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免許と会社の義務はe-Govの法令の原文、採用の考え方は厚生労働省の公正採用選考のページと履歴書様式例、給料は厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和7年)の原表、売上は東京ハイヤー・タクシー協会の資料です。いずれも2026年9月24日に確認しています。
「中卒でもタクシー運転手になれるのだろうか」「高卒だと大卒より給料が低いのではないか」。タクシーの仕事を考えたとき、学歴が気になって一歩を踏み出せない人は少なくないと思います。
先に結論を書くと、タクシー運転手に必要な二種免許の受験資格は年齢と免許を持っていた期間で決まり、条文に学歴の文言はありません。一方で「学歴で給料の違いは全くない」と言い切れる統計もありません。国の賃金統計はタクシー運転者を学歴別に分けておらず、近い区分では大学と高校のあいだに小さな差が出ています。
学歴を気にする人の不安は、大きく2つに分かれると思います。1つは「そもそも採用してもらえるのか」、もう1つは「入ったあとに学歴で給料や扱いに差がつかないか」です。この記事は、その2つを分けて確かめます。
この記事では、法令の条文、厚生労働省が示す採用の考え方、賃金構造基本統計調査の学歴別の原表を順に見ていきます。最後に、筆者が都内で乗務していた2018年から2020年ごろの記録と、そのころに感じたことも書いておきます。

結論 → 学歴で道は閉ざされないが、給料の差がゼロとも言えない
- 二種免許の受験資格は21歳以上で免許の期間が通算3年以上。特例の教習を修了すれば19歳以上、1年以上から受けられる。確認した条文に学歴の文言はない
- 会社が新人を運転者にする前に義務づけられているのは、指導と適性診断。ここにも学歴の文言はない
- 厚生労働省は、採否を適性と能力で決めるよう求めている。ただし本人の学歴は、国の履歴書様式例にも書く欄がある
- 国の賃金統計には、タクシー運転者だけを学歴別に分けた表がない
- バス・タクシーなどの会社では、大学と高校の月給(所定内給与)の差が26.1千円。全産業の99.1千円の3分の1以下
- タクシーの給料を大きく動かすのは、学歴より売上と会社の歩合の決まり
以下、それぞれの根拠を原文で確かめます。タクシーの仕事そのものの流れはタクシー運転手の仕事内容で、年収の全体像はタクシー運転手の年収で詳しく書いています。
タクシー運転手になる条件に学歴はあるか
まず、タクシー運転手になるまでに通る関門を、法令の順に見ていきます。二種免許を取る、会社に雇われる、会社の指導と診断を受ける、地域によっては登録を受ける、という流れです。それぞれに何が求められているかを、条文の原文で確かめます。
二種免許の受験資格は年齢と免許の期間
お客さんを乗せてお金をもらう運転には、第二種運転免許(二種免許)が要ります。受験資格を決めているのは道路交通法96条5項です。1号の原文はこうです。
「二十一歳(政令で定める教習を修了した者…にあつては、十九歳)以上の者で、大型免許、中型免許、準中型免許、普通免許又は大型特殊免許を現に受けている者に該当し、かつ、これらの免許のいずれかを受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して三年…以上のもの」
条件は年齢と免許を持っていた期間の2つだけで、学歴や職歴の文言はありません。免許の期間は、免許停止になっていた期間を除いて通算します。
| 条件 | 原則 | 特例 |
|---|---|---|
| 年齢 | 21歳以上 | 特例の教習を修了すれば19歳以上 |
| 普通免許などを持っていた期間 | 通算3年以上 | 特例の教習で1年以上。決まった経験があれば2年以上 |
| 学歴 | 条文に文言なし | 条文に文言なし |
2年でよい「決まった経験」は、道路交通法施行令34条に書かれています。旅客自動車の運転者以外の乗務員として2年以上乗務した人と、自衛官として自衛隊の車を2年以上運転した人です。

19歳から受けられる特例の教習
警察庁の説明によると、2022年5月13日から、特別な教習を修了すれば「19歳以上であり、かつ、普通免許等を受けていた期間が通算して1年以上あれば」二種免許の試験を受けられるようになりました。
教習は2種類あります。年齢の特例には適性(自己制御能力)の教習を7時限以上、経験年数の特例には技能(危険予測と回避)の教習を29時限以上受けます。特例で取った人は、21歳になるまで「若年運転者期間」となり、その間に一定の違反をすると講習を受けなければなりません。ここにも学歴の条件はありません。

年齢の面から見た条件はタクシー運転手は何歳からなれるかで、免許の取り方と費用は二種免許の取り方と費用でまとめています。
試験で問われるのは学校の勉強ではない
学歴が気になる人の中には「試験に受かるだろうか」と心配する人もいると思います。道路交通法97条は、運転免許試験で見るものを、運転に必要な「適性」「技能」「知識」としています。
道路交通法施行規則25条によると、学科試験は択一式か正誤式で、合格基準は「九十パーセント以上の成績」です。普通二種の技能試験の合格基準は、24条で80パーセント以上とされています。問われるのは交通の決まりと運転の技能で、学校の教科の試験ではありません。
東京23区と武蔵野市、三鷹市でタクシー運転者になるには、このほかに東京タクシーセンターの試験に受かる必要があります。2024年2月29日の改正で地理の科目がなくなり、いまは「タクシー事業に係る法令、安全及び接遇に関する試験」です。筆記で45問出題され、36問以上の正解(正答率80%)で合格です。

