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法令は e-Gov の現行版(道路交通法、同法施行令、同法施行規則)で確認しました。あわせて、警察庁の有識者検討会の報告書・リーフレット・運転免許統計(令和7年版)、警視庁の試験案内、厚生労働省の教育訓練給付の資料を使い、2026年9月25日に確認した内容です。手数料は東京都(警視庁)の金額です。試験の日時や手数料は変わることがあるので、受ける前に住所地の都道府県警察の案内を確認してください。
2トントラックで配送の仕事をしたい、高校を出てすぐにトラックに乗りたい、今の普通免許でどこまでの車を運転できるのか知りたい。こうした疑問の答えになるのが準中型免許です。2017年にできた比較的新しい免許で、普通免許を取った時期によって運転できる範囲が変わるため、仕組みが少し複雑です。
この記事では、準中型免許について、道路交通法と同法施行規則の条文、警察庁の有識者検討会の報告書、警視庁の試験案内を一つずつ確かめながら整理しました。運転できる車の範囲、作られた理由、5トン限定準中型の見分け方、取り方と費用、取った後に気をつけることの順に説明します。
先に要点を書きます。準中型免許で運転できるのは、車両総重量7.5トン未満(最大積載量4.5トン未満)の車です。18歳から、普通免許を持っていなくても取れます。2007年6月2日から2017年3月11日までに取った普通免許は、5トン限定の準中型免許として扱われています。準中型免許を持つ人の93.4%は、この5トン限定だけの人です(警察庁の運転免許統計から計算)。

準中型免許とは(運転できる車の範囲)
車両総重量3.5トン以上7.5トン未満の車を運転する免許
準中型免許は、準中型自動車を運転するための免許です。どの車が準中型自動車に当たるかは、道路交通法施行規則2条の表で決まっています(道路交通法施行規則 e-Gov)。準中型自動車の欄には、次のように書かれています。
車両総重量が三、五〇〇キログラム以上七、五〇〇キログラム未満のもの又は最大積載量が二、〇〇〇キログラム以上四、五〇〇キログラム未満のもの
車両総重量と最大積載量のどちらか一方でも上の区分の範囲に入ると、その車は上の区分の車になります。たとえば車両総重量が7トンでも、最大積載量が4.5トン以上なら中型自動車です。
| 区分 | 車両総重量 | 最大積載量 | 乗車定員 |
|---|---|---|---|
| 普通自動車 | 3,500kg未満 | 2,000kg未満 | 10人以下 |
| 準中型自動車 | 3,500kg以上7,500kg未満 | 2,000kg以上4,500kg未満 | 10人以下 |
| 中型自動車 | 7,500kg以上11,000kg未満 | 4,500kg以上6,500kg未満 | 11人以上29人以下 |
| 大型自動車 | 11,000kg以上 | 6,500kg以上 | 30人以上 |
条文を当てはめると、次のような例になります。車両総重量が6トンで最大積載量が3トンの車は、どちらも準中型の範囲なので準中型自動車です。車両総重量が3.4トンでも、最大積載量がちょうど2トンなら「最大積載量が二、〇〇〇キログラム以上」に当たるので、普通自動車ではなく準中型自動車になります。車両総重量が7トンで最大積載量が4.5トンの車は、最大積載量が中型の範囲に入るので中型自動車です。検討会の設立趣旨書が「積載量2tの貨物自動車」と書いているように、トラックは積載量で呼ばれることがあり、呼び方だけでは区分は決まりません。車検証の車両総重量と最大積載量の両方を見て判断してください。
準中型自動車には乗車定員の条件がありません。乗車定員が11人以上なら中型自動車、30人以上なら大型自動車になるので、準中型免許で運転できるのは乗車定員10人以下の車に限られます。

