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法令は e-Gov の現行版(道路交通法は2026年7月21日施行、同法施行令と施行規則は2026年9月1日施行の版)で確認しました。警察庁・警視庁・厚生労働省の資料とあわせて、2026年9月25日に確認した内容です。統計は警察庁「運転免許統計(令和7年版)」と厚生労働省「賃金構造基本統計調査」令和7年の原表を使っています。手数料は東京(警視庁)の例です。受ける前に住所地の都道府県警察の案内を確認してください。
トラックの仕事を探していると、求人の条件に「中型免許」と書かれていることがよくあります。ところが、自分の普通免許で中型トラックを運転できるのか、中型免許を取るには何日かかりいくら必要なのか、はっきり分からないという人もいると思います。しかも、普通免許は取った時期によって運転できる範囲が違い、同じ「普通免許」でも中身が3通りあります。
この記事では、中型免許で運転できる車の範囲、平成19年6月1日以前に普通免許を取った人が持っている「中型8t限定」との違い、受けられる条件、教習の時限数、試験の中身、東京の公的な手数料、教習所の経費の幅、費用を下げる公的な制度を、道路交通法と同法施行規則の条文、警察庁・警視庁・厚生労働省の資料から順番に並べました。
先に結論を書きます。中型免許で運転できるのは、車両総重量7,500kg以上11,000kg未満、最大積載量4,500kg以上6,500kg未満、乗車定員11人以上29人以下の車までです。受けられるのは、原則として20歳以上で、普通免許などの経験が通算2年以上の人です。普通免許(MT)を持つ人の技能教習は15時限で、東京で教習所を卒業した人が試験場で払う手数料は4,000円です。そして、平成19年6月1日以前に普通免許を取った人は、すでに中型8t限定を持っています。この人が取るのは中型免許ではなく、限定の解除です。

中型免許で運転できる車
区分は車両総重量・最大積載量・乗車定員の3つで決まる
車の区分は、道路交通法施行規則2条の表で決まっています(道路交通法施行規則 e-Gov)。中型自動車は、次のように書かれています。
車両総重量が七、五〇〇キログラム以上一一、〇〇〇キログラム未満のもの、最大積載量が四、五〇〇キログラム以上六、五〇〇キログラム未満のもの又は乗車定員が一一人以上二九人以下のもの
「又は」でつながっているので、3つのうち1つでも当てはまれば中型自動車です。たとえば車両総重量が7,500kg未満でも、最大積載量が4,500kg以上あれば中型になります。反対に、どれか1つでも大型の基準(車両総重量11,000kg以上、最大積載量6,500kg以上、乗車定員30人以上)に入れば大型自動車で、中型免許では運転できません。
| 区分 | 車両総重量 | 最大積載量 | 乗車定員 |
|---|---|---|---|
| 普通 | 3,500kg未満 | 2,000kg未満 | 10人以下 |
| 準中型 | 3,500kg以上7,500kg未満 | 2,000kg以上4,500kg未満 | 10人以下 |
| 中型 | 7,500kg以上11,000kg未満 | 4,500kg以上6,500kg未満 | 11人以上29人以下 |
| 大型 | 11,000kg以上 | 6,500kg以上 | 30人以上 |
トラックは「何トン車」という呼び名で呼ばれることがありますが、免許の区分は呼び名ではなく、車検証に書かれた車両総重量・最大積載量・乗車定員で決まります。応募先の会社で乗る車が決まっているなら、その車の車検証の数字で確かめるのが確実です。

中型免許があれば準中型・普通も運転できる
道路交通法85条2項の表は、中型免許を受けた人が「準中型自動車、普通自動車、小型特殊自動車及び一般原動機付自転車」も運転できると定めています(道路交通法 e-Gov)。中型免許を1つ持てば、下の区分の車はまとめて運転できるということです。
ただし、これは第一種免許の話です。お客さんを乗せて運賃をもらう目的で運転するには、第二種免許が必要です(道路交通法86条1項)。マイクロバスのような乗車定員11人以上29人以下の車で営業するなら中型二種以上、タクシーなら普通二種以上になります。二種免許の取り方は二種免許の取り方と費用と大型二種免許の取り方と費用にまとめています。