会社が運転者に選ぶ前にすること
二種免許を取っただけでは、すぐにタクシーに乗れるわけではありません。旅客自動車運送事業運輸規則36条2項は、タクシー会社に次のように求めています。
「新たに雇い入れた者については…指導、監督及び特別な指導を行い、並びに適性診断を受診させた後でなければ…運転者として選任してはならない。」
さらに39条は、営業区域の地理と、お客さんへの応対について「適切な指導監督を怠つてはならない」としています。会社に求められているのは指導と適性診断で、学歴の文言はありません。なお、雇い入れの日の前2年以内に同じ営業区域でタクシー運転者として通算九十日以上乗っていた人は、この手順の対象から外れます。
同じ36条の1項は、運転者に選んではいけない人も決めています。「一日日雇い入れられる者」「二月以内の期間を定めて使用される者」「試みの使用期間中の者(十四日を超えて引き続き使用されるに至つた者を除く。)」などです。ここで見られているのは雇い方の形で、学歴ではありません。

二種免許は、会社によっては入社してから会社の費用で取る制度があります。条件は会社ごとに違うので、応募の段階で確かめてください。入社後の研修の中身はタクシー会社の研修に書いています。
学歴の代わりに会社が確かめること
運転者に選ぶ前の指導の中身は、国土交通省の告示(第1676号)で決まっています。新しく雇った人への特別な指導は、安全な運転の基本、車の特性と日常点検、運行とお客さんの安全、危険の予測と回避、安全装置のある車の運転の5つで、タクシーは「①から⑤までについて合計6時間以上実施すること」とされています。

同じ告示は、新しく雇った人について「無事故・無違反証明書又は運転記録証明書等により、雇い入れる前の事故歴を把握」するよう会社に求めています。適性診断はナスバの初任診断が代表的で、診断時間は約1時間40分、手数料は4,800円です。結果をもとに、カウンセラーが事故を防ぐための留意点などを助言します。
東京などの登録制度の対象地域では、タクシー業務適正化特別措置法により、登録を受けた人でなければ運転者として乗務させてはいけません。登録には決められた講習の修了が要ります。会社が確かめるのは、これまでの運転の記録と、安全に乗務できるかどうかです。どれにも学歴の文言はありません。

確認した条文の範囲
この記事で確認したのは、道路交通法96条と86条、施行令34条、運輸規則36条、38条、39条と、上の告示、タクシー業務適正化特別措置法の3条と7条です。これらの条文には学歴を要件とする文言がありません。
ただし、法令のすべてを調べたわけではありません。また、会社が自分で採用の条件を決めることはありえます。法令に学歴の条件がなくても、採るかどうかを最後に決めるのは会社です。

面接で学歴はどう扱われるか
法令に学歴の条件がなくても、実際の採用は会社の面接で決まります。ここでは、国が採用する側に示している考え方を見ます。タクシー会社に限らず、すべての会社に向けたものです。
国は採否を適性と能力で決めるよう求めている
厚生労働省の公正な採用選考の基本は、採用選考を「応募者の基本的人権を尊重すること」「応募者の適性・能力に基づいた基準により行うこと」の2点を基本に行うよう求めています。
そのうえで「応募者に広く門戸を開くこと」と「応募者のもつ適性・能力が求人職種の職務を遂行できるかどうかを基準として採用選考を行うこと」を求め、「家族や生活環境に関することなどといった、応募者の適性・能力とは関係のない事項で採否を決定しない」ことが公正な採用選考だと説明しています。
面接についても「あらかじめ質問項目や評価基準を決めておき、適性と能力に関係のない事項を尋ねないよう留意しましょう」と書かれています。公正採用選考の特設サイトのトップには「公正な採用選考に必要なのは、その人の適性と能力です。」とあります。

14事項にある学歴は家族の学歴
同じ特設サイトの採用選考時に配慮すべき事項には、就職差別につながるおそれがある14事項が並んでいます。そのうち学歴が出てくるのは「家族に関すること(職業・続柄・健康・病歴・地位・学歴・収入・資産など)」です。
ほかに、本籍や出生地、住宅の状況、生活環境や家庭環境といった「本人に責任のない事項」、宗教や支持政党、思想、尊敬する人物、購読新聞や愛読書といった「本来自由であるべき事項」、身元調査などの「採用選考の方法」が挙げられています。ページには「これらに限られるわけではありません」とも書かれています。
つまり、14事項で挙げられているのは家族の学歴で、応募者本人の学歴はここに書かれていません。ネットでは「面接で学歴を聞くのは違法」と書かれることがありますが、少なくともこのページからはそうは読めません。なお、ハローワークが令和6年度に把握した不適切な事例は854件で、その多くを家族に関する質問が占めています。

