客の迷惑になるおそれのある人は、乗車を断れる | 乗せる客 |
| 運輸規則41条 | 乗務員の服務の規律を定める | 会社 |

制服の決まりを作るのは会社
服務の規律は会社が定める
運輸規則41条は、会社に次のことを求めています。
「旅客自動車運送事業者は、乗務員等が事業用自動車の運行の安全の確保のために遵守すべき事項及び乗務員等の服務についての規律を定めなければならない。」
乗務員の服務の規律は、会社が作るものです。制服を着るかどうか、何色か、上着やベストが要るか、帽子や手袋をどう扱うかが会社によって違うのは、この条文の仕組みから来ています。ただし、条文は「服務の規律に制服を入れること」までは書いていません。
さらに39条は、タクシー会社に「営業区域内の地理並びに旅客及び公衆に対する応接に関し必要な事項」の指導監督を求めていて、40条はその指導の内容を指導要領にまとめることを求めています。お客さんへの応対をどう教えるかも、会社の仕事です。運輸規則2条2項には「旅客又は公衆に対して、公平かつ懇切な取扱いをしなければならない。」という一般的な決まりもあります。
タクシーの仕事全体の流れや、運輸規則のほかの決まりは、タクシー運転手の仕事内容の記事で詳しく書いています。

業界全体の支給の割合は、見つからなかった
制服を会社が支給するのか、貸すのか、自分で買うのかについて、業界全体の割合を示す統計は見つかりませんでした。旧版のこの記事には「ほとんどの場合は支給」と書いていましたが、裏付けになる数字がないため、この版では一般論としては書きません。筆者の会社の例は、後の章で紹介します。
運転者証と乗務員証。顔写真はお客さんの目に入る
東京では、運転者証を前面ガラスの内側に表示する
タクシー業務適正化特別措置法13条は、タクシー会社に対して、登録した運転者を乗務させるときに「登録タクシー運転者証」を車に表示することを求めています。表示の仕方は、施行規則12条が決めています。
「運転者証は、タクシーの前面ガラスの内側に、運転者証の表をタクシーの外部に、裏を内部に向けて、利用者に見易いように表示しなければならない。」
東京タクシーセンターの登録手続きのページによると、東京の特別区、武蔵野市、三鷹市の法人タクシーの運転者は、センターに登録して運転者証の交付を受け、車内に表示しなければ営業できません。旧版のこの記事では、これを「助手席にあるカード」と書いていましたが、決まっている表示場所は前面ガラスの内側です。
それ以外の地域では、乗務員証を携行する
運転者証の表示が決まっている車以外では、運輸規則37条3項により、会社は運転者に写真を貼った乗務員証を持たせなければなりません。運転者は乗務中にこれを携行し、乗務が終わったら返します(50条9項)。乗務員証に貼る写真は、乗務員等台帳の写真と同じもので、タクシーの運転者の場合は縦3.0cm以上、横2.4cm以上の単独、無帽、正面、無背景の写真です(37条1項11号)。
| 運転者証 | 乗務員証 | |
|---|---|---|
| 使う車 | 運転者証の表示が決まっている車(東京では特別区、武蔵野市、三鷹市の法人タクシーなど) | それ以外の車 |
| 扱い | 前面ガラスの内側に、表を車外に向けて表示 | 乗務中に携行し、乗務が終わったら返す |
| 写真 | 申請用写真(縦6cm×横4cm) | 縦3.0cm以上、横2.4cm以上 |
| 根拠 | タクシー業務適正化特別措置法13条、施行規則12条 | 運輸規則37条3項、50条9項 |

運転者証の申請用写真の条件
運転者証の写真は、施行規則3条3項が決めています。
「申請前六月以内に撮影した縦六センチメートル、横四センチメートルの単独、無帽、正面、無背景の顔写真でその裏面に氏名及び撮影年月日を記入したもの」
東京タクシーセンターの写真サイズ変更のお知らせによると、この大きさになったのは2023年2月28日からで、顔の大きさは3センチメートル以上とされています。使っている運転者証の写真を張り替える必要はない、とも書かれています。
帽子をかぶらず、正面を向き、背景のない写真です。制服を着て撮るべきかどうかの決まりは、条文にもセンターの案内にもありませんでした。写真は乗務中ずっとお客さんから見えるものなので、清潔な服装で撮っておくと安心です。