普通免許を持っている人は、まず取った日を確かめる
取った日で3通りに分かれる
普通免許の中身は、これまでに2回変わっています。平成19年6月2日に平成16年改正の道路交通法が施行されて中型免許ができ、平成29年3月12日から準中型免許ができました。改正前に取った普通免許は、そのまま小さくなるのではなく、それまで運転できた範囲を残した形で読み替えられています。
警察庁の運転免許統計は、用語の注で次のように説明しています(警察庁 運転免許統計 令和7年版)。
平成19年6月2日に平成16年改正道路交通法(平成16年法律第90号)が施行され、同日より前の普通免許は、中型免許(運転できる自動車が車両総重量8t未満、最大積載量5t未満かつ乗車定員が10人以下に限定されたもの。以下「中型8t限定」という。)とみなす
| 普通免許を取った日 | いまの免許 | 運転できる範囲 |
|---|---|---|
| 平成19年6月1日以前 | 中型8t限定 | 車両総重量8,000kg未満、最大積載量5,000kg未満、乗車定員10人以下 |
| 平成19年6月2日から平成29年3月11日 | 準中型5t限定 | 車両総重量5,000kg未満、最大積載量3,000kg未満 |
| 平成29年3月12日以降 | 普通 | 車両総重量3,500kg未満、最大積載量2,000kg未満 |
警視庁の準中型免許の案内の資料でも、「平成19年6月1日以前」の普通取得は8トン限定中型、「平成19年6月2日以降」の普通取得は5トン限定準中型と整理されています(警視庁 準中型免許の新設)。自分の普通免許がどれに当たるかは、免許を取った日で決まります。

8t限定と限定なしの中型の違い
中型8t限定の範囲は、施行規則 別表第四の備考4に「車両総重量8,000キログラム未満、最大積載量5,000キログラム未満及び乗車定員10人以下の中型自動車に限る中型免許」と書かれています。限定なしの中型との差は、車両総重量で3,000kg、最大積載量で1,500kg、乗車定員で19人です(計算)。
8t限定の人が運転できないのは、たとえば車両総重量が8,000kg以上の車や、最大積載量が5,000kg以上の車、乗車定員が11人以上の車です。どれか1つでも8t限定の枠を超えると、限定を解除しないと運転できません。

8t限定の人は「新規」ではなく「限定解除」
警視庁の中型免許の案内には、次のように書かれています(警視庁 中型免許試験(直接試験場で受験される方))。
平成19年6月1日以前に普通免許を受けた方、又は、平成29年3月11日以前に普通二種免許を受けた方は、限定付き中型免許又は限定付き中型二種免許とみなされるため、中型免許を新規に受けるのではなく、限定解除審査を受けることとなります。
つまり、平成19年6月1日以前に普通免許を取った人は、中型免許の教習を最初から受ける必要はありません。限定解除の方法と費用は、このあとの「8t限定を解除するには」で説明します。
8t限定を持つ人は約5,769万人
運転免許統計の表(5)によると、令和7年末に中型8t限定を持っている人は、中型一種の8t限定だけの人が57,216,668人、中型一種と中型二種の8t限定の人が456,565人、中型二種の8t限定だけの人が21,646人で、合わせて57,694,879人でした。平成27年の69,144,395人から、10年で11,449,516人減っています(計算)。
同じ統計で、中型免許の保有者は59,329,498人です。この数字は8t限定を含んでいるので、中型免許を持つ人の大半は、昔の普通免許から読み替えられた8t限定の人だということになります。
保有者数から中型一種の8t限定の人(57,216,668人と456,565人)を引くと、1,656,265人になります(計算)。これが限定のない中型一種を持つ人のおおよその数です。中型二種の8t限定だけを持つ人の数え方で少しずれが出るため、目安として見てください。中型免許を持つ人のほとんどは8t限定で、限定のない中型を持つ人はその一部です。

中型免許を受けられる条件
20歳以上・経験が通算2年以上
中型免許を受けられる年齢は、道路交通法88条1項1号で20歳以上です。さらに96条3項で、準中型・普通・大型特殊のどれかの免許を受けていた期間が通算2年以上必要です。免許の効力が停止されていた期間は数えません。警視庁の案内も同じで、受験資格を次のように書いています(警視庁 中型免許試験(指定教習所を卒業された方))。
準中型、普通、大型特殊免許のいずれかの運転免許を現に受けており、かつ、当該いずれかの運転免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算2年以上の方
特例教習を修了すれば19歳・1年
令和4年5月13日からは、受験資格特例教習を修了すれば、19歳以上で、経験が通算1年以上あれば受けられるようになりました(警察庁 受験資格の特例)。警視庁の案内でも、特例教習を修了した人は試験のときに「修了証明書」が必要とされています。

