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国土交通省の通達(令和6年3月29日。車両整備の通達は令和8年6月25日改正の版)、事務連絡(令和8年2月26日)、国土交通白書(令和7年版・令和8年版)と、e-Gov の道路運送法・道路交通法・旅客自動車運送事業運輸規則・労働基準法の条文で、2026年9月26日に確認した内容です。走れる曜日や時間帯、募集の条件は地域と会社によって違い、変わることもあるので、応募する前に応募先と地方運輸局の案内を確かめてください。
「ライドシェアのドライバーなら、二種免許がなくても自分の車で稼げる」と聞いて、調べ始めた人は多いと思います。ところが検索して出てくるのは、ほとんどが運営会社や求人サイトの募集ページです。条件は「免許を取って1年以上」「2年間無事故」くらいしか書かれておらず、研修が何時間あるのか、どの時間帯に走れるのか、ガソリン代はだれが払うのかは、ページによってばらばらです。
日本版ライドシェアのドライバーの条件は、もともと国土交通省の通達と事務連絡に書かれています。この記事では、その原文を順番に読み、ドライバーとして働くときに関係するところだけを抜き出しました。将来この仕事がどうなるかはタクシー業界の将来性の記事、ライドシェアとタクシーの関係はライドシェアとタクシーの記事で扱っているので、ここでは「働く条件」に絞ります。
先に結論を書きます。日本版ライドシェアは、タクシー会社が国土交通大臣の許可を受け、タクシー会社の管理の下で一般のドライバーが自家用車で乗客を運ぶ仕組みです。ドライバーは一種免許でもよく、条件は、初心運転者期間(免許を受けて通算1年)を過ぎていること、従事する日の前2年間に無事故で免許の停止処分がないことです。そのうえで研修と適性診断を受け、乗務する日は点呼を受け、車は点検を受けます。走れるのは国が指定する曜日・時間帯と台数の範囲で、年齢と契約の形は国の通達には書かれていません。

日本版ライドシェアとは(道路運送法78条3号)
自家用車でお客さんを乗せてよい例外の1つ
自家用車でお客さんを乗せて運賃をもらうことは、原則として禁止されています。道路運送法78条は、次のように定めています(道路運送法 e-Gov)。
自家用自動車(事業用自動車以外の自動車をいう。以下同じ。)は、次に掲げる場合を除き、有償で運送の用に供してはならない。
例外として挙げられているのは3つです。1号が災害のため緊急を要するとき、2号が市町村やNPO法人などが行う自家用有償旅客運送(いわゆる公共ライドシェア)、3号が「公共の福祉を確保するためやむを得ない場合において、国土交通大臣の許可を受けて地域又は期間を限定して運送の用に供するとき」です。日本版ライドシェアは、この3号の許可にもとづく仕組みです。
国の説明と、許可を受けるのはだれか
国土交通省のタクシー事業についてのページは、この仕組みを次のように説明しています。
地域交通の「担い手」「移動の足」不足解消のため、令和6年3月、タクシー事業者の管理の下で、自家用車・一般ドライバーを活用した運送サービスの提供を可能とする自家用車活用事業を創設。
正式な名前は「自家用車活用事業」です。許可を申請するのは、この事業をしようとする法人タクシー事業者で、ドライバー個人が許可を受けるわけではありません(国土交通省 通達 国自安第181号等)。通達は運送の形についても、次のように定めています。
利用者と事業者の間で運送契約が締結され、事業者が運送責任を負うものであること。
つまり、お客さんと運送の契約を結び、責任を負うのはタクシー会社です。ドライバーは、タクシー会社と契約関係を結び、自分の自家用車を登録して運転します。通達は運送の形として、ほかにも次の決まりを並べています。
- 運送を引き受けるときに、発着地が確定していること
- 自家用車活用事業による運送であることについて、利用者の事前の承諾を得ていること
- 運賃と料金は、タクシー会社の事前確定運賃制度に準ずること
- 支払いは、原則キャッシュレスによること
- 発地か着地のどちらかが、タクシー会社が許可を受けている営業区域内にあること
ドライバーが受けるのは、乗る前に行き先と運賃が決まり、お客さんがライドシェアの車で運ばれることを承知している依頼です。許可の期間は2年間とされています。
ドライバーの条件は国の通達で決まっている
通達の原文
ドライバーの条件は、先ほどの通達の3.(2)に書かれています。①が本人の条件、②と③はタクシー会社がすることです。
①第一種運転免許(初心運転者期間にあるものを除く。)又は第二種運転免許を保有し、自家用車活用事業に従事する日前2年間において無事故(自動車の転覆、転落など、事故報告規則第2条に定める「事故」をいう。)であり、かつ、運転免許の停止処分を受けていないこと。
②事業者は、運輸規則第36条第2項の規定に基づき行うものと同様の研修(大臣認定講習を含む、ただし接遇等必要な研修科目の受講が必要)及び運輸規則第38条に基づき行うものと同様の指導監督を行うこと。
③事業者は、事業者の名称、自家用車ドライバーの氏名、運転免許証の有効期限及び作成年月日が記載された運転者証明(電磁的記録でも可)を自家用車ドライバーに対して発行し、携行させること。
ここで言う「事故」は、自動車の転覆や転落など、自動車事故報告規則2条に定める事故です。条件を満たすかどうか心配な人は、免許の点数と処分の記事も参考にしてください。