2017年3月12日から普通免許の範囲は3.5トン未満に
準中型免許ができたのは2017年(平成29年)3月12日です。同じ日に、普通免許で運転できる車の範囲が狭くなりました。警察庁のリーフレットには、次のように書かれています(警察庁 平成27年改正道路交通法リーフレットB)。
準中型免許では、車両総重量7.5トン未満(最大積載量4.5トン未満)の自動車を運転できます(普通自動車も運転できます)。普通免許で運転できる自動車は車両総重量3.5トン未満(最大積載量2トン未満)となります。
それまでの普通免許は車両総重量5トン未満(最大積載量3トン未満)まで運転できました。改正後は3.5トン未満(2トン未満)です。つまり、2017年3月12日以降に普通免許を取った人は、それより前に取った人より運転できる範囲が狭くなっています。この違いが、後で説明する5トン限定準中型の話につながります。

準中型免許で運転できない車
道路交通法85条2項により、準中型免許があれば、準中型自動車のほかに普通自動車、小型特殊自動車、一般原動機付自転車も運転できます(道路交通法 e-Gov)。一方で、次の3つは準中型免許だけではできません。
- お客さんを乗せて運賃をもらう運転。旅客の準中型自動車を運転するには中型第二種免許が必要です(道路交通法86条1項)
- 乗車定員11人以上の車。マイクロバスのように定員が11人以上なら中型自動車になります(施行規則2条)
- 車両総重量750kgを超える車を引く運転。別に牽引免許が必要です(道路交通法85条3項)
タクシーやバスのように、お客さんを乗せる仕事には第二種免許が要ります。二種免許の仕組みは二種免許の取り方と費用の記事にまとめています。

準中型免許が作られた理由
積載2トンのトラックが架装で5トンを超えるようになった
準中型免許を作るきっかけになったのは、警察庁の「貨物自動車に係る運転免許制度の在り方に関する有識者検討会」です。検討会の設立趣旨書には、当時の問題が次のように書かれています(警察庁 有識者検討会 設立趣旨書)。
集配等で利用頻度の高い物流の中心的な立場にある積載量2tの貨物自動車が、保冷設備等の架装により、車両総重量が5tを超えてしまうことが多くなっており、中型免許の取得可能年齢が20歳であることから、同車両を高卒者が直ちに運転することができないため、高卒者の就職にも影響を及ぼしているという声があがるなど、制度と我が国で運転されている自動車の実態との間にギャップが生じているとの指摘がある。
当時の普通免許で運転できたのは5トン未満の車です。積載量2トンのトラックでも、冷蔵や冷凍の設備を付けると5トンを超えてしまい、中型免許が必要になります。ところが中型免許は20歳にならないと取れません。高校を卒業してすぐに運送会社に入っても、配送の中心になる車に乗れないという状態でした。

検討会では立場の違う意見が出た
検討会の報告書には、業界団体や学校、交通事故の遺族の意見が載っています(警察庁 有識者検討会 報告書)。全日本トラック協会は、全国55,000事業所を対象にアンケートを行い、8,505事業所から回答を得ました。若年ドライバーの採用を検討している企業の9割が、中型免許が障害になっていると答えています。そのうえで「積載量2トン程度のトラックを18歳で運転できるようにしてほしい。」と求めました。
全国高等学校長協会も「高校在学中に小型トラックが運転できるよう、また、免許取得に当たり最小の負担となるよう御配慮いただきたい。」と要望しています。一方で、交通事故被害者の遺族からは、次の意見が出ました。
単純に普通免許の上限の拡大や中型免許の取得年齢の引き下げは、交通事故を増やすことにつながることから受け入れられない。
遺族の意見は反対だけではありません。普通免許の範囲を3.5トンに下げ、欧州のように一定の範囲の車を運転できる免許区分を作り、貨物自動車の特性を理解させる教習を受けさせて免許を取らせる考え方のほうが考慮に値する、とも述べています。実際に、普通免許の範囲は3.5トン未満に下げられ、3.5トン以上7.5トン未満の車を運転する準中型免許が作られました。