視力と深視力の基準は普通より高い
中型免許の適性試験では、視力が両眼で0.8以上、かつ一眼でそれぞれ0.5以上必要です(施行規則23条)。普通免許の基準は両眼0.7以上・一眼0.3以上なので、それより高くなります。
さらに深視力の検査があります。施行規則23条は「三桿法の奥行知覚検査器により二・五メートルの距離で三回検査し、その平均誤差が二センチメートル以下」と定めています。中型仮免許も同じ基準です。深視力に不安がある人は、申し込む前に教習所で測ってもらうと安心です。

中型免許の取り方は2つ
教習所に通って卒業する
1つめは、指定自動車教習所で技能教習(持っている免許によっては学科教習も)を受け、卒業検定に合格する方法です。卒業すると、卒業証明書で1年間は試験場の技能試験が免除されます(道路交通法97条の2)。あとは住所地の試験場で、適性試験などを受けて免許証を受け取ります。
東京の場合、受験できるのは府中・鮫洲・江東の3つの試験場で、江東は取得時講習が免除される人だけを扱います。受験日は平日のみ、受付は午前8時30分から午後4時00分までです。手数料は4,000円(受験料1,650円、免許証交付料2,350円)で、再試験の場合はその都度受験料がかかります(警視庁)。
試験場で直接受ける
2つめは、教習所を通らずに試験場で受ける方法で、いわゆる一発試験です。流れは、中型仮免許の試験に合格し、仮免許で路上練習をしてから、本免許の試験を受け、合格したら取得時講習を受ける順番です。
道路交通法96条の2により、本免許の試験を受けるには、仮免許を受けて過去3か月以内に5日以上、道路で運転の練習をしていることが必要です。警視庁の案内では、本免許の試験に「路上練習申告書」と仮運転免許証を持っていくことになっています。中型仮免許の試験には学科試験がなく、年齢は20歳(特例教習を修了すれば19歳)からです(警視庁 大型・中型仮免許試験)。

合格者の99.0%は教習所の卒業者
運転免許統計の表(4)で令和7年の中型の合格者を見ると、47,743人のうち47,273人が指定教習所の卒業者で、割合は99.0%でした。教習所を通らずに合格したのは470人(学科と技能を受けた人4人、技能だけを受けた人466人)です(計算)。試験場で直接受ける道は制度としてはありますが、実際に使っている人はごくわずかです。
教習の時限数と最短日数
持っている免許で時限数が変わる
教習所の教習時間の最低限は、施行規則の別表第四で決まっています。1時限は50分で、進み具合によっては延びます(備考1・2)。MTの中型免許を取る場合の技能教習は次のとおりです。
| 持っている免許 | 基本操作及び基本走行 | 応用走行 | 技能教習の合計 |
|---|---|---|---|
| なし | 18 | 22 | 40時限 |
| 普通 | 7 | 8 | 15時限 |
| AT普通 | 7 | 12 | 19時限 |
| 準中型5t限定 | 5 | 6 | 11時限 |
| 準中型 | 5 | 4 | 9時限 |
| 普通二種 | 7 | 4 | 11時限 |
学科教習は、免許のない人が26時限、普通免許か準中型5t限定の人が1時限、準中型免許の人は0時限です。
普通免許を持っている人の場合、MTの普通免許なら技能15時限、AT限定の普通免許なら19時限になります。差の4時限は、応用走行の時限数(8と12)の違いです。平成19年6月2日から平成29年3月11日に普通免許を取った人は準中型5t限定を持っているので、技能11時限で済みます。