「初心運転者期間を除く」は免許を受けて通算1年
一種免許でよいとはいえ、免許を取ったばかりの人は乗務できません。初心運転者期間は、道路交通法100条の2で「当該免許を受けた日から当該免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して一年に達することとなる日までの間」と定められています(道路交通法 e-Gov)。普通免許を受けてから通算1年(免停の期間は数えない)を過ぎていることが、最初の条件です。
なお、道路交通法86条1項で二種免許が求められるのは「旅客自動車で旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で運転しようとする者」です。日本版ライドシェアでは、通達が運転者の条件を「第一種運転免許(初心運転者期間にあるものを除く。)又は第二種運転免許」と定めているので、一種免許のまま乗務できます。タクシーの運転手として働く場合は二種免許が必要で、取り方は二種免許の取り方の記事にまとめています。

年齢と契約の形は、国の通達に書かれていない
この記事で確認した通達と事務連絡(許可の取扱い、運行管理、車両整備、曜日・時間帯、運用改善の5本)には、年齢の上限や下限は書かれていません。契約についても、通達は「契約関係にある自家用車ドライバー」と書くだけで、雇用契約に限るとも、業務委託でよいとも書いていません。
2026年9月26日に検索上位に出た募集ページを読むと、タクシー会社にパートタイムなどで雇われる形の募集が中心でした。ほかの仕事でフルタイムで働く人には週あたりの時間の上限を設けている例もありました。年齢や契約の形、報酬は会社ごとに違うので、応募先で確かめてください。年齢の考え方はタクシー運転手の年齢の記事でも扱っています。

使う自家用車の条件
車の条件も同じ通達に書かれています。使えるのは乗車定員十人以下の自家用車で、タクシー会社が、契約関係にあるドライバーの車を登録します。登録する車の数に制限は設けないとされています。車には、事業に使う車であることを外から見えやすく表示し、タクシー会社の名称も外から分かるようにします。

応募から乗務を始めるまでの流れと研修
大臣認定講習を含む研修と適性診断
タクシー会社は、ドライバーに運輸規則36条2項にもとづくものと同様の研修を行います。運輸規則36条2項は、タクシー会社が新しく雇い入れた運転者について、指導や監督、特別な指導を行い、適性診断を受けさせた後でなければ運転者に選んではならない、という決まりです(旅客自動車運送事業運輸規則 e-Gov)。
ライドシェアの研修は、この研修と同様のもので、大臣認定講習を含み、接遇など必要な研修科目も受けます。運行管理の通達(国土交通省 通達 国自安第182号)は、新しくドライバーに選ぶ人には国土交通大臣が告示で定める適性診断を受けさせ、運輸規則38条2項に準じた指導監督を行うとしています。研修を終えると、会社名・氏名・免許の有効期限などが書かれた運転者証明が発行され、乗務のときに持ち歩きます。
運輸規則38条1項は、タクシー会社が運転者に「主として運行する路線又は営業区域の状態及びこれに対処することができる運転技術並びに法令に定める自動車の運転に関する事項について適切な指導監督をしなければならない。」と定めています。ライドシェアのドライバーも、これと同様の指導監督を受けることになります。
通達に出てくる手続きを、応募から乗務までの一例として並べると次のようになります。手続きの順番や、研修の時間数・日数は通達に書かれておらず、会社ごとに違います。