場面ごとの服装。面接、試験と講習、登録、乗務
東京の特別区、武蔵野市、三鷹市で法人タクシーの運転者になるときに、服装を考える場面は大きく分けて4つあります。
| 場面 | 公的な案内 | 考え方 |
|---|---|---|
| 面接 | 公的な基準はない | 応募する会社の案内に従う |
| センターの試験 | 試験のページに服装の案内はない | 時間と本人確認に注意する |
| センターの講習・研修 | 「ふさわしい、服装・身だしなみでの受講」 | 運転者として人前に出る服装で行く |
| 登録 | 申請用写真を1枚添付 | 写真の条件を守る |
| 乗務 | 運転操作に円滑を欠く服装をしない | 会社の制服と服務の規律に従う |

面接
面接の服装について、法令や公的機関の決まりはありません。会社から服装の指定があれば、それに従います。
筆者は面接にスーツで行きました。これは筆者がそうしたというだけで、スーツでなければ落ちる、私服なら落ちるといった基準を示す資料はありません。面接は、制服や更衣室のことを確かめる場でもあります。聞いておきたいことは、後の「制服の費用は、だれが払うのか」の章にまとめました。
東京タクシーセンターの試験
東京で法人タクシーの運転者になるには、東京タクシーセンターで「輸送の安全及び利用者の利便の確保に関する試験」に合格します。以前の地理試験は2024年2月29日に廃止され、いまは法令・安全・接遇の試験です。廃止の経緯は地理試験の廃止の記事に書いています。
試験のページによると、試験は45問で、36問以上の正解(正答率80%)で合格です。合格証の有効期限は合格日から2年間、手数料は3,400円です。試験日は月・火・金曜日で、月・火曜日は9時30分、金曜日は9時00分に着席して点呼を受けます。「点呼において、本人確認ができなかった者、遅刻した者は、試験は受けられません」と書かれています。
試験のページには、服装の案内は見当たりませんでした。服装より先に気をつけたいのは、時間と本人確認と交通手段です。持ち物は運転免許証など本人であることを証する物と筆記用具(鉛筆、消しゴム、ボールペン)で、車・バイク・自転車での来所は禁止されています。
東京タクシーセンターの新規講習と研修
講習と研修のページには、服装の案内があります。新規講習や新人特別接遇研修など、研修のページに並ぶ講習の案内には、次の2文が共通して書かれています。
「研修生の車・バイク・自転車などでのセンターへの来所は禁止しております。公共交通機関を利用し、ご来所ください。」「タクシー運転者として研修を受講するのにふさわしい、服装・身だしなみでの受講をお願い致します。」
スーツや制服といった具体的な指定はありません。「タクシー運転者として」ふさわしい服装、という書き方です。新規講習は3日間、9時から17時で、費用は通所2,200円、オンライン1,650円です。9時から点呼があるため、8時50分までに来所するよう案内されています。地理試験の廃止に合わせて、3日目の午後には地理の効果測定があります。
新人特別接遇研修は1日、2,200円で、外部の講師から、社会人としてのマナーや、プロの運転者としてのコミュニケーションの力を身につける方法などを学ぶ研修と案内されています。

神奈川タクシーセンターの試験のページも確認しましたが、服装や身だしなみの記載はありませんでした。ほかの地域のタクシーセンターの案内は、この記事では扱っていません。
登録
試験に合格して新規講習を修了したら、センターで運転者の登録をします。登録手続きのページにある、法人の運転者の新規登録で出す書類は次のとおりです。
| 出すもの | 条件 |
|---|---|
| 登録申請書 | 第二号様式 |
| 住民票の写し | 個人番号の記載がないもの、コピー不可、6か月以内 |
| 雇用条件及び雇用契約証明書 | |
| 合格証の写し | 合格した日から2年以内 |
| 講習修了証の写し | 講習終了日から2年以内 |
| 運転者証交付申請書 | 第9号様式 |
| 運転免許証 | 提示 |
| 写真 | 1枚添付 |
| 手数料 | 3,740円 |
窓口は平日の9時00分から16時00分で、登録課の業務は月曜日に混むと案内されています。試験3,400円、新規講習(通所)2,200円、登録3,740円を合わせると、センターに払う費用は9,340円です。
旧版のこの記事には「合格したらセンターで顔写真を撮影」と書いていました。いまの登録ページでは、写真は申請書類に1枚添付するとだけあり、センターで撮影する案内は見当たりませんでした。いまも窓口で撮影しているかどうかは確認できなかったので、写真は条件に合うものを用意して行くのが確実です。