2026年4月1日からAT中型が取れる
警察庁は、AT限定の中型免許を令和8年4月1日(2026年4月1日)から導入しました(警察庁 AT大型免許等の導入)。施行規則の別表第四にもAT中型の行があり、AT普通免許の人のAT中型の技能教習は7+8=15時限、免許のない人は18+18=36時限です。AT普通の人がMT中型を取ると19時限なので、AT中型なら4時限少なくなります。
あわせて、試験と教習の方法も変わりました。警察庁は「技能試験、これに準ずる技能教習及び技能検定は原則としてAT車を用いて行い、MT免許のクラッチ・ギア操作に係る項目のみをMT普通車で行う」と説明しています。中型・準中型・中型第二種は令和8年4月1日からで、既存の教習所は当面、従来の教え方も続けられます。
| 持っている免許 | MT中型の技能教習 | AT中型の技能教習 |
|---|---|---|
| なし | 18+22=40時限 | 18+18=36時限 |
| AT普通 | 7+12=19時限 | 7+8=15時限 |
| AT準中型5t限定 | 5+10=15時限 | 5+6=11時限 |
| AT準中型 | 5+8=13時限 | 5+4=9時限 |
| AT普通二種 | 7+8=15時限 | 7+4=11時限 |
表の数字は「基本操作及び基本走行+応用走行」の最低時限数です。AT限定の免許を持つ人がMT中型を選ぶと、この表のどの行でも、AT中型より4時限多くなります。
AT中型で運転できるのはAT車だけです。応募先のトラックがMT車なら、MT中型を選ぶ必要があります。

1日の上限から計算する最短日数
施行規則33条5項1号は、技能教習の受け方にも決まりを置いています。第一種免許の技能教習は1日3時限まで(基本操作及び基本走行は2時限まで)で、3時限を続けて受けることはできません。応用走行は、見きわめに合格した翌日からです。教習は9か月以内に修了しなければなりません。
この上限で計算すると、普通MTの人は基本7時限を1日2時限で4日、応用8時限を1日3時限で3日、合わせて最短7日です。AT普通の人がMT中型を取る場合は基本4日と応用4日で8日、準中型の人は基本3日と応用2日で5日になります(いずれも計算)。AT中型の場合、AT普通の人の時限数は普通MTの人と同じなので、計算も同じ7日です。
ここには卒業検定の日が入っていません。また、予約が毎日思いどおりに取れた場合の理論値です。実際の日数は、教習所の混み具合や本人の都合で延びます。


中型の技能試験の中身
技能試験の項目と合格基準は、施行規則24条で決まっています。AT項目とMT項目に分かれていて、AT項目は「道路走行、交差点、横断歩道、方向変換又は縦列駐車」、MT項目は「幹線・周回、交差点、横断歩道・踏切、曲線・屈折・坂道、方向変換」です。
合格基準は、中型免許ではAT項目・MT項目それぞれ70%以上です。中型仮免許は60%以上で、仮免許の試験では屈折コースを省略できます。MTの準中型・普通・普通二種の免許を持っている人は、MT項目が免除されます(24条5項)。
| 中身 | |
|---|---|
| AT項目の試験車 | AT中型車(最大積載量5,000kg以上、長さ7.00m以上、幅2.25m以上、最遠軸距4.10m以上) |
| MT項目の試験車 | 普通自動車(乗車定員5人以上、長さ4.40m以上、幅1.69m以上、軸距2.50m以上、輪距1.30m以上) |
| 走る距離(中型) | AT自動車5,000m以上、AT自動車以外1,200m以上 |
| 走る距離(中型仮免) | 1,200m |
| 合格基準 | 中型はAT項目・MT項目それぞれ70%以上、中型仮免は60%以上 |

中型免許の費用
東京で払う公的な手数料
試験場に払う手数料は、都道府県ごとに決まっています。ここでは警視庁(東京)の案内の金額を並べます。
| 場面 | 金額(東京) |
|---|---|
| 教習所を卒業した人の本免 | 4,000円(受験料1,650円、免許証交付料2,350円) |
| 直接受験の中型仮免 | 5,800円(受験料2,950円、試験車使用料1,750円、仮免許証交付料1,100円) |
| 直接受験の本免 | 9,250円(受験料3,900円、試験車使用料3,000円、免許証交付料2,350円) |
| 取得時講習 | 24,150円 |
| 8t限定解除(教習所の技能審査に合格した人) | 1,350円 |
| 8t限定解除(試験場で直接審査) | 3,100円(受験料1,350円、試験車使用料1,750円) |