事故の数・走行実験・EUの制度を根拠にした
報告書は、事故の実態も調べています。乗用車が大部分を占める車両総重量3.5トン未満の車は、1万台あたりの死亡事故が0.44件でした。3.5トン以上はこれを上回り、特に7.5トンを超える車は4倍近い件数でした。
小型の貨物自動車(3.5トン、5トン、6.5トン、8トン程度)を使った走行実験も行われました。結果は「運転技能面において、運転経験による差異は認められるが、特に18歳と20歳との年齢による差異は認められなかった。」というものです。さらに、EUでは車両総重量3.5トン以上7.5トン未満の貨物自動車の免許(C1免許)を、各国とも基本的に18歳で取れることも確かめています。
こうした材料をもとに、報告書の概要は、3.5トン以上7.5トン未満の車について「貨物自動車を用いた試験・教習を行うことを必要とする新たな免許区分(18歳で取得可)を導入する案をベースに」検討すべきだとまとめました(警察庁 報告書について(概要))。同じ概要は「18歳以上で運転経験を問わずに取得できることとなることから、更なる総合安全対策を講じることが必要。」とも書き、その1番目に「初心運転者に対する安全対策の充実」を挙げています。
報告書は、EUのC1免許が安全のためにとっている措置として、「B免許(普通免許)を先行取得させること」「5年ごとの更新の間に35時間の講習を受けること」も紹介しています。日本の準中型免許は、普通免許を先に取らなくても受けられる形で作られ、後で説明する初心者マークや初心運転者期間の対象になりました。
若年層の就職問題への対応の要請は踏まえつつも、貨物自動車に係る厳しい死亡事故の発生状況等の現実に鑑み、貨物自動車の総合的な安全対策を向上させる中で
報告書のこの一節のとおり、準中型免許は人手不足のためだけに作られたのではありません。若い人の就職の問題と、貨物自動車の安全対策の両方を考えて作られた免許です。

公布から施行まで
報告書が出たのは2014年(平成26年)7月10日です。これを受けた改正道路交通法(平成27年法律第40号)が2015年(平成27年)6月17日に公布され、施行期日を定める政令で2017年(平成29年)3月12日に施行されました(警察庁 施行期日を定める政令)。法案の理由には「運転免許の種類として準中型自動車免許を新設する等の必要がある。」と書かれています(警察庁 法律案 理由)。
その後、2026年(令和8年)4月1日には、AT限定の準中型免許もできました(警察庁 AT限定の新設について)。
法律案の要綱を見ると、このときの改正で準中型免許のために次のしくみが一度に作られたことが分かります(警察庁 法律案 要綱)。
- 準中型自動車という車の区分(3条)
- 準中型免許と準中型仮免許(84条)
- 18歳に満たない人には準中型免許と準中型仮免許を与えないこと(88条)
- 試験場で直接取る人が受ける取得時講習(90条の2)
- 初心運転者の再試験の対象に準中型免許を加えること(100条の2)
- 準中型自動車の初心者マーク(71条の5)

初年は8,198人が取り、半分が18歳と19歳
警察庁が施行の年にまとめた資料では、2017年3月12日から12月31日までに準中型免許を新しく取った人は8,198人でした(暫定値、警察庁 改正道路交通法の施行状況について)。年齢別では、18歳が3,172人(38.7%)、19歳が937人(11.4%)、20歳以上が4,089人(49.9%)です。18歳と19歳を合わせると4,109人で、全体の50.1%になります(計算)。
警察庁は、新しく高校を卒業する予定の人などに制度が届くよう、文部科学省と連携して全国の高等学校などで広報をしたと書いています。18歳から取れる免許として、最初の年から若い人に使われていたことが分かります。高卒でドライバーの仕事を考えている人は、学歴とドライバーの仕事の記事も参考になります。