乗務
乗務中は、会社の制服と服務の規律に従います。そのうえで、法令の決まりとして、運転操作に円滑を欠くおそれのある服装をしないこと、東京では木製サンダルやげたなどの履物で運転しないことがあります。
服装そのものではありませんが、乗務中の身だしなみに近い決まりもあります。会社は車を常に清潔に保たなければならず(運輸規則44条)、乗務員は酒気を帯びて乗務することや、車内で喫煙することを禁じられています(49条2項)。
乗務中の服装を見ている仕組み
利用者モニター評価の5項目
東京タクシーセンターは、法人タクシー事業者の安全・サービス等に関する評価制度を行っています。その評価制度フローによると、サービスの評価には、センターが委嘱する利用者モニターからの通報書が使われます。項目は次の5つです。
①接客態度、②地理知識、③運転操作、④車内の状況、⑤服装・身だしなみ。
通報書1通ごとに、良いは+1点、普通は0点、悪いは-1点です。合計点を通報件数で割った1通当たりの点数を、基礎点数5点に足し引きして、サービス評価の点数にします。評価されるのは運転者個人ではなく会社で、令和7年度は評価の対象になった280社のうち、269社がAAA、AA、Aのいずれかでした。
服装と身だしなみは、お客さんの側から会社を評価する項目の1つとして決められています。会社が制服や身だしなみの決まりを作る理由の1つとして、こうした評価の仕組みがあることは知っておいてよいと思います。

優良運転者の表彰
東京タクシーセンターには、運転者個人を対象にした表彰もあります。対象は「道路運送法等に違反がなく接客態度良好で、他の模範となる方」です。過去46回で42,402人が受賞していて、区分は一般(5年)、10年、20年、30年、特別(40年)の5つです。受賞者には、運転者証と優良運転者章を貼り合わせた優良表示証が交付されます。

街頭営業ハンドブックには、運転者の服装の基準はなかった
東京タクシーセンターのタクシー街頭営業ハンドブック(令和7年8月改訂版)も「服装」「身だしなみ」「制服」で確かめました。出てくるのは客の服装にふれた運送約款の部分と、運輸規則50条1項10号の条文だけで、運転者の服装の具体的な基準は載っていませんでした。
制服の費用は、だれが払うのか
働く人に負担させるなら、労働基準法の手続きがある
法人タクシーの運転者は、会社に雇われて働く労働者です。会社が制服の費用を働く人に負担させる場合、労働基準法と労働基準法施行規則に関係する決まりがあります。
まず、労働基準法施行規則5条1項6号は、会社が雇うときに示す労働条件の1つに「労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項」を挙げています。会社にその定めがない場合は、示さなくてよいとされています。書面で渡すことが義務になっているのは同じ条の1号から4号までで、6号はその中に入っていません。
次に、労働基準法89条5号は、常時10人以上の労働者を使う会社に対して、「労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項」を就業規則に書くことを求めています。
そして、制服の代金などを給料から差し引く場合は、労働基準法24条1項の全額払いの決まりがかかわります。給料の一部を差し引けるのは、法令に別の定めがある場合か、労働者の過半数で組織する労働組合(ない場合は労働者の過半数を代表する者)との書面による協定がある場合です。
条文に「制服」という言葉は出てきません。制服が「作業用品」に当たるかどうかは条文に定義がないため、この記事では断定しません。支給か、貸与か、自己負担かは、面接や労働条件の書面、就業規則で確かめてください。