直接受験は1回ずつ受かっても39,200円
試験場で直接受ける場合、仮免許5,800円、本免許9,250円、取得時講習24,150円を足すと、1回ずつで合格しても39,200円です(計算)。落ちるたびに、受け直す分の手数料が加わります。路上練習に使う車と、横に乗ってもらう人も自分で用意しなければなりません。
取得時講習は、全員が受けるわけではありません。道路交通法施行令33条の5の3により、中型免許では準中型免許か普通二種免許を持っている人は免除されます。教習所の卒業証明書を持っている人も免除です。上の39,200円は、普通免許の人が直接受験する場合の計算です。

教習所の経費の幅(厚生労働省の指定講座一覧から集計)
教習所の料金は、法令にも警察の案内にも決まりがありません。そこで、厚生労働省が公表している一般教育訓練の指定講座一覧(令和8年4月1日付の新規指定・再指定分)から、講座名が「中型」で始まる講座を拾いました。大型・大型特殊・けん引・二種などとのセット講座を除くと292件、44都道府県の講座です(厚生労働省 一般教育訓練 指定講座一覧)。
| 講座の時間 | 主に対象になる人 | 件数 | 経費の幅 |
|---|---|---|---|
| 5時間 | 中型8t限定(限定解除) | 56件 | 60,610円〜147,500円 |
| 9時間 | 準中型 | 47件 | 108,240円〜202,840円 |
| 11時間 | 準中型5t限定(MT) | 78件 | 118,050円〜207,350円 |
| 15時間 | 普通MT | 90件 | 146,080円〜255,500円 |
| 18時間 | 普通AT | 15件 | 190,740円〜290,785円 |
経費は、一覧に載っている入学料と受講料を合わせた金額(税込)です。いちばん多い普通MTの人の15時間の講座で、146,080円から255,500円まで、およそ11万円の幅がありました。同じ免許でも教習所によって大きく違うので、複数の教習所を比べる価値があります。
注意が2つあります。1つは、これは令和8年4月1日付で指定された講座の一覧1本だけの集計で、全国の教習所のすべてのコースではないことです。もう1つは、講座の「時間」は給付の届出上の時間で、別表第四の時限数と一致しない行があることです(AT普通の人は別表では19時限ですが、一覧は18時間)。この表は「持っている免許ごとの経費の目安」として見てください。

見積もりで確かめたいこと
- 料金表の時限数が、自分の持っている免許の数字(普通MTなら技能15時限)になっているか
- 時限が延びたときの追加教習の料金と、検定に落ちたときの再検定の料金
- 教育訓練給付の指定講座かどうか(指定されていない講座は給付の対象外)
- AT中型のコースがあるか(応募先の車がAT車の場合)
8t限定を解除するには
教習所で練習するか、試験場で直接審査を受けるか
8t限定の解除には、別表第四のような決まった教習の時限数はありません。方法は2つあります。1つは、教習所で練習して教習所の技能審査(施行規則18条の5)に合格し、試験場で手続きをする方法です。東京の手数料は1,350円です(警視庁 中型免許限定解除審査(指定教習所で技能審査に合格された方))。
もう1つは、試験場で直接、限定解除の審査を受ける方法で、東京では3,100円(受験料1,350円、試験車使用料1,750円)です。審査は予約制で、受け直すたびに手数料がかかります。バス型の車での審査は、東京では府中試験場だけで行われます(警視庁 中型免許限定解除審査(直接試験場で審査を受けられる方))。
どれだけ練習すれば解除できるかは、法令に決まりがありません。先ほどの厚生労働省の指定講座一覧では、8t限定解除の講座は5時間のものが56件で、経費は60,610円から147,500円でした。

解除の審査を受けられる人
警視庁の案内では、限定解除の審査を受けられるのは、中型免許と同じく20歳以上で、経験が通算2年以上の人です。一方で、8t限定にAT限定もついている人がAT条件だけを外す場合について、警視庁は「8トンAT限定中型免許保有者がAT条件のみ解除する場合は、年齢、免許保有経験の制約はありません。」と書いています。
解除すると更新時の視力の基準が上がる
見落としやすいのが、免許更新のときの適性検査です。8t限定のままの人は、更新時の適性検査を普通免許の基準で受けます(施行規則の附則 平成18年内閣府令第4号 9項)。ところが限定を解除すると、基準が変わります。警視庁は次のように案内しています。
限定解除後の免許更新時における適性検査は、大型免許と同じ基準(視力0.8以上、深視力実施)となります。免許更新時に適性検査に合格しない場合、下位免許にあたる普通免許や原付免許となってしまう可能性があります。
視力に不安がある人は、解除する前にこの点を知っておく必要があります。仕事で限定なしの中型が要るのかどうかを確かめてから解除するのが確実です。