5トン限定準中型とは(今の普通免許で運転できる範囲)
普通免許を取った日で運転できる範囲が決まる
2007年6月2日から2017年3月11日までに普通免許を取った人は、施行の日から準中型免許を持っているものとみなされました。ただし、運転できる範囲は元の普通免許と同じに限られています。これが「5トン限定準中型免許」です。改正法の附則2条2号に定めがあり、施行規則の別表第四の備考6は、次のように書いています。
準中型車(5t)限定準中型免許とは、運転することができる準中型自動車を車両総重量5,000キログラム未満及び最大積載量3,000キログラム未満の準中型自動車に限る準中型免許をいう。
さらに前、2007年(平成19年)6月2日より前に取った普通免許は、中型免許ができたときに8トン限定の中型免許として扱われています(警察庁 運転免許統計 令和7年版の注記)。まとめると、普通免許を取った日で次のように分かれます。
| 普通免許を取った日 | 今の扱い | 運転できる車両総重量 | 最大積載量 |
|---|---|---|---|
| 2007年6月1日まで | 中型(8トン限定) | 8トン未満 | 5トン未満 |
| 2007年6月2日から2017年3月11日 | 準中型(5トン限定) | 5トン未満 | 3トン未満 |
| 2017年3月12日以降 | 普通 | 3.5トン未満 | 2トン未満 |
| (2017年3月12日以降に準中型を取った) | 準中型 | 7.5トン未満 | 4.5トン未満 |
どの区分でも乗車定員は10人以下です。自分がどれに当たるか分からないときは、最初に普通免許を取った日を思い出してください。日付がはっきりしない場合は、住所地の運転免許センターや警察署に確認するのが確実です。

準中型免許を持つ人の9割以上が5トン限定のみ
警察庁の運転免許統計によると、2025年(令和7年)末に準中型免許を持っている人は11,675,872人でした。このうち、5トン限定準中型だけを持つ人は10,900,679人です。割合を計算すると93.4%で、準中型免許を持つ人の9割以上は、5トン限定のままの人です。
準中型免許を持つ人の数は、2021年末が11,668,068人、2025年末が11,675,872人で、ここ数年ほとんど変わっていません。2025年末の内訳は、男性が6,226,569人、女性が5,449,303人です。この数には、ほかの免許とあわせて準中型を持っている人も入っています。

5トン限定のみの人は、2017年末の11,653,213人から2025年末の10,900,679人へ、752,534人減りました(計算)。統計から、減った理由までは分かりません。

限定解除で7.5トン未満まで広げられる
5トン限定準中型の人は、限定解除の審査に受かれば、7.5トン未満の準中型自動車も運転できるようになります。警察庁のリーフレットには、次のように書かれています。
すでに普通免許を保有している方は引き続き車両総重量5トン未満の自動車を運転することができます。さらに限定解除審査(※)に合格すれば車両総重量5トン以上7.5トン未満の自動車の運転も可能となります。
注記には「審査は、指定自動車教習所で最低4時限の教習等を受けた上での審査又は免許試験場での技能審査等のいずれかになります。」とあります。東京都の場合、教習所で技能審査に合格した人が試験場で払う手数料は1,350円です(警視庁 準中型免許限定解除審査(教習所で合格))。試験場で直接審査を受ける人は3,100円(受験料1,350円、試験車使用料1,750円)で、審査日は予約制です(警視庁 準中型免許限定解除審査(試験場で審査))。
警視庁は、限定解除をした後の注意も書いています。限定解除後の免許更新のときの適性検査は、大型免許と同じ基準(視力0.8以上、深視力の検査あり)になります。更新のときに適性検査に合格しないと、普通免許や原付免許になってしまう可能性があるとしています。眼鏡の度や深視力に不安がある人は、解除の前に確かめておくと安心です。
なお、限定解除の教習の時限数については、この記事では警察庁のリーフレットにある「最低4時限」しか確かめられていません。実際に何時限かかるか、料金はいくらかは、通う予定の教習所に確認してください。