乗り始めたあとの教育は、一種は四半期ごと、二種は毎年
乗り始めてからの教育の頻度も決まっています。運行管理の通達の原文です。
自家用車ドライバーとして選任した者に対しては、旅客自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導及び監督の指針(平成13年12月3日 国土交通省告示第1676号、以下「指導監督指針」という。)第1章に定める項目を以下の頻度で教育すること。
頻度は、第一種運転免許を保有する自家用車ドライバーは四半期毎、第二種運転免許を保有する自家用車ドライバーは毎年です。一種免許の人のほうが、教育を受ける回数が多くなります。指導監督指針(国土交通省告示第1676号)の第1章には、事業用自動車を運転する場合の心構え、運行の安全と旅客の安全を確保するために守るべき基本的な事項、危険の予測と回避、健康管理の重要性などの項目が並んでいます。

乗務する日の決まりと車の点検
点呼を受けてから走り、記録を残す
乗務する日の決まりは、運行管理の通達に、タクシーの運輸規則に「準じて」行う形で並んでいます。ドライバーに関係する主なものは次のとおりです。
| 項目 | 通達の定め |
|---|---|
| 点呼 | 運輸規則24条に準じて行う。届出をすれば遠隔点呼・自動点呼もできる |
| 業務の記録 | 運輸規則25条3項・4項に準じて記録する |
| 運行の記録 | 運輸規則26条2項に準じて記録する。難しい場合は、GPSを搭載したスマートフォン等による距離と時間の記録で代えられる |
| 異常気象・過労防止 | 運輸規則20条・21条に準じる |
| 事故 | 自動車事故報告規則に準じて届け出て、運輸規則26条の2に準じて記録する |
| 乗務員台帳 | 運輸規則37条1項に準じてタクシー会社が作成し備え付ける |
| 応急用器具 | 運輸規則43条2項に準じて非常用信号用具を備える |
配車アプリを使わない形(電話などで依頼を受ける形)では、タクシー会社がドライバーに乗車地点と降車地点を伝えて配車できるかを確かめ、ルート、事前確定運賃の額、支払い方法を伝えます。ドライバーは運送が終わったら必ず運行管理者に報告し、現金払いの場合は売上金をタクシー会社に引き渡します(国土交通省 事務連絡 令和8年2月26日)。
こうした管理のため、タクシー会社は運行管理者を置きます。人数は、事業用自動車と稼働させることが可能な自家用車の合計を40で割って1を足した数以上です(1未満の端数は切り捨て)。登録するドライバーの車が増えれば、会社側で管理する人の数も増える決まりです。お酒の確認を含む点呼の考え方はタクシーのアルコールチェックの記事でも扱っています。

自家用車でも、点検と年次検査を受ける
使う車の点検は、車両整備の通達(国土交通省 通達 国自整第283号、令和8年6月25日改正)で決まっています。点検を行い、必要な整備をするのはタクシー会社です。
| 点検 | 内容 |
|---|---|
| 運行前点検 | 1日1回、自家用車活用事業に使う前に行う |
| 中間点検 | 3か月ごとに行う基本的な点検(年次点検で代えられる) |
| 年次点検 | 12か月ごとに行う詳細な点検 |
| 開始前点検 | 事業に使う前3月以内に行う(定期点検で代えられる) |
| 年次検査 | 車検に加えて、有効期間が切れる14か月前から12か月前までに、保安基準に合うかの確認を受ける |
点検の記録は、タクシー会社が2年間保存します。2か月続けて月15日未満または40時間未満しか使わなかった車は、次の中間点検を簡単な項目にできます。年次検査は、指定自動車整備事業者、自動車技術総合機構または軽自動車検査協会で受けるもので、初めて事業に使ってから1年たった日以後の最初の車検までは要りません。