費用を下げる公的な制度
教育訓練給付(本人が受け取る)
雇用保険に入っている人(または離職して1年以内の人など)が、厚生労働大臣の指定を受けた講座を修了すると、費用の一部が戻ってくる制度です(厚生労働省 教育訓練給付制度)。厚生労働省の講座の種類一覧では、「中型自動車第一種・第二種免許」の行に、特定一般教育訓練と一般教育訓練の両方の印がついています(厚生労働省 講座の種類一覧)。
| 種類 | 給付の割合と上限 | 受講前の手続き |
|---|---|---|
| 一般教育訓練 | 受講費用の20%(上限10万円) | 受給資格の確認の段はない |
| 特定一般教育訓練 | 最大で受講費用の50%(上限25万円) | 受講開始日の2週間前までにハローワークで受給資格確認 |
特定一般教育訓練は、修了後に支給されるのが教育訓練経費の40%(上限20万円)で、資格を取って1年以内に雇用されると50%(上限25万円)まで上がる仕組みです。2024年9月までに開講した講座は40%(上限20万円)です。
受けられるのは、雇用保険の加入期間が1年以上ある人です。2回目以降は、前回の受講開始日以降の加入期間が3年以上あり、前回の支給日から3年以上たっていることが条件になります。支給申請は、どちらも修了日の翌日から1か月以内に、住所を管轄するハローワークで行います(厚生労働省 教育訓練給付金のご案内)。
特定一般教育訓練では、受給資格確認の前に訓練前キャリアコンサルティングを受けます。厚生労働省の案内では、どのハローワークでも、キャリア形成・リスキリング支援センターでも受けられるとされています。一般教育訓練にはこの段がなく、受講して修了したあとに支給申請をするだけです。支給申請はe-Govの電子申請でもできます。

一般教育訓練20%の計算例
先ほどの経費の幅に一般教育訓練の20%を当てると、普通MTの人の15時間の講座では、146,080円なら29,216円、255,500円なら51,100円が戻る計算です。8t限定解除の5時間の講座では、60,610円なら12,122円、147,500円なら29,500円です。普通ATの人の18時間の講座の最高額290,785円でも58,157円で、どれも上限の10万円には届きません。上限に届くのは、経費が50万円以上の場合です(100,000÷20%で計算)。
大事なのは、給付が出るのは指定された講座だけだということです。申し込む前に、その教習所のそのコースが指定講座かどうかを、教習所か厚生労働省の一覧で確かめてください。

人材開発支援助成金(会社が受け取る)
もう1つは、社員に訓練を受けさせた会社に出る人材開発支援助成金です(厚生労働省 人材開発支援助成金)。人材育成支援コースでは、正社員の訓練の経費の45%(大企業は30%)と、1人1時間800円(大企業は400円)の賃金助成があります。訓練はOFF-JTで10時間以上が要件です(厚生労働省 人材育成支援コースのリーフレット)。
厚生労働省のパンフレットは、職務に関連した訓練の例として、運輸業の「大型自動車運転免許を取得させるための訓練」を挙げています。一方で「普通自動車(自動二輪車)運転免許の取得のための講習」は対象外の例です(厚生労働省 人材開発支援助成金 パンフレット)。中型免許についての明記はなく、対象になるかどうかは申請ごとに労働局が判断します。申請するのは会社で、本人が申請する制度ではありません。