準中型免許の受験資格(18歳から・経験なし)
準中型免許は18歳から取れます。道路交通法88条1項1号で、準中型免許は18歳に満たない人には与えないことになっています。試験は17歳6か月から受けられます(道路交通法96条1項ただし書)。普通免許を先に持っている必要はなく、運転経験の年数も問われません。
普通免許と違うのは視力の基準です。準中型免許は、大型・中型免許や二種免許と同じ基準で、深視力の検査もあります(施行規則23条)。警視庁の案内の原文は次のとおりです(警視庁 準中型免許試験)。
視力が両眼で0.8以上、かつ、一眼でそれぞれ0.5以上であること。三桿法の奥行知覚検査器により3回検査し、その平均誤差が2センチメートル以下であること。
| 普通免許 | 準中型免許 | |
|---|---|---|
| 年齢 | 18歳以上 | 18歳以上 |
| 受験できる時期 | 17歳6か月から | 17歳6か月から |
| 視力 | 両眼0.7以上・一眼0.3以上 | 両眼0.8以上・一眼0.5以上 |
| 深視力 | 検査なし | 平均誤差2cm以下 |
| 運転経験 | 不要 | 不要 |
聴力は、準中型免許も普通免許も、特定後写鏡などを付けることを条件に受けられる場合があります(施行規則23条)。耳に不安がある人は、受ける前に試験場に相談してください。
中型免許と大型免許は、準中型より条件が厳しくなります。警察庁のリーフレットでは、原則として中型は20歳以上で普通免許などを持っていた期間が2年以上、大型は21歳以上で3年以上です。準中型免許を持っていた期間は、この年数に数えられます(道路交通法96条)。

準中型免許の取り方
指定教習所に通うか、試験場で直接受けるか
準中型免許の取り方は2通りあります。1つは指定自動車教習所に通って卒業し、試験場で適性試験と学科試験を受ける方法です。卒業証明書があれば、1年間は試験場の技能試験が免除されます(道路交通法97条の2)。取得時講習も免除です。
もう1つは、試験場で直接受ける方法です。まず仮免許の試験に受かり、過去3か月以内に5日以上の路上練習をしてから、本免許の技能試験と学科試験を受けます(道路交通法96条の2)。合格したあとに取得時講習を受けて、はじめて免許証が交付されます。警視庁の案内には「取得時講習を受講しなければ、運転免許証は交付されません。」と書かれています(警視庁 準中型免許試験(直接受験))。
取得時講習は、法律案の要綱によると、受けようとする免許の車の運転に関する講習と、応急救護処置に関する講習です。警視庁の案内では、取得時講習の申し込みは技能試験に合格した後にできます。また、技能試験は予約制で、適性試験の当日には技能試験を受けられません。試験場で直接受ける場合、少なくとも適性試験の日と技能試験の日は別になります。

教習の時限数は普通免許の有無で大きく変わる
教習所で受ける教習の最低限の時限数は、施行規則の別表第四で決まっています。1時限は50分です。普通免許を持っていない人は技能教習42時限・学科教習27時限、普通免許を持っている人は技能教習13時限・学科教習1時限です。
| 今持っている免許 | 技能教習(基本+応用) |
|---|---|
| なし | 15+27=42時限 |
| 普通免許 | 4+9=13時限 |
| AT普通免許 | 4+13=17時限 |
| 普通二種免許 | 4+5=9時限 |
| 大型二輪・普通二輪 | 13+27=40時限 |
学科教習は、免許なしの人が27時限、普通免許を持っている人が1時限、大型二輪・普通二輪の人が3時限、普通二種免許の人は0時限です。
2026年4月1日からはAT準中型免許も取れるようになり、免許なしから取る場合の技能教習は38時限です。AT普通免許を持つ人がAT準中型を取る場合は13時限です。表の時限数は最低限で、施行規則には「教習を受ける者の技能の修得状況に応じ延長するものとする。」とあります。
普通免許を持っていない人が普通免許を取る場合の技能教習は35時限なので、準中型は7時限多くなります(計算)。警察庁のリーフレットでは、普通免許なしで準中型を取る場合、教習は「最短17日で取得可能」で、普通免許は最短15日と説明しています。