国の履歴書の様式例にも学歴の欄はある
厚生労働省は、日本規格協会がJIS規格の解説から履歴書の様式例を削除したのを受けて、厚生労働省履歴書様式例を作りました。この様式例には「学歴・職歴」の欄があります。
作成時の説明では、性別を任意の記入にし、「通勤時間」「扶養家族数(配偶者を除く)」「配偶者」「配偶者の扶養義務」の4項目を設けないことにしています。学歴の欄は残っています。
面接で学歴を聞かれたときは、事実をそのまま答えれば十分だと筆者は考えます。そのうえで、免許を持っている期間や無事故の期間、なぜタクシーの仕事を選んだのかを自分の言葉で伝えるほうが、国の言う「適性と能力」の話につながります。
まとめると、タクシー会社の面接で学歴を書いたり聞かれたりすることはありえます。ただ、国の考え方としては、採るかどうかの決め手は仕事をこなせる適性と能力です。面接での受け答えはタクシー会社の面接で書いています。

学歴で給料は変わるのか(国の賃金統計)
次に、入ったあとの給料の話です。学歴で給料が変わるかどうかは、感覚ではなく統計で確かめるしかありません。ここでは、国がいちばん大きな規模で賃金を調べている統計を使います。
タクシー運転者の学歴別の表はない
給料を学歴別に比べられる国の統計は、厚生労働省の賃金構造基本統計調査です。調査の概要によると、学歴は「中学、高校、専門学校、高専・短大、大学、大学院及び不明」に分けて集計しています。
大学は「通算修業年限がおおむね16年程度である学歴」で、会社が最終学歴を把握していない人や回答がない人は「不明」に入ります。給与は令和7年6月分、賞与は前の年1年間の額です。
ところが、学歴別の表は職種の大分類までしかありません。職種の一覧でタクシー運転者は小分類の1612番で、大分類の「輸送・機械運転従事者」に入ります。小分類のタクシー運転者の表には、年齢別や経験年数別はありますが、学歴別はありません。
つまり、タクシー運転者だけを学歴別に分けた公的な数字は、この調査からは出せません。そこでこの記事では、タクシーを含む2つの区分で見ます。1つは職種で分けた「輸送・機械運転従事者」、もう1つは会社の業種で分けた「道路旅客運送業」(バスやタクシーの会社)です。

全産業では大学は高校の1.33倍
比べる基準として、まず全産業を見ます。平均年齢は高校46.8歳、大学41.8歳で、大学の人のほうが5歳ほど若い集団です。
産業計の表(民営事業所、男女計、企業規模10人以上)で、毎月決まって払われる所定内給与は、高校297.2千円、大学396.3千円です。大学は高校の1.33倍で、差は99.1千円あります。
厚生労働省の概況でも同じ数字が示されていて、男性は高校321.7千円と大学429.6千円、女性は高校245.0千円と大学327.4千円です。女性の大学は、男性の高校と近い水準です。学歴別の平均は、男女の割合によっても動くことが分かります。


運転の仕事では差が小さい
タクシー運転者を含む輸送・機械運転従事者では、所定内給与が高校296.3千円、大学335.6千円です。大学は高校の1.13倍、差は39.3千円です。この区分にはバスやトラック、電車の運転士なども入っています。平均年齢は高校51.7歳、大学48.3歳、勤続年数は高校12.9年、大学9.3年で、大学の人のほうが若く勤続も短いのに、月給は少し高いという形です。

会社の業種で分けた道路旅客運送業では、高校283.8千円、大学309.9千円で、大学は高校の1.09倍、差は26.1千円です。3つの区分を並べるとこうなります。
| 学歴 | 全産業 | 輸送・機械運転従事者 | 道路旅客運送業 |
|---|---|---|---|
| 中学 | 287.6 | 291.3 | 272.5 |
| 高校 | 297.2 | 296.3 | 283.8 |
| 専門学校 | 313.7 | 306.2 | 308.2 |
| 高専・短大 | 321.2 | 301.3 | 257.0 |
| 大学 | 396.3 | 335.6 | 309.9 |
| 大学院 | 517.4 | 477.0 | 383.0 |
単位は千円で、令和7年6月分の所定内給与です。厚生労働省の用語の定義では、所定内給与額を、6月分として支給された現金給与額(きまって支給する現金給与額)から、時間外勤務手当、深夜勤務手当、休日出勤手当、宿日直手当、交替手当を差し引いた額で、所得税などを引く前の額としています。つまり、残業代や深夜の手当、賞与を含まない、税金を引く前の月の給与です。
タクシーは深夜に走ることが多い仕事なので、深夜勤務手当などを含むきまって支給する現金給与額で見ると、月給はもう少し高くなります。道路旅客運送業の学歴計では、所定内給与292.0千円に対して、きまって支給する現金給与額は344.5千円です。