面接で聞いておきたいこと
制服について、入社する前に確かめておきたいことを並べます。会社によって答えが違うところです。
- 制服は支給か貸与か、費用はかかるか
- 1年にもらえる枚数と、追加するときの費用
- 上着やベストを着る決まりはあるか
- 夏服や夏の軽装の扱い
- 靴、帽子、サングラス、手袋の決まり
- 更衣室やロッカーがあり、私服で通えるか
給料の仕組みはタクシー運転手の給料の記事、短い時間で働く場合はタクシーのアルバイトの記事、女性の働き方は女性のタクシー運転手の記事も参考にしてください。

筆者が乗務していたころの服装
ここからは、筆者が都内の会社で乗務していた2018年から2020年ごろの経験です。いまの各社の決まりとは違うことがあります。
Yシャツとベストで1年を通した
当時、法人タクシーの運転者は、基本的に制服を着ていました。Yシャツにブレザーかベスト、長ズボンという組み合わせです。夏はYシャツだけの人も多く見かけました。
筆者は1年中、白のYシャツ、ネクタイ、ベストで営業していました。ブレザーを着なかったのは、腕や肩が動かしにくく、お釣りを返すときに引っかかる感じがしたからです。会社からブレザーを着るように言われたことはありませんでした。ズボンには安いゴムのようなベルトを使い、靴はドライバーズサンダルでした。ベルトと靴は、会社からの指定も支給もありませんでした。
夏にブレザーを着て、暑いからと車内を冷やしすぎると、お客さんの迷惑になります。筆者は、お客さんと温度の感じ方を合わせるように気をつけていました。

ドライバーズサンダルが東京都道路交通規則8条2号の「木製サンダル、げた等」に当たるかどうかは、条文からは判断できません。筆者が当時履いていたというだけで、問題がないと言えるものではありません。履物は、勤める会社の決まりに従ってください。
筆者の会社の支給
筆者の会社では、Yシャツが半年に1回3枚、1年ごとにブレザー、ズボン、Yシャツ3枚が支給されました。ベストは支給されませんでした。夏服と冬服で色やデザインは同じで、ズボンの通気性が違いました。
筆者は服装に1円も払いませんでした。追加がほしいときは、予備があればもらえ、なければ自分で買う決まりでした。入社後は更衣室のロッカーが一人一人にあり、私服で出勤して着替えていました。

会社によって決まりは違った
筆者の会社では、サングラスとキャップは禁止でした。白い手袋は任意で、付けたい人は200円で買う決まりでした。一方、路上では、カウボーイハットをかぶった運転者や、ティアドロップのサングラス、キャップを身に着けた運転者に出会ったこともあります。
業界全体で「このようにしましょう」というルールはなく、会社によってさまざまでした。これは、服務の規律を会社が定めるという運輸規則41条の仕組みとも合っています。

タクシーセンターにはスーツで行った
筆者は、東京タクシーセンターにもスーツで行きました。まだ制服を受け取る前だったからです。ほかの会社の人は、会社の制服を着ている場合がほとんどでした。筆者は2018年3月13日に合格し、その日にセンターで運転者証を受け取りました。当時は合格後にセンターで顔写真を撮影しましたが、いまの登録ページでは、写真は申請書類に添付する形になっています。
乗務の前に確かめたいこと
法令の決まりと会社の決まりを合わせて、乗務の前に確かめたいことを並べます。
- 運転操作のじゃまになる服装ではないか(運輸規則50条1項10号)
- 木製サンダルやげたなど、運転に支障のある履物ではないか(東京都道路交通規則8条2号)
- 運転者証を表示したか。表示が決まっていない地域では乗務員証を持ったか
- 車内は清潔か(運輸規則44条)
- 車内で喫煙しない(運輸規則49条2項)
- 会社の服務の規律に合っているか(運輸規則41条)