試験の合格基準と合格者数
試験の合格基準は、技能試験が70%以上(施行規則24条)、学科試験が90%以上(施行規則25条)です。警察庁の運転免許統計によると、2025年に準中型の試験に合格した人(運転免許試験合格者)は33,569人で、このうち32,713人(97.5%)が指定教習所の卒業者でした。ほとんどの人が教習所を通って取っています。指定教習所の卒業者以外で合格した人は、学科と技能を受けて合格した445人と、技能だけを受けて合格した411人を合わせて856人でした(計算)。
合格者の数は、制度ができた2017年が3月12日からの分で7,678人、2018年が22,578人、2020年が29,128人、2022年が33,384人、2024年が31,571人でした。2021年からは毎年3万人台で推移しています。

同じ統計の2025年の合格率は、準中型が86.4%(受験者104,588人・合格者90,354人)、準中型仮免許が75.0%(受験者47,066人・合格者35,322人)です。
ただし、この86.4%を「準中型の試験の難しさ」とそのまま読むことはできません。受験者は延べ人数で、教習所の卒業者も含まれます。さらに準中型の数には、5トン限定(受験50,915人・合格50,361人)なども内数で入っています。5トン限定の合格者の多くは、統計の内訳で失効後の再取得などの欄に数えられています。試験場で直接受けた人だけの合格率は、統計に載っていません。

準中型免許の費用
東京都の手数料
この記事では東京都(警視庁)の手数料を確かめました。金額は次のとおりです(警視庁 準中型免許試験(教習所卒業)、警視庁 準中型仮免許試験)。
| 項目 | 金額 | 内訳 |
|---|---|---|
| 教習所を卒業した人 | 4,000円 | 受験料1,650円、免許証交付料2,350円 |
| 仮免許(直接受験) | 5,800円 | 受験料2,950円、試験車使用料1,750円、仮免許証交付料1,100円 |
| 本免許(直接受験) | 9,250円 | 受験料3,900円、試験車使用料3,000円、免許証交付料2,350円 |
| 取得時講習(普通免許あり) | 18,600円 | 直接受験の人だけ |
| 取得時講習(普通免許なし) | 35,950円 | 直接受験の人だけ |
試験場で直接受けて、仮免許と本免許に1回ずつ受かった場合の公的な手数料を計算すると、普通免許がある人は33,650円、ない人は51,000円です。不合格になると、受けるたびに受験料と試験車使用料がかかります。住民票の写しや写真の代金は含んでいません。

教習所の料金と教育訓練給付
教習所の料金には、国や都道府県が決めた統一の料金がありません。料金は教習所ごとに決められていて、今持っている免許によって教習の時限数も変わります。申し込む前に、複数の教習所の公開料金と、追加の教習や検定の料金がどう扱われるかを確かめてください。
費用の一部を国が支援する制度として、厚生労働省の教育訓練給付があります(厚生労働省 教育訓練給付制度)。講座の種類の一覧には、輸送・機械運転関係として「準中型自動車第一種免許」が載っています(厚生労働省 講座の種類一覧)。特定一般教育訓練なら教育訓練経費の40%(上限20万円)、一般教育訓練なら20%(上限10万円)が支給されます。
ただし、対象になるのは厚生労働大臣が指定した講座だけです。初めて使う人は雇用保険の加入期間が1年以上必要で、特定一般教育訓練は受講を始める2週間前までにハローワークで受給資格の確認を受ける必要があります(厚生労働省 教育訓練給付のリーフレット)。通う予定の教習所の講座が指定されているかは、教習所かハローワークに確認してください。