数字で見る中型免許
運転免許統計の表(4)で、中型の合格者数と、そのうち指定教習所を卒業した人の割合を見ると、次のように推移しています。
| 年 | 合格者数 | うち教習所卒業者の割合 |
|---|---|---|
| 平成28年 | 39,389人 | 97.0% |
| 平成29年 | 38,591人 | 97.7% |
| 平成30年 | 36,757人 | 98.1% |
| 令和元年 | 39,170人 | 98.4% |
| 令和2年 | 40,213人 | 98.4% |
| 令和3年 | 45,668人 | 98.7% |
| 令和4年 | 45,015人 | 98.7% |
| 令和5年 | 44,602人 | 98.7% |
| 令和6年 | 43,969人 | 98.8% |
| 令和7年 | 47,743人 | 99.0% |
令和7年の合格者は47,743人で、10年間でいちばん多くなりました。教習所卒業者の割合は、横ばいの年をはさみながら上がり続け、99.0%に届いています。
別の表では、令和7年の中型の受験者は134,233人、合格者は132,200人で、合格率は98.5%でした。そのうち8t限定の分は受験者79,138人、合格者78,132人です。ただし、この表の受験者数は延べ人数で、試験の一部が免除された人も含みます。8t限定の数字が限定解除の審査のことなのかは、統計には書かれていません。表(4)とは数え方が違うため、合格者の数も一致しません。
8t限定の分を差し引くと、受験者は134,233−79,138=55,095人、合格者は132,200−78,132=54,068人です(計算)。前の年の令和6年は、中型の受験者134,091人・合格者130,338人・合格率97.2%で、そのうち8t限定の分は受験者80,771人・合格者80,546人でした。

参考 営業用トラック運転者の給与
中型免許を取ったあとの仕事の参考として、厚生労働省の賃金構造基本統計調査 令和7年の職種別の数字を見ておきます(厚生労働省 賃金構造基本統計調査 令和7年 職種 第1表)。
| 職種 | きまって支給する現金給与額(月) | 年間賞与など | 年収の目安(計算) |
|---|---|---|---|
| 営業用貨物自動車運転者(大型車を除く) | 341.7千円 | 385.1千円 | 4,485.5千円 |
| 営業用大型貨物自動車運転者 | 386.9千円 | 429.6千円 | 5,072.4千円 |
年収の目安は、月の給与×12+年間賞与で計算しました。「大型車を除く」は、中型・準中型・普通のトラックの運転者をまとめた区分です。賃金の統計に中型だけの区分はないので、中型トラックの運転者だけの数字ではありません。大型車を除く区分の平均年齢は50.3歳、勤続年数は11.6年でした。
タクシー運転者の給与についてはタクシー運転手の給料、タクシーとバスの違いはタクシーとバスの運転手の比較で、同じ統計を使って説明しています。

中型免許を申し込む前のチェックリスト
- 普通免許を取った日を確かめた(平成19年6月1日以前なら、取るのは中型ではなく8t限定の解除)
- 20歳以上で、準中型・普通・大型特殊の経験が通算2年以上ある(足りなければ特例教習で19歳・1年)
- 視力(両眼0.8以上、一眼0.5以上)と深視力に不安があれば、申し込む前に測ってもらう
- 乗る予定の車の車両総重量・最大積載量・乗車定員を車検証で確かめた
- MT中型かAT中型かを、乗る予定の車で決めた
- 教習所の料金表の時限数が、自分の免許の数字になっている
- 教育訓練給付の指定講座か、自分が雇用保険の条件を満たすかを確かめた