| 区分 | 大学 | 高校 | 差 | 大学÷高校 |
|---|---|---|---|---|
| 全産業 | 396.3 | 297.2 | 99.1 | 1.33倍 |
| 輸送・機械運転従事者 | 335.6 | 296.3 | 39.3 | 1.13倍 |
| 道路旅客運送業 | 309.9 | 283.8 | 26.1 | 1.09倍 |
中学と高校の差も見ておきます。所定内給与で、全産業は9.6千円、輸送・機械運転従事者は5.0千円、道路旅客運送業は11.3千円です。中学と大学の差は、それぞれ108.7千円、44.3千円、37.4千円でした。運転の仕事では、どの学歴どうしを比べても全産業より差が小さくなっています。
運転の仕事やバス・タクシーの会社では、学歴による月給の差が全産業の3分の1以下です。ただ、差はゼロではありません。旧版に書いた「高学歴だろうと高卒だろうと給料に違いは全くありません」は、この数字からは言えないので訂正します。

年収にすると
月の給与(きまって支給する現金給与額)の12か月分に年間の賞与を足して、年収にしてみます。全産業では高校473.9万円、大学647.9万円で、差は約174.0万円です。道路旅客運送業では高校440.2万円、大学472.0万円で、差は約31.9万円です。輸送・機械運転従事者では差が約46.6万円でした。
| 学歴 | 全産業 | 輸送・機械運転従事者 | 道路旅客運送業 |
|---|---|---|---|
| 中学 | 439.1万円 | 457.3万円 | 414.5万円 |
| 高校 | 473.9万円 | 477.6万円 | 440.2万円 |
| 専門学校 | 489.7万円 | 493.1万円 | 487.7万円 |
| 高専・短大 | 514.8万円 | 497.8万円 | 398.5万円 |
| 大学 | 647.9万円 | 524.2万円 | 472.0万円 |
| 大学院 | 876.4万円 | 777.8万円 | 561.0万円 |
輸送・機械運転従事者では、中学と高校の年収(457.3万円と477.6万円)が全産業の中学と高校(439.1万円と473.9万円)より高くなっています。ただし、輸送・機械運転従事者は月の超過時間が高校26時間、大学23時間で、全産業(高校13時間、大学11時間)より長く、残業代などが年収を押し上げている面もあります。

働く時間と賞与は学歴でどう違うか
道路旅客運送業の表から、月の労働時間と年間の賞与も並べます。
| 学歴 | 平均年齢 | 勤続年数 | 所定内時間 | 超過時間 | 年間賞与(千円) |
|---|---|---|---|---|---|
| 中学 | 60.6歳 | 13.7年 | 168 | 21 | 293.8 |
| 高校 | 56.9歳 | 11.3年 | 168 | 23 | 363.6 |
| 専門学校 | 50.1歳 | 9.3年 | 170 | 26 | 493.3 |
| 高専・短大 | 50.3歳 | 10.6年 | 167 | 15 | 485.8 |
| 大学 | 51.5歳 | 7.3年 | 169 | 23 | 376.2 |
高校と大学では、所定内の労働時間が168時間と169時間、超過の時間はどちらも23時間で、働く時間はほぼ同じです。年間の賞与は高校363.6千円、大学376.2千円で、専門学校の493.3千円のほうが多くなっています。賞与については、学歴が高いほど多いという並びにはなっていません。

バス・タクシーなどの会社で働く人の学歴
道路旅客運送業で働く人の学歴を、学歴が分かっている人(全体の91.7%)を100として割合にしました。
| 学歴 | 道路旅客運送業 | 全産業 |
|---|---|---|
| 中学 | 5.3% | 2.2% |
| 高校 | 57.9% | 36.0% |
| 専門学校 | 13.1% | 14.5% |
| 高専・短大 | 2.6% | 8.4% |
| 大学 | 20.9% | 34.7% |
| 大学院 | 0.3% | 4.2% |
人数に直すと、道路旅客運送業で働く人は約318,060人で、そのうち高校が約168,870人、大学が約60,850人、中学が約15,340人です。大学を出た人も、決して少なくありません。
中学と高校を合わせると63.2%です。全産業では大学が34.7%なので、バスやタクシーの会社は高校までの学歴で働いている人が多い業界だと分かります。タクシーを含む輸送・機械運転従事者では、高校だけで69.3%です。

平均の差を読むときの注意
ここまでの数字は、学歴ごとの平均どうしを比べたものです。平均には、年齢や勤続年数、会社の規模、男女の割合の違いが混ざっています。道路旅客運送業では、高校の人の平均は56.9歳で勤続11.3年、大学の人は51.5歳で勤続7.3年と、年齢も勤続もかなり違います。
また、道路旅客運送業は会社の業種で分けた数字なので、事務や整備の仕事をする人も入っています。高専・短大が257.0千円と低いことや、大学院が約1,010人と少なくて振れやすいことも含めて、学歴が差の原因とは言い切れません。理由が表から分からないところは、推測で説明しないでおきます。