この記事で訂正したこと
この記事は2019年9月24日に公開したものを、2026年9月24日に書き直しました。以前の版には、いまの制度と違う記述や、裏付けを示せない記述がありました。主なものを並べます。
| 以前の版の記述 | いまの事実 |
|---|---|
| 地理試験が行われるタクシーセンターへの服装 | 地理試験は2024年2月29日に廃止。いまは法令・安全・接遇の試験(45問、36問以上で合格) |
| 合格していたら乗務員書の顔写真をすぐに撮影 | 登録では申請用写真(縦6cm×横4cm)を申請書類に1枚添付する |
| 乗務員書はタクシーの助手席にあるカード | 東京は登録タクシー運転者証を前面ガラスの内側に表示。それ以外の地域は乗務員証を携行 |
| 制服はほとんどの場合は支給 | 業界全体の割合を示す統計は見つからない。筆者の会社の例として書いた |
また、以前の版にあった特定のタクシー会社の制服の一覧と社名、出典を確かめられない特定の施設の入構の条件と特定の店のスーツの価格、会社どうしを比べた記述は削除しました。

よくある質問
タクシー運転手の服装は法律で決まっていますか
運転者の服装を名指しした条文は、運輸規則50条1項10号の「運転操作に円滑を欠くおそれがある服装をしないこと」です。制服の色や上着、ネクタイ、帽子を指定する条文は見当たりませんでした。東京では、木製サンダルやげたなどの履物で運転しないことも決まっています。
制服がない会社もありますか
乗務員の服務の規律は会社が定めるので(運輸規則41条)、制服の有無や中身は会社によって違います。業界全体で制服がある会社の割合を示す統計は見つかりませんでした。応募する会社に確かめてください。
面接はスーツで行くべきですか
面接の服装について、法令や公的機関の決まりはありません。会社から指定があれば従ってください。筆者はスーツで行きましたが、スーツでなければ落ちるという資料はありません。
タクシーセンターの講習にはどんな服装で行けばいいですか
東京タクシーセンターの講習と研修の案内には「タクシー運転者として研修を受講するのにふさわしい、服装・身だしなみでの受講をお願い致します。」とあります。スーツや制服の指定は書かれていません。車・バイク・自転車での来所は禁止です。
運転者証の写真に決まりはありますか
申請前6か月以内に撮影した、縦6cm×横4cmの単独、無帽、正面、無背景の顔写真で、裏に氏名と撮影年月日を書きます(施行規則3条3項)。顔の大きさは3センチメートル以上です。
サンダルで運転してもいいですか
東京都道路交通規則8条2号は、木製サンダルやげたなど、運転操作に支障を及ぼすおそれのある履物で運転しないことを定めています。それ以外のサンダルが当たるかどうかは条文からは判断できません。勤める会社の決まりに従ってください。
制服代を給料から引かれることはありますか
給料から差し引けるのは、法令に別の定めがある場合か、労働者の過半数で組織する労働組合などとの書面の協定がある場合です(労働基準法24条1項)。作業用品などを負担させる定めは、常時10人以上の会社では就業規則に書く事項です(89条5号)。
乗務中の服装はだれかに見られていますか
東京では、東京タクシーセンターが委嘱する利用者モニターが、接客態度、地理知識、運転操作、車内の状況、服装・身だしなみの5項目で通報し、会社の評価に使われています。評価されるのは運転者個人ではなく会社です。
二種免許の取り方はどこで分かりますか
二種免許の条件と取り方は二種免許の取り方の記事にまとめています。
まとめ
タクシー運転手の服装は、法律が細かく決めているものではありません。決まりの多くは会社が作ります。
- 運転者の服装を名指しした条文は、運輸規則50条1項10号の「運転操作に円滑を欠くおそれがある服装をしないこと」
- 東京では、木製サンダルやげたなどの履物で運転しない(東京都道路交通規則8条2号)
- 制服や身だしなみの決まりは、服務の規律として会社が定める(運輸規則41条)
- 東京では運転者証を前面ガラスの内側に表示。申請用写真は縦6cm×横4cm、無帽・正面・無背景
- 東京タクシーセンターの講習と研修は「ふさわしい、服装・身だしなみ」を求めている
- 利用者モニター評価の5項目の1つが「服装・身だしなみ」
- 制服の費用を負担させるなら労働条件として示し、給料から差し引くには法令か書面の協定が要る
制度と数字は、ここに書いた2026年9月24日の時点のものです。応募する会社の制服の扱いと身だしなみの決まりは、面接で自分の目と耳で確かめてください。