よくある質問
Q. 普通免許で何トンのトラックまで運転できますか?
普通免許を取った日によって違います。平成19年6月1日以前なら中型8t限定で車両総重量8,000kg未満・最大積載量5,000kg未満、平成19年6月2日から平成29年3月11日なら準中型5t限定で車両総重量5,000kg未満・最大積載量3,000kg未満、平成29年3月12日以降なら車両総重量3,500kg未満・最大積載量2,000kg未満です。
Q. 中型免許は何歳から取れますか?
原則20歳以上で、準中型・普通・大型特殊の経験が通算2年以上必要です。受験資格特例教習を修了すれば、19歳以上・通算1年以上で受けられます。
Q. AT限定の中型免許はありますか?
2026年4月1日から取れるようになりました。AT普通免許の人のAT中型の技能教習は15時限です。AT中型で運転できるのはAT車だけです。
Q. 普通免許の人は最短何日で取れますか?
普通MTの人の技能教習は15時限で、1日の上限(基本2時限・応用3時限)から計算すると最短7日です。卒業検定の日は含まず、予約がすべて取れた場合の理論値です。
Q. 中型免許の費用はいくらですか?
教習所の経費は、厚生労働省の指定講座一覧(令和8年4月1日付)の中型の講座で、普通MTの人の15時間の講座が146,080円から255,500円でした。これに東京なら試験場の手数料4,000円がかかります。指定講座なら、一般教育訓練で20%が戻る場合があります。
Q. 一発試験のほうが安いですか?
公的な手数料だけなら、東京で1回ずつ合格して39,200円です。ただし、落ちるたびに手数料が加わり、路上練習の車と同乗者も自分で用意します。令和7年の中型の合格者47,743人のうち、教習所を通らずに合格した人は470人でした。
Q. 8t限定を解除するといくらかかりますか?
東京の手数料は、教習所の技能審査に合格した人が1,350円、試験場で直接審査を受ける人が3,100円です。教習所の練習の費用は、指定講座一覧の5時間の講座で60,610円から147,500円でした。
Q. 中型免許で消防車や救急車のような緊急自動車も運転できますか?
道路交通法85条6項と施行令32条の3により、中型免許の人で21歳未満か経験が通算3年未満の人は、中型・準中型の緊急自動車を運転できません(一定の審査に合格した人などの例外があります)。
Q. 中型免許でマイクロバスにお客さんを乗せて営業できますか?
できません。お客さんを乗せて運賃をもらう目的で運転するには、中型第二種免許以上が必要です(道路交通法86条1項)。
Q. 教習所を卒業したら、いつまでに試験場へ行けばいいですか?
卒業証明書で技能試験が免除されるのは、卒業してから1年間です(道路交通法97条の2)。1年を過ぎると技能試験の免除が受けられなくなるので、卒業したら早めに住所地の試験場で手続きをしてください。東京の受験日は平日のみです。
Q. 8t限定の解除にも20歳・2年の条件はありますか?
警視庁の案内では、限定解除の審査も20歳以上・経験が通算2年以上の人が対象です。ただし、8t限定にAT限定もついている人がAT条件だけを外す場合は、年齢と経験の制約はないとされています。
Q. 深視力の検査に落ちたらどうなりますか?
中型免許の適性試験の基準を満たさないと、中型免許は受けられません。深視力の基準は、2.5メートルの距離で3回検査した平均誤差が2センチメートル以下です。不安がある人は、申し込む前に教習所で測ってもらうと安心です。
まとめ
中型免許で運転できるのは、車両総重量7,500kg以上11,000kg未満、最大積載量4,500kg以上6,500kg未満、乗車定員11人以上29人以下の車までです。平成19年6月1日以前に普通免許を取った人は、すでに中型8t限定を持っているので、取るのは限定の解除です。
新しく取る人は、20歳以上・通算2年以上が条件で、普通MTの人の技能教習は15時限、東京で教習所を卒業した人の手数料は4,000円です。教習所の経費は同じ免許でも10万円以上の幅があるので、指定講座かどうかと追加料金を含めて比べ、教育訓練給付が使えるかも確かめてから申し込んでください。


参考にした一次情報
いずれも2026年9月25日に確認しました。
- 道路交通法(e-Gov 法令検索)
- 道路交通法施行令(e-Gov 法令検索)
- 道路交通法施行規則(e-Gov 法令検索)
- 警察庁「受験資格の特例」
- 警察庁「AT大型免許等の導入及びMT免許の技能試験等の方法の見直しについて」
- 警察庁「運転免許統計(令和7年版)」
- 警視庁「中型免許試験(指定教習所を卒業又は検査合格証明書をお持ちの方)」
- 警視庁「中型免許試験(直接試験場で受験される方)」
- 警視庁「大型・中型仮免許試験」
- 警視庁「中型免許限定解除審査(指定教習所で技能審査に合格された方)」
- 警視庁「中型免許限定解除審査(直接試験場で審査を受けられる方)」
- 警視庁「準中型免許の新設」
- 厚生労働省「教育訓練給付制度について」
- 厚生労働省「教育訓練給付の対象となる講座の種類一覧」
- 厚生労働省「教育訓練給付金のご案内」
- 厚生労働省「一般教育訓練 指定講座一覧(令和8年4月1日付)」
- 厚生労働省「人材開発支援助成金」
- 厚生労働省「人材開発支援助成金 人材育成支援コース」リーフレット
- 厚生労働省「人材開発支援助成金」パンフレット
- 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」令和7年(職種)第1表
受けられるかどうかは住所地の都道府県警察、教習の料金は各教習所、給付の条件はハローワークに、最後は直接確かめてから進めてください。