平均を自分に当てはめるときの考え方
統計の平均は、たくさんの人の給料をならした数字です。バス・タクシーなどの会社で大学と高校の差が26.1千円あるといっても、高校を出た人がみな大学を出た人より26.1千円少ないわけではありません。
とくにタクシーは、給料の多くが売上に連動する歩合の仕事です。同じ会社、同じ学歴でも、売上しだいで給料は人によって大きく変わります。筆者は、学歴による平均の差より、1日の売上の差のほうが給料に与える影響は大きいと考えています。この点は、次の章の経験年数や売上の数字で確かめます。
数字の幅を並べると分かりやすいと思います。タクシー運転者の所定内給与は、経験年数で分けると1〜4年の330.0千円から15年以上の273.6千円まで開きがあります。学歴による月給の平均の差の26.1千円は、この経験年数による幅より小さくなっています。月給とは単位が違いますが、筆者の最初の100乗務でも、1回の売上はいちばん多い日で91,710円、いちばん少ない日で41,690円と、日によって大きく動きました。ただし、これも平均と1人の記録を並べたもので、学歴の影響がないと言い切れるものではありません。
学歴で変わること、変わらないこと
ここまでの内容を1つの表にまとめます。
| 項目 | 学歴による違い | 根拠 |
|---|---|---|
| 二種免許の受験資格 | 違いなし(条文に文言なし) | 道路交通法96条 |
| 会社が運転者に選ぶ前の手順 | 違いなし(指導と適性診断) | 運輸規則36条、告示 |
| 免許とタクシーの試験 | 違いなし(交通とタクシーの決まり) | 施行規則25条ほか |
| 履歴書 | 本人の学歴を書く欄がある | 厚生労働省履歴書様式例 |
| 月給の平均(バス・タクシーなどの会社) | 大学と高校で26.1千円の差 | 賃金構造基本統計調査 |
| 月の労働時間 | 高校と大学でほぼ同じ | 賃金構造基本統計調査 |
| 年間の賞与 | 学歴の順にはなっていない | 賃金構造基本統計調査 |
学歴で違いが出るのは、統計の平均の月給だけで、その差も全産業よりずっと小さいことが分かります。
タクシーの給料を大きく動かすもの
ここまでで、学歴による月給の差は運転の仕事では小さいことが分かりました。では、タクシーの給料を大きく動かすのは何か。経験年数、売上、歩合の決まり、法律の順に見ます。
経験年数で上がる形になっていない
タクシー運転者については、経験年数別の表があります。所定内給与を並べるとこうなります。
| 経験年数 | 所定内給与(千円) | 年間賞与(千円) | 所定内×12+賞与 |
|---|---|---|---|
| 0年 | 307.0 | 21.9 | 370.6万円 |
| 1〜4年 | 330.0 | 216.9 | 417.7万円 |
| 5〜9年 | 315.3 | 287.7 | 407.1万円 |
| 10〜14年 | 310.3 | 193.6 | 391.7万円 |
| 15年以上 | 273.6 | 186.1 | 346.9万円 |
年間賞与は前の年1年間の額なので、経験0年の人は前の年に在籍していなかったなどの理由で、21.9千円と少なくなっていると考えられます。一方、所定内給与は経験0年でも307.0千円で、15年以上の273.6千円より33.4千円多くなっています。15年以上の人には年齢の高い人が多いなど、ほかの事情も混ざっていますが、少なくとも長く勤めるほど上がる形にはなっていません。
全国ハイヤー・タクシー連合会の資料にも「歩合給制度では、経験年数に応じて賃金が段階的に上昇する仕組みは一般的に取り入れられておらず」と書かれています。タクシー運転者全体の平均は、令和7年の表で年齢56.8歳、勤続8.3年、年収は計算で450.8万円です。
| 項目 | タクシー運転者(全国、令和7年) |
|---|---|
| 平均年齢 | 56.8歳 |
| 勤続年数 | 8.3年 |
| きまって支給する現金給与額 | 359.2千円 |
| 所定内給与 | 306.4千円 |
| 年間賞与 | 197.8千円 |
| 労働者数 | 170,210人 |
| 年収(計算) | 450.8万円 |
東京都のタクシー運転者に限ると570.4万円で、どこで乗るかでも大きく変わります。

未経験から始める場合の具体的な流れは未経験からタクシー運転手になるにはに書いています。
売上は東京で1日1車62,731円
東京ハイヤー・タクシー協会の資料によると、東京23区と武蔵野市、三鷹市の法人タクシーの実働1日1車あたりの運送収入(消費税込み)は、令和7年度で62,731円でした。筆者が乗務していたころと同じ平成30年度は51,582円で、そこから11,149円、1.22倍に増えています。外出が減った令和2年度は38,011円まで下がっていて、売上は世の中の動きにも左右されます。
「実働1日1車あたり」は、実際に営業に出た車1台が1日に稼いだ運送収入の平均という意味です。これは1台の車が1日に売った額の平均で、1人の運転者の1回の乗務の額とは限りません。この売上の統計には、学歴の区分はありません。お客さんが運転手の学歴を知って乗るわけではないので、売上は乗せた回数と距離で積み上がります。それでも、旧版に書いた「東京都のタクシー運転手の平均売上は4〜5万です」は、当時でも実際より低い数字でした。訂正します。