走れる曜日・時間帯と台数
12交通圏は運輸局が不足する時間帯を公表
日本版ライドシェアは、いつでも好きな時間に走れる仕組みではありません。タクシーが足りない地域・曜日・時間帯と、足りない車の数を国土交通省が指定し、その範囲で走ります。決め方は、令和8年2月26日の国土交通省 事務連絡に書かれています。
配車アプリが普及している12交通圏(札幌交通圏、仙台市、県南中央交通圏(埼玉)、千葉交通圏、特別区・武三交通圏、京浜交通圏、名古屋交通圏、京都市域交通圏、大阪市域交通圏、神戸市域交通圏、広島交通圏、福岡交通圏)では、地方運輸局等が配車アプリのデータから、タクシーが不足する曜日と時間帯などを公表します。
それ以外の地域は、金曜日と土曜日の夜が基本
12交通圏以外で、タクシー会社が申し出る場合の基本は次のとおりです。
金曜日・土曜日の 16 時台から翌5時台をタクシーが不足する曜日・時間帯、当該営業区域のタクシー車両数の5%を不足車両数として運行を認める
根拠を添えて申し出れば広げることもできますが、使える車の数は、営業区域内のタクシー車両数の10%が上限です。都道府県のタクシー協会や自治体、地域公共交通の協議会が、不足する曜日・時間帯を申し出る道もあります。自治体が申し出るときは、配車依頼件数や承諾件数など、不足が分かる根拠を添えます。12交通圏でも、タクシー協会の申し出は公表の時と、そこから原則半年ごとに受け付けられます。
許可を受けてから2年間、この範囲で運行できます。すでに運行している会社は、それまでの許可期間が満了するまでは、それまでの曜日・時間帯と台数で運行できるとされています。同じ地域でも、許可を受けた時期や配分された台数によって、会社ごとに走れる時間帯が違う可能性があります。営業所ごとに配られた台数は、同じタクシー会社の営業所どうしで融通できます。

雨の日と暑い日は、走れる時間が広がる
同じ日に出た運用改善の事務連絡は、雨天と酷暑のときの扱いを決めています。雨天は、24時間先までの降水量の予報が1時間5㎜以上になった時間帯と、その前後1時間です。5㎜以上の予報が1時間だけのときは、前後1時間または2時間で、最大4時間まで使えます。
酷暑は、水曜日の午前10時の時点で、翌日の木曜日から次の水曜日までの1週間の予報に、最高気温35℃以上の日が1日以上あれば、その1週間の全ての日で11時から17時台に使えます。どちらも対象は12交通圏で、使える台数は、各営業所に通知された使用可能車両数のうち最大のものです。

イベント、災害、配車アプリを使わない地域
このほか、イベントや花見・紅葉などで人が集まるときは、主催者や自治体の要請、タクシー事業者団体の実施計画にもとづいて、時間帯と台数を広げられます。災害のときは、運輸局等が定めた期間に活用でき、現金での支払いも認められ、車には「自家用車活用事業(災害関連輸送)」と表示します。
配車アプリを使わない形も認められています。電話などで依頼を受け、電子地図でルートと運賃を示して利用者の同意を得る方法で、事務連絡は「利用者による対価の支払いは、現金でも可能である。」と書いています。自分の住む地域で、どの曜日・時間帯に走れるかは、応募先のタクシー会社に確かめるのが確実です。
なお、この運用改善の事務連絡は、令和6年6月から令和7年11月までに出された14本の事務連絡を廃止し、1本にまとめ直したものです。それより前の資料をもとに書かれたページは、雨天の条件や時間帯の扱いが、いまの事務連絡と違っている可能性があります。
同じ事務連絡には、貨物の運送を組み合わせる話も出てきます。日本版ライドシェアをしているタクシー会社が、一般貨物自動車運送事業の許可と有償運送の許可を受けた場合は、ライドシェアを実施できる地域・時期・時間帯に、ライドシェアに使う車で貨客混載ができるとされています。これはタクシー会社が許可を取るかどうかの話なので、自分の車で荷物も運ぶことになるのかは、応募先で確かめてください。