準中型免許を取った後の注意点
1年間は初心運転者期間
準中型免許を初めて取った人は、取った日から1年間が初心運転者期間です(道路交通法100条の2)。普通免許と同じ仕組みで、中型免許と大型免許にはありません。ただし、普通免許を持っていて、準中型を取る前に普通免許を持っていた期間が通算2年以上ある人は対象外です。
初心運転者期間のうちに違反の点数が基準に届くと、初心運転者講習を受けることになります。基準は、違反の点数の合計が3点以上(1回の違反で3点になった場合は、合計4点以上)です(道路交通法施行令36条)。講習を受ければ再試験はありません。講習を受けなかった場合や、講習の後にまた基準に届いた場合は、初心運転者期間が過ぎてから再試験を受けます。再試験で必要な能力がないと認められると、免許は取り消されます(道路交通法104条の2の2)。

準中型自動車には初心者マークが必要
準中型免許を取って1年に達しない人は、準中型自動車を運転するとき、車の前と後ろに初心者マークを付けなければいけません(道路交通法71条の5第1項)。ここでも、準中型を取る前に普通免許を通算2年以上持っていた人は除かれます。警察庁のリーフレットにも「初めて準中型免許を取得した方は、準中型自動車を運転するときには1年間初心者マークを付けなければなりません。」とあります。
付けずに運転すると、初心運転者標識表示義務違反で違反点数は1点です(施行令 別表第二)。反則金は、準中型自動車が施行令の区分で「大型車」に入るため6,000円で、普通車の4,000円より高くなります(施行令 別表第六)。18歳で取ってすぐ配送の仕事に就く人は、会社の車に初心者マークを用意してもらえるか、入社前に確かめておくと安心です。
普通自動車を運転するときの初心者マークは、道路交通法71条の5第2項で別に決まっていて、準中型免許か普通免許を受けて1年に達しない人が対象です。除かれる人は施行令26条の4で決まっているため、普通免許を長く持っていて後から準中型を取った人などは、自分が当たるかどうかを警察で確かめると確実です。

18歳で取った人が知っておきたい条件
準中型免許を持つ人でも、21歳未満か、免許を受けていた期間が通算3年に達しない人は、原則として、救急車などの緊急自動車として準中型自動車を運転することはできません(道路交通法85条7項、施行令32条の3の2)。一方で、準中型免許を持っていた期間は、中型免許(通算2年)と大型免許(通算3年)の受験資格の年数に数えられます。将来もっと大きなトラックに乗りたい人にとっては、18歳で準中型を取っておくと、そのぶん経験の年数を早く積み始められます。トラックドライバーを含め、年齢と仕事の関係はドライバーの年齢制限の記事でも触れています。