給料は売上に会社の歩合の決まりをかけて決まる
タクシーの給料は、売上に会社の決めた歩合をかけて計算する形が多くあります。国土交通省などが運営する働きやすい職場認証制度のページでは、B型賃金を「売上から諸経費を差し引いて、歩合率をかけたものが収入となります」と説明し、「総売上の50〜60%というところが多い傾向です」としています。
固定給と歩合給を組み合わせたAB型については「近年、タクシー会社で多く取り入れられている給与体系」としつつ、「固定給と歩合給の割合は企業によって異なります」と書いています。旧版の「その中から60%が自分の給料になる」は、法律の決まりではなく会社ごとの歩合率の話です。

歩合の仕組みはタクシーは稼げるのか、歩合の仕組みで詳しく書いています。
法律で決まっているのは保障給
労働基準法27条は、「出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない」としています。
タクシーについては、厚生労働省の通達(基発1223第3号、令和4年12月23日)が「固定的給与と併せて通常の賃金の6割以上の賃金が保障されるよう保障給を定めるものとすること」と定めています。同じ通達は「6割以上の固定的給与を設けなければならないという趣旨ではないこと」とも書いています。また、売上が上がるほど歩合率が上がる累進歩合制度は「廃止すべきであること」とされています。
法律で6割と決まっているのは、この保障給の話です。売上の6割が給料になるという意味ではないので、混同しないでください。

筆者の記録 → 最初の100乗務
統計は大勢の平均なので、1人の運転者の給料が何で動くのかは見えにくいところがあります。そこで、筆者1人の記録も載せておきます。学歴ではなく売上で給料が動く仕事だということが、具体的な数字で分かると思います。
ここからは筆者自身の話です。筆者は2018年4月5日から都内で乗務を始め、12月16日に100回目の乗務を終えました。東京23区と武蔵野市、三鷹市での隔日勤務です。業務日報の控えを集計した結果を載せます。
| 乗務の回 | 1回あたりの売上の平均 |
|---|---|
| 1〜25回 | 57,399円 |
| 26〜50回 | 66,284円 |
| 51〜75回 | 59,942円 |
| 76〜100回 | 64,848円 |
100回の売上の合計は6,153,130円でした。早退した1回を除く99回の平均は62,091円、中央値は60,620円、いちばん多かった日は91,710円、いちばん少なかった日は41,690円です。同じ平成30年度の東京の平均51,582円と比べると1.20倍でした。

最初の25回と最後の25回を比べると、平均の売上は1.13倍で、差は7,449円です。拘束1時間あたりでは3,127円から3,641円へ1.16倍になりました。乗務の時間は平均で33分短くなっているので、長く乗ったから伸びたわけではありません。

当時の筆者は、歩合の仕事について「さぼればさぼった分だけ給料が減り、貪欲に仕事をすれば給料が上がる。そこが良いところでもある」と考えていました。いまの数字で言い直すと、給料は売上と会社の歩合の決まりで決まり、保障給という下支えがある、ということです。
この売上を左右したのは、学歴ではなく、どの時間にどこを走るかの組み立てでした。100乗務の細かい記録は新人タクシー運転手の100乗務の売上にまとめています。筆者の記録は1人の例で、同じ売上になることを約束するものではありません。
学歴より先に問われること
法令で決まっているのは、二種免許、適性診断と新人への特別な指導、地理と接客の指導です。どれも、学校で何を学んだかではなく、安全に運転してお客さんに応対できるかを見るものです。
言いかえると、会社が採用や研修で見ているのは、安全に運転できるか、お客さんに正しく応対できるか、営業区域の道を覚えられるか、といったことです。どれも法令が会社に求める指導や適性診断で確かめられるもので、入る前の学校の成績を条件にしたものではありません。
そのうえで、筆者が都内で乗務していた2018年から2020年ごろに大事だと感じていたことを書いておきます。これは筆者1人の当時の考えで、どの会社でも通じると保証するものではありません。
- お客さんとのやりとり → 行き先や道順の希望を正しく聞き取る。短い会話でも気持ちよく過ごしてもらう
- 街と時間帯を読むこと → 曜日や時間帯でお客さんが多い場所は変わる。自分の乗務の記録を見返して傾向をつかむ
- どこを走るかの組み立て → 空車で走る時間を減らすために、次にどこへ向かうかを先に考えておく
- 売上を積み上げる根気 → 売上が伸びない日が続いても、記録を見て組み立てを直し続ける
- 事故を起こさない運転 → 速さではなく、無事故無違反で乗務を続けること
もう1つ、当時の筆者は「会社にとってありがたいのは、無事故無違反で仕事ができる運転手だ」と考えていました。速く走るうまさではなく、事故を起こさないうまさです。上で見た告示でも、会社は雇う前に事故歴を確かめることになっていて、この考えと重なります。