ガソリン代や保険はだれが払うのか
国はタクシー会社が負担するよう周知している
自分の車を使う仕事なので、ガソリン代や通信費が気になるところです。運用改善の事務連絡は、次のように書いています。
日本版ライドシェアの実施に当たって必要な諸経費(下記参照)については、通常のタクシー事業において、タクシー事業者が負担している諸経費と同様に、タクシー事業者が負担することにより、一般ドライバーの適切な労働条件の確保に万全を期していただくよう、管区内の事業者に周知徹底されたい。
例として挙げられているのは、燃料費または相当額の手当、有料道路の利用料(実車のときに限り、利用者から受け取る)、配車アプリの通信費、ドライブレコーダーやアルコールチェッカー等の導入費、ステッカー等、タクシー車両を使うために営業所まで向かう場合の交通費、健康診断と適性診断の受診費用、点検整備の費用です。これは国が運輸局を通じて事業者に周知している内容で、実際の扱いは会社ごとに確かめる必要があります。

保険に入るのはタクシー会社
許可の基準として、タクシー会社は「対人8,000万円以上及び対物200万円以上の任意保険若しくは共済に加入していること」が求められています(国土交通省 通達)。運賃は乗る前に決まり、事前確定運賃に準じ、支払いは原則キャッシュレスです。

ほかの仕事とかけもちするとき
本業のある人が空いた時間に走る場合は、労働時間の扱いに注意が要ります。通達は、タクシー会社に「輸送の安全上支障のないよう、自家用車ドライバーの他業での勤務時間を把握すること。」を求めています。また、労働基準法38条1項は次のように定めています(労働基準法 e-Gov)。
労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。
雇われて働く形なら、本業とライドシェアの労働時間は通算されます。短い時間でタクシーの仕事をする方法全体の比較は、タクシーのパート・アルバイトの記事にまとめています。

公共ライドシェアのドライバーとの違い
法の根拠と運転者の条件が違う
「ライドシェア」と呼ばれるものには、もう1つ、市町村やNPO法人などが運営する公共ライドシェア(自家用有償旅客運送)があります。こちらは道路運送法78条2号と79条の登録にもとづく制度で、平成18年に創設されました。運転者の条件は、国土交通省の自家用有償旅客運送ハンドブックに次のように書かれています。
「2種運転免許保有」又は「1種運転免許保有+自家用有償旅客運送(公共ライドシェア)の種類に応じた大臣認定講習の受講」が必要です。
| 項目 | 日本版ライドシェア | 公共ライドシェア |
|---|---|---|
| 法の根拠 | 78条3号(許可) | 78条2号(79条の登録) |
| 運営 | 法人タクシー事業者 | 市町村、NPO法人など |
| 運転者の免許 | 一種(初心運転者期間を除く)または二種 | 二種、または一種+大臣認定講習 |
| 運転者の経歴 | 前2年無事故・免停なし | 一種の場合、選任前2年以内に免停なし |
| 研修 | 運輸規則36条2項と同様の研修(大臣認定講習を含む、接遇等)・適性診断 | 大臣認定講習(種類に応じて) |
| 運賃・対価 | 事前確定運賃に準ずる | 実費の範囲内 |
公共ライドシェアの運転者の条件は、道路運送法施行規則51条の16第1項に定められています。どちらも一種免許で乗務できる道がありますが、日本版は前2年の無事故と免停なし、公共は大臣認定講習の受講が軸になっている点が違います。