よくある質問
Q. 今の普通免許で2トントラックは運転できますか?
普通免許を取った日と、そのトラックの車両総重量によります。2017年3月12日以降に取った普通免許は車両総重量3.5トン未満まで、2007年6月2日から2017年3月11日までに取った普通免許(5トン限定準中型)は5トン未満までです。積載量2トンのトラックでも、保冷設備などで車両総重量が重くなっていることがあるので、車検証の数字で確かめてください。
Q. 自分の免許が5トン限定かどうかは、どうすれば分かりますか?
最初に普通免許を取った日で判断できます。2007年6月2日から2017年3月11日までに取った普通免許なら5トン限定準中型、2007年6月1日までなら8トン限定の中型、2017年3月12日以降なら普通免許です。取った日がはっきりしなければ、住所地の運転免許センターや警察署で確認してください。
Q. 普通免許を持っていなくても準中型免許は取れますか?
取れます。18歳以上で、視力などの適性試験の基準を満たしていれば、普通免許なしで準中型免許を取れます。準中型免許があれば普通自動車も運転できます。教習所の技能教習は最低42時限です。
Q. AT限定の準中型免許はありますか?
あります。警察庁によると、AT限定の準中型免許は2026年4月1日から取れるようになりました。免許なしから取る場合の技能教習は最低38時限です。
Q. 準中型免許でマイクロバスは運転できますか?
乗車定員が11人以上の車は中型自動車になるので、準中型免許では運転できません。準中型免許で運転できるのは乗車定員10人以下の車です。
Q. 準中型免許でお客さんを乗せる仕事はできますか?
できません。旅客の準中型自動車を、お客さんを乗せて運賃をもらう目的で運転するには、中型第二種免許が必要です(道路交通法86条1項)。
Q. 試験場で直接受けたほうが安いですか?
東京都の手数料だけなら、仮免許と本免許に1回ずつ受かった場合で、普通免許がある人は33,650円、ない人は51,000円です。ただし、仮免許を取ったあとに路上練習が必要で、不合格になるたびに受験料と試験車使用料がかかります。2025年の合格者の97.5%は指定教習所の卒業者でした。
Q. 準中型免許は最短何日で取れますか?
警察庁のリーフレットでは、普通免許を持っていない人が教習所で取る場合、最短17日と説明しています(普通免許は最短15日)。技能教習42時限は最低限の数で、上達の具合などで日数は延びます。
Q. 5トン限定を外すにはどうすればいいですか?
限定解除の審査に合格すれば、7.5トン未満の準中型自動車も運転できるようになります。指定教習所で教習を受けて技能審査に合格する方法と、試験場で直接審査を受ける方法があります。東京都の手数料は、教習所で合格した人が1,350円、試験場で直接受ける人が3,100円です。
Q. 準中型免許を取ってから中型免許や大型免許を取れますか?
取れます。準中型免許を持っていた期間は、中型免許(普通免許などを持っていた期間が通算2年以上)と大型免許(通算3年以上)の受験資格の年数に数えられます。
まとめ
準中型免許は、積載2トンクラスのトラックに18歳から乗れるようにするため、安全対策とあわせて2017年3月12日に作られた免許です。運転できるのは車両総重量7.5トン未満の車で、普通免許なしでも取れます。今の普通免許で運転できる範囲は、普通免許を取った日で決まります。
取った後の1年間は、初心者マークと初心運転者期間があります。将来、中型や大型、あるいは二種免許でバスを運転する道を考えている人は、大型二種免許の取り方と費用の記事もあわせて読んでみてください。

参考にした一次情報
いずれも2026年9月25日に確認しました。
- 道路交通法(e-Gov 法令検索。平成27年法律第40号の附則を含む)
- 道路交通法施行令(e-Gov 法令検索)
- 道路交通法施行規則(e-Gov 法令検索)
- 警察庁「道路交通法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」
- 警察庁「道路交通法の一部を改正する法律案 要綱」
- 警察庁「道路交通法の一部を改正する法律案 案文・理由」
- 警察庁「平成27年改正道路交通法リーフレットB(準中型免許)」
- 警察庁「改正道路交通法の施行状況について」
- 警察庁「貨物自動車に係る運転免許制度の在り方に関する有識者検討会」設立趣旨書
- 警察庁 同検討会「報告書について(概要)」
- 警察庁 同検討会「報告書」
- 警察庁「AT大型免許等の導入及びMT免許の技能試験等の方法の見直しについて」
- 警察庁「運転免許統計(令和7年版)」
- 警視庁「準中型免許試験(指定教習所を卒業又は検査合格証明書をお持ちの方)」
- 警視庁「準中型免許試験(直接試験場で受験される方)」
- 警視庁「準中型仮免許試験」
- 警視庁「準中型免許限定解除審査(指定教習所で技能審査に合格された方)」
- 警視庁「準中型免許限定解除審査(直接試験場で審査を受けられる方)」
- 厚生労働省「教育訓練給付制度について」
- 厚生労働省「教育訓練給付の講座の種類一覧」
- 厚生労働省「教育訓練給付制度のリーフレット」
受験資格や手数料は住所地の都道府県警察、教習の料金は各教習所、給付の対象かどうかはハローワークに、最後は直接確かめてから進めてください。