女性の場合の働き方は女性のタクシー運転手で、辞める人の多さと理由はタクシー運転手の離職率で書いています。
「学歴不問」の求人を読むときに
タクシーの求人には「学歴不問」と書かれたものが多くあります。これは、その会社が採用の条件に学歴を入れていないという意味です。法令でも、確認した範囲では学歴の要件はありません。
ただし、学歴を見ないからといって、誰でも採用されるわけではありません。二種免許の受験資格を満たすか(または入社後に取れるか)、これまでの事故歴、適性診断、特別な指導、地域によっては登録と講習と、確かめられることはいくつもあります。採るかどうかを最後に決めるのは会社です。
学歴が気になる人ほど、先に自分の免許の期間と運転の記録を確かめておくほうが役に立ちます。

応募する前に確かめたいこと
学歴を気にするより、給料の決まり方を会社ごとに確かめるほうが、入社後の違いにつながります。募集の要項と面接で、次の6つを確かめておくと安心です。
- 募集の条件に学歴の指定があるか
- 二種免許の取得費用を誰が持つか。途中で辞めたときの扱い
- 歩合率と、売上から差し引かれるもの
- 保障給はいくらか。入社直後の給与の保障はあるか
- 賞与の有無と、積み立ての仕組み
- 研修の期間と、その間の給料
特に歩合率と差し引かれるものは、同じ売上でも手取りを大きく変えます。求人に「月給」とだけ書かれていても、固定の部分と歩合の部分の割合は会社ごとに違います。入社してすぐは売上が安定しないことが多いので、入社直後の給与の保障があるかどうかも聞いておきたいところです。二種免許の費用を会社が持つ場合は、途中で辞めたときに返す決まりがあるかも確かめてください。

この記事で訂正したこと
この記事は2020年2月8日に公開したものを、2026年9月24日に書き直しました。以前の版には、根拠を示せない言い切りや、実際と違う数字がありました。主なものを並べます。
| 以前の版の記述 | いまの事実 |
|---|---|
| 東京都のタクシー運転手の平均売上は4〜5万です | 東京の実働1日1車あたりの運送収入は令和7年度62,731円。平成30年度でも51,582円(東京ハイヤー・タクシー協会) |
| 売り上げの約6割が自分の給料 | 歩合率は会社ごと。B型では総売上の50〜60%が多い傾向。法律で6割と決まっているのは保障給という別の決まり |
| 学歴も勤続年数も給料に直接関係しません | タクシー運転者の学歴別の統計はない。近い区分では大学と高校の月給の差が26.1千円(全産業は99.1千円) |
| 高学歴だろうと高卒だろうと給料に違いは全くありません | 差は全産業より小さいが、ゼロとは言えない。平均には年齢や勤続の違いも混ざる |
| どんな学歴の方でも運転免許を持っていれば採用されます | 必要なのは二種免許(21歳以上、免許の期間3年以上。特例あり)と会社の審査。採るかどうかは会社が決める |
| 学歴は関係無く正社員になれます | 雇用の形は会社との契約しだい。確認した条文に学歴の要件はない |
以前の版は「学歴は全く関係ない」という結論を、筆者の感覚だけで言い切っていました。書き直した版では、採用の条件については法令の条文で、給料については国の統計で確かめ、言えることと言えないことを分けています。筆者の考え(お客さんとのやりとり、街の分析、組み立て、根気、事故を起こさない運転)は、当時の考えとして時期を付けて残しました。