公共ライドシェアは令和8年10月16日に改正予定
自家用有償旅客運送の制度は、令和8年9月18日に改正が公布され、令和8年10月16日に施行される予定です(国土交通省 自家用有償旅客運送、制度改正の概要)。内容は、実施主体に都道府県・一部事務組合・広域連合を加えること、福祉有償運送の旅客の範囲を明確にすること、運行管理を合理化することの3点です。これは公共ライドシェアの改正で、この記事で扱った日本版ライドシェアの通達や事務連絡を改めるものではありません。

導入された地域とその後の運用
国土交通白書2025(令和7年版 国土交通白書)のコラムには、次のように書かれています。
令和6年度末時点では、日本版ライドシェアは130地域、公共ライドシェアは645地域(788団体)に導入されている。
翌年の令和8年版 国土交通白書は、日本版ライドシェアについて「雨天・酷暑、イベント関係時における時期・時間帯や車両数の拡大のほか、地方部においては電話・現金支払いによる利用を可能とする等、地域の実情やニーズを踏まえ、累次のバージョンアップを行った。」と書き、「令和5年と導入後の6年以降の配車アプリのマッチング率を月ごとに比較すると、多くの時間帯で大幅に改善された。」としています。
同じ白書は、タクシー事業者以外の者であるバス・鉄道事業者による日本版ライドシェアのあり方について、安全・安心の確保の観点から課題の有無を確認するトライアルを行っているとも書いています。令和8年版の白書には、令和7年度末の導入地域数は書かれていなかったので、地域数は令和6年度末の130地域が、この記事で確認できた最新の数字です。


応募する前のチェックリスト
国が決めていることと、会社ごとに違うこと
ここまでの内容を、国の通達や事務連絡で決まっていることと、この記事で確認した資料には書かれておらず会社ごとに違うことに分けると、次のようになります。応募先で聞くべきなのは、会社ごとに違うことの列です。
| 国の通達・事務連絡で決まっていること | 会社ごとに違うこと |
|---|---|
| 免許の条件(一種は初心運転者期間を除く)、前2年無事故・免停なし | 年齢の条件 |
| 大臣認定講習を含む研修、適性診断、運転者証明 | 研修の時間数と、研修中の賃金の扱い |
| 教育の頻度(一種は四半期ごと、二種は毎年) | 契約の形(雇用かどうか)と報酬 |
| 点呼、運行と業務の記録、車の点検と年次検査 | 週あたりの時間の上限 |
| 走れる曜日・時間帯と台数の枠、許可期間2年 | その枠の中で自分が走れる日時 |
| タクシー会社の保険(対人8,000万円以上・対物200万円以上) | 燃料費や通信費などの実際の負担の仕方 |
確かめておきたい8つのこと
- 普通免許を受けてから通算1年(免停の期間は除く)を過ぎている
- 従事する日の前2年間、事故報告規則の「事故」がなく、免許の停止処分も受けていない
- 使う自分の車は乗車定員10人以下で、登録と表示に応じられる
- 住んでいる地域で、どの曜日・時間帯に走れるかを応募先に確かめた
- 契約の形(雇用かどうか)と、週あたりの時間の上限を聞いた
- 燃料費や通信費、点検整備の費用をだれが負担するかを聞いた
- 研修の時間数と、研修中の賃金の扱いを聞いた
- 本業がある場合、労働時間が通算されることを確かめた

タクシー会社の仕事の中身そのものを知りたい人はタクシー運転手の仕事内容の記事、未経験から始めるときの注意は未経験からタクシー運転手になる記事も読んでみてください。

よくある質問
Q. ライドシェアのドライバーに二種免許は要りますか?
要りません。通達は運転者の条件を「第一種運転免許(初心運転者期間にあるものを除く。)又は第二種運転免許」と定めています。一種免許の場合は、免許を受けて通算1年を過ぎていることが条件です。
Q. 免許を取って1年未満でも応募できますか?
一種免許で乗務する場合、初心運転者期間(免許を受けて通算1年。免停の期間は除く)にある人は条件を満たしません。二種免許を持っている人は、前2年の無事故・免停なしを満たせば対象です。
Q. 何歳まで働けますか?
この記事で確認した国の通達と事務連絡には、年齢の上限も下限も書かれていません。年齢の条件は応募先によって違う可能性があるので、募集要項で確かめてください。
Q. 業務委託(個人事業主)として働けますか?
通達は「契約関係にある自家用車ドライバー」と書くだけで、契約の形を決めていません。確認日時点で検索上位に出た募集ページは、タクシー会社にパートタイムなどで雇われる形が中心でした。
Q. 研修は何時間ありますか?
研修の時間数は通達に書かれていません。運輸規則36条2項と同様の研修(大臣認定講習を含む、接遇等)と適性診断を受けることが決まっていて、時間数は会社ごとに違います。
Q. いつでも好きな時間に走れますか?
走れません。12交通圏は運輸局が公表する不足の曜日・時間帯、それ以外の地域はタクシー会社が申し出る場合、金曜日・土曜日の16時台から翌5時台が基本です。12交通圏では雨天(1時間5㎜以上の予報)や酷暑(35℃以上の予報)のときに広がり、イベントのときなどにも広げられます。
Q. ガソリン代は自分で払うのですか?
国は、燃料費または相当額の手当をタクシー会社が負担するよう、運輸局を通じて周知しています。通信費やドライブレコーダー等、点検整備の費用も同じです。実際の扱いは応募先で確かめてください。
Q. 事故のときの保険はどうなりますか?
許可の基準として、タクシー会社が対人8,000万円以上・対物200万円以上の任意保険か共済に加入していることが求められています。
Q. 本業があっても働けますか?
通達は、タクシー会社がドライバーの他業での勤務時間を把握することを求めています。雇われて働く場合、労働基準法38条1項により本業との労働時間は通算されます。
Q. 公共ライドシェアとは何が違いますか?
日本版は道路運送法78条3号の許可でタクシー会社が運営し、公共は78条2号・79条の登録で市町村やNPO法人などが運営します。公共の運転者は二種免許か、一種免許と大臣認定講習が条件です。
この記事の要点
日本版ライドシェアのドライバーは、一種免許でも乗務できますが、条件と決まりは国の通達と事務連絡で細かく決まっています。応募先のタクシー会社の説明を聞くときは、次の4点を手元に置いておくと話が早くなります。

参考にした一次情報
いずれも2026年9月26日に確認しました。
- 道路運送法(e-Gov 法令検索)
- 道路交通法(e-Gov 法令検索)
- 旅客自動車運送事業運輸規則(e-Gov 法令検索)
- 労働基準法(e-Gov 法令検索)
- 国土交通省「タクシー事業について」(自家用車活用事業)
- 国土交通省 通達 国自安第181号・国自旅第431号・国自整第282号(令和6年3月29日)法人タクシー事業者による交通サービスを補完するための地域の自家用車・一般ドライバーを活用した有償運送の許可に関する取扱い
- 国土交通省 通達 国自安第182号(令和6年3月29日)自家用車活用事業における運行管理
- 国土交通省 通達 国自整第283号(令和8年6月25日改正)自家用車活用事業における自家用車の車両整備管理
- 国土交通省 事務連絡(令和8年2月26日)自家用車活用事業における曜日・時間帯及び不足車両数の設定等について
- 国土交通省 事務連絡(令和8年2月26日)自家用車活用事業の運用改善等について
- 国土交通省告示第1676号 旅客自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導及び監督の指針
- 国土交通省「令和7年版 国土交通白書」コラム 日本版・公共ライドシェアの取組
- 国土交通省「令和8年版 国土交通白書」第II部第3章
- 国土交通省「自家用有償旅客運送ハンドブック」
- 国土交通省「自家用有償旅客運送」
- 国土交通省「自家用有償旅客運送 制度改正の概要」
走れる曜日と時間帯は地方運輸局の公表、契約の形や報酬、研修の時間数は応募するタクシー会社に、最後は直接確かめてから進めてください。