よくある質問
中卒でもタクシー運転手になれますか
二種免許の受験資格は年齢と免許を持っていた期間で決まり、確認した条文に学歴の文言はありません。バスやタクシーの会社で働く人のうち、学歴が中学の人は5.3%います。ただし採るかどうかは会社が決めるので、募集の条件に学歴の指定がないかは確かめてください。
高卒と大卒でタクシー運転手の給料は違いますか
タクシー運転者だけを学歴別に分けた国の統計はありません。近い区分の道路旅客運送業(バスやタクシーの会社)では、月の所定内給与が高校283.8千円、大学309.9千円で、差は26.1千円です。全産業の差99.1千円よりは小さいものの、ゼロではありません。平均には年齢や勤続の違いも混ざっています。
面接で学歴を聞かれることはありますか
ありえます。厚生労働省の履歴書様式例にも学歴と職歴の欄があります。就職差別につながるおそれがある14事項に出てくる学歴は、家族の学歴です。国は、採るかどうかを仕事の適性と能力で決めるよう求めています。
「学歴不問」の求人なら、誰でも採用されますか
学歴不問は、学歴を条件にしていないという意味で、採用が約束されているわけではありません。会社は、二種免許の受験資格、雇い入れる前の事故歴、適性診断などを確かめます。採るかどうかは会社が決めます。
高校を中退していても大丈夫ですか
確認した法令の条文には、学歴を要件とする文言がありません。最終学歴が中学になる場合でも、条文の上では二種免許の受験資格や運転者に選ぶ手順は変わりません。募集の条件に学歴の指定がないかだけ、応募の前に確かめてください。
大卒でタクシー運転手になるのはもったいないですか
もったいないかどうかは人それぞれで、この記事では決められません。数字で言えるのは、バス・タクシーなどの会社で働く人のうち大学の人が20.9%いること、そこでの大学と高校の月給の差が26.1千円で全産業より小さいことです。給料を大きく動かすのは、学歴より売上と歩合の決まりです。
最終学歴を書かないといけませんか
国の履歴書様式例には学歴と職歴の欄があるので、書くのが一般的です。書き方の指定は会社ごとに違うことがあるので、募集の要項に従ってください。
学歴がないと出世や管理職になれませんか
この点を示す公的な統計は見当たりませんでした。役職の決め方は会社ごとに違うので、この記事では言い切りません。気になる人は、面接で役職への登用の仕組みを聞いてみてください。
タクシー会社の事務の仕事では学歴を見られますか
以前の版では「内勤の方だと学歴を見ている場合もある」と書いていましたが、これを裏づける統計は見当たりませんでした。道路旅客運送業の統計には事務の人も入っていますが、職種で分けた学歴別の数字はありません。会社ごとの採用の考え方によるので、応募する会社の募集の条件で確かめてください。
二種免許の試験は難しいですか
学科試験の合格基準は90%以上、技能試験は80%以上です。問われるのは交通の決まりと運転の技能で、学校の教科の知識ではありません。東京では、ほかに法令、安全、接遇の試験(45問中36問以上で合格)があります。
女性でも学歴は関係ありませんか
二種免許の受験資格や、会社が運転者に選ぶ前の手順は、男女で違いがありません。全産業の月給では女性も大学のほうが高く(高校245.0千円、大学327.4千円)、この差は男性と同じく平均どうしの比較です。女性の働き方は女性のタクシー運転手で詳しく書いています。
40代や50代で学歴に自信がなくても転職できますか
年齢と学歴は別の話です。二種免許の受験資格は21歳以上という下限だけで、確認した条文に上限や学歴の条件はありません。バス・タクシーなどの会社で働く高校の人の平均年齢は56.9歳です。年齢の面はタクシー運転手は何歳からなれるかでまとめています。
入社後に学歴で昇給や配属に差がつくことはありますか
この点を示す公的な統計は見当たりませんでした。国の統計で言えるのは、タクシー運転者の月給が経験年数で段階的に上がる形になっていないことと、歩合の仕事なので売上で給料が動くことです。昇給や配属の決まりは会社ごとなので、面接で聞いてみてください。
学歴に自信がない人は、どんな会社を選べばよいですか
学歴より、給料の決まり方と入社直後の支えで選ぶのがおすすめです。歩合率と差し引かれるもの、保障給、入社直後の給与の保障、二種免許の費用、研修の期間とその間の給料を、募集の要項と面接で確かめてください。この記事の「応募する前に確かめたいこと」にまとめています。
タクシー運転手の給料は何で決まりますか
多くの会社では、売上に会社の決めた歩合率をかけて計算します。B型では総売上の50〜60%のところが多い傾向とされています。法律では、歩合の給料でも労働時間に応じた保障給を決めることになっていて、通達で通常の賃金の6割以上とされています。
長く勤めると給料は上がりますか
国の統計では、タクシー運転者の所定内給与は経験0年で307.0千円、15年以上で273.6千円です。全国ハイヤー・タクシー連合会の資料も、経験年数に応じて段階的に上がる仕組みは一般的ではないとしています。給料を動かすのは主に売上です。
何歳からタクシー運転手になれますか
二種免許は原則21歳以上で、普通免許などを通算3年以上持っていることが条件です。特例の教習を修了すれば、19歳以上で免許の期間が1年以上から受けられます。
まとめ
タクシー運転手は、学歴で道が閉ざされる仕事ではありません。ただし、給料の差が全くないとまでは言えません。
- 二種免許の受験資格は年齢と免許の期間。確認した条文に学歴の文言はない
- 会社が運転者に選ぶ前に義務づけられているのは、指導と適性診断
- 国は採否を適性と能力で決めるよう求めている。本人の学歴は履歴書様式例に欄がある
- 試験で問われるのは交通とタクシーの決まり。学科は90%以上、技能は80%以上で合格
- タクシー運転者の学歴別の統計はない
- バス・タクシーなどの会社で、大学と高校の月給の差は26.1千円。全産業の99.1千円より小さい
- バス・タクシーなどの会社で働く人は、中学と高校で63.2%
- 給料を大きく動かすのは売上と歩合の決まり。東京の1日1車の売上は令和7年度62,731円
- 法律で6割と決まっているのは保障給。売上の6割が給料という意味ではない
学歴に自信がないことを理由に、タクシーの仕事をあきらめる必要はないと筆者は考えます。ただし、それは「誰でも稼げる」という意味ではありません。給料の決まり方を会社ごとに確かめ、入ってからは売上の組み立てを考え続けることが大切です。
数字と制度は、ここに書いた2026年9月24日の時点のものです。賃金構造基本統計調査は毎年公表されます。応募する会社の給料の決まりは、面接で自分の目で確かめてください。




